ウィスキー
原題:WHISKY
「まるで南米版アキ・カウリスマキ!でもとってもオリジナル」 ウルグアイから現れた新しい才能に世界が注目!
第17回東京国際映画祭東京グランプリ受賞::http://www.tiff-jp.net/
2004年/ウルグアイ=アルゼンチン=ドイツ=スペイン/94分/カラー/ドルビーSRD 配給:ビターズ・エンド
2005年10月28日よりDVDリリース 2005年10月28日よりビデオリリース 2005年4月29日、渋谷シネ・アミューズにてロードショー
公開初日 2005/04/29
配給会社名 0071
解説
<南米ウルグアイ発、世界中を虜にした傑作>
カンヌ国際映画祭でのワールドプレミアで、「無表情なのに無性に可笑しい。まるで南米版アキ・カウリスマキ」(バラエティ/米)、「やんわりとしたユーモアが漂う、すべてにおいて完璧な作品」(デア・ターゲシュピーゲル/独)と絶賛され、オリジナル視点賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞。そして東京国際映画祭でのグランプリと主演女優賞受賞の快挙。ブラジルとアルゼンチンという南米の大国に挟まれた小国ウルグアイ。そこから生まれた一本の傑作は、世界中の人々を虜にしている。
<“ウィスキー”は幸せの合言葉>
ウルグアイのさびれた靴下工場。経営者ハコボの下で、中年女性マルタが助手として働いている。二人は一緒に仕事をしていても、必要な会話をかわす以上の関係になることはなかった。しかし、弟エルマンの久しぶりの帰国が、彼らの生活を変えていく。ハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦のふりをして欲しいと頼み、ほとんど他人同士の三人のぎこちない共同生活がはじまる。
一緒に写真を撮る際に、「ウィスキー」を唱える三人。その瞬間、ぎこちない関係が解消したかのように見える。彼らは、果たして写真の中と同じように、一緒に「ウィスキー」と唱えられる日を迎えられるのだろうか?
<人生をユーモラスかつメランコリックに描く、30歳の監督コンビ>
世界中を虜にした本作品の監督は、弱冠30歳同士のコンビ監督フアン・パブロ・レベージャとパブロ・ストール。大学在学中から二人で映画を撮り始めた彼らは、デビュー作「25ワッツ」でロッテルダム映画祭をはじめ、様々な映画祭で受賞を果たし注目を集める。二作目となる本作では、30歳とは思えない人間観察眼の鋭さを遺憾なく発揮し、人生の可笑しさ、哀しさ、そして素晴らしさをユーモラスに描くことに成功している。
すべて説明することはせず、観客の想像にゆだねる演出法は、ラストで三人が選択した人生の行く先を、観ている者が想像出来るようにしている。それ故に、それぞれの人物がいとおしく、彼らの選択を祝福したくなるのである。
<豊潤なミニマリズムとそれに応えるキャストの魅力>
登場人物はほとんど三人のみで、セリフも少なく一見するとミニマルな映画のように感じられる本作だが、ここで描かれている人間の行動・感情は普遍的であり、豊潤な意味を持っている。
最小限のセリフと仕種で表現するという難役に見事に応えた三人のキャスト。中でも、東京国際映画祭において主演女優賞を受賞したミレージャ・パスクアルの演技は、審査員をして、「地味な田舎の女性が、明るく愛すべき人物に奇跡的に変わっていく姿を見事に演じた」と言わしめたほど素晴らしい。
ストーリー
ウルグアイのさびれた町。
年老いた二人の兄弟と、生真面目さだけが取り柄の中年女。
それにいんちきと策略が少々。
小さな嘘を重ねるうちに、彼らは互いの絆を強めていく…。
ウルグアイの町。ハコボは、父親から譲り受けた小さな靴下工場を細々と経営している。その工場では、控えめだが忠実な中年女性マルタが助手として働いている。ハコボの一日の大半は、彼女にこまごまとした用事を言いつけることで過ぎていく。二人は長年仕事をしていても、必要な会話を交わす以上の関係になることはなかった。
しかしハコボの平凡すぎる毎日が、外国暮らしで長い間疎遠になっていた弟エルマンの訪問によって突然乱される。亡くなった母親の墓石の建立式に来ることになったのだ。見栄っ張りのハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦の振りをして欲しいと頼むのだった。彼女はすんなりとハコボの申し出を受け入れ、二人は結婚指輪をはめたり、一緒に写真を撮ったりと、偽装夫婦の準備を始める。
無事建立式も終わり、ほとんど他人同士の三人によるぎこちない日々が終わりに差し掛かったある日、遊び好きなエルマンは、この風変わりな三人組で行く海辺への小旅行を提案する。無口な性分のハコボとマルタではあったが、今までは知ることのなかった本来の姿を次第に現し始める。そう、ポーズをとって、にっこり笑い、あの言葉を一緒に唱える時が来たのだ。
人生の楽しみ?生きている悦び?そんなことを少し味わった後、ハコボとマルタは、これからいったいそんな毎日を選ぶだろう。
スタッフ
監督:フアン・パブロ・レベージャ
パブロ・ストール
脚本:フアン・パブロ・レベージャ
パブロ・ストール
ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
撮影監督:バルバラ・アルバレス
編集:フェルナンド・エプステイン
録音:カトリル・ビドソラ
ダニエル・ヤファリアン
美術:ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
音楽:ペケーニャ・オルケスタ・レインシデンテス
製作:フェルナンド・エプステイン
キャスト
ハコボ・コレル:アンドレス・パソス
マルタ・アクーニャ:ミレージャ・パスクアル
エルマン・コレル:ホルへ・ボラーニ
新婚のカップル:アナ・カッツ、ダニエル・エンドレール
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