原題:The Life and Death of Peter Sellers

ここに俳優の真実がある。

2004年10月1日イギリス公開

2004年/アメリカ・イギリス/カラー/125分/ 配給:東芝エンタテインメント

2005年06月24日よりDVDリリース 2005年06月24日よりビデオリリース 2005年1月29日、日比谷シャンテシネ、VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズにてロードショー

公開初日 2005/01/29

配給会社名 0008

解説



『ピンク・パンサー』シリーズの天才コメディ俳優
ピーター・セラーズの華麗で波瀾万丈な人生物語

『ピンク・パンサー』シリーズのクルーゾー警部役で広く知られるピーター・セラーズ。世界中の人々を爆笑の渦に巻き込み、アカデミー賞主演男優賞に二度ノミネートされるという華麗な経歴の一方、その一生はどんな出演作品よりもドラマチックで波瀾万丈なものだった。常に観客を笑わせ楽しませてきた喜劇俳優の私生活に起きていた出来事とは?数々の美女とのロマンスの裏に潜んでいた彼の思いとは?長年コンビを組んでいた『ピンク・パンサー』の監督との知られざる関係とは?大ヒットシリーズに出演し続けながら、彼が心の底で本当に演じたかった役とは?コメディに命をかけ1980年に54歳で夭折した天才俳優の、仕事・家族・友人への「複雑で過剰な愛」にあふれた感動的なヒューマンストーリー。

名優ジェフリー・ラッシュが最高のはまり役!
シャーリーズ・セロンの魅力が全開!

ピーター・セラーズを演じるのはオスカー俳優、ジェフリー・ラッシュ。ピーター・セラーズ本人ばかりか、彼が映画で演じた全ての役柄を完壁に再現。同じく実在の人物を演じた『シャイン』を超える渾身の演技で、本人が乗り移ったかのような「あまりにも似ている」姿に誰もが驚くに違いない。二番日の妻でボンド・ガールとしても有名なブリット・エクランド役には、『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を得て、いま最も輝きを放つ女優シャーリーズ・セロン。60’sスタイルのファッションとメイクに身を包み本来の美しさが全開で、思わずスクリーンに魅入ってしまう。競演陣もエミリー・ワトソン、ジョン・リスゴーなど超豪華。監督は大ヒットTVシリーズ『24』等で知られるスティーヴン・ホプキンス。当時のヒット曲を満載した音楽の華やかな魅力、数々の名作を再現したセットや衣装も見ごたえ充分。ピーター・セラーズの永遠に色槌せない魅力と時代の空気を完壁に封じ込めた一作だ。

ストーリー



ラジオスターから映画界へ。
有名になるにつれて遠ざかっていく家族との距離…

1950年代初頭のロンドン。BBCラジオのコメディ番組「グーン・ショー」は世相を風刺する過激なスタイルで人気を集めていた。番組を支える役者の一人ピーター・セラーズ(ジェフリー・ラッシュ)は現状に満足せず映画界への進出を考えているが、オーディションでは「ハンサムじゃない」「ラジオに専念すべき」と言われ続ける毎日。
私生活では妻アン(エミリー・ワトソン)と二人の子供、父(ピーター・ヴォーン)、そしてピーターを溺愛する母ペグ(ミリアム・マーゴリーズ)とささやかに暮らしている。自身も舞台芸人だったペグは「チャンスは自分の手でもぎ取るのよ」と励まし、ピーターは老人に扮装して映画の役を掴む。以降、数本の映画で主演を務めるようになり、ついに英国アカデミー賞最優秀男優賞を受賞するに到る。
ピーターはイタリアの女優ソフィア・ローレン(ソニア・アキーノ)の相手役に選ばれ、彼女に激しい恋心を抱く。俳優として成功し、郊外に豪邸を建てるほどとなったピーターだが、有名人になる一方で家庭人としてのバランスを失っていく。息子のいたずらに大人気なく反応するピーターに、妻アンは「普通の家族になれないの?」
と眩く。それでもソフィアヘの愛を抑えきれないピーターは、彼女の近くにいこうとロンドンヘ引越して猛烈にアタックするが、既婚のソフィアは相手にせず「家族の元へ帰るべきよ」と去る。ピーターはアンや子供たちに「君たちを愛しているけれど、ソフィアをもっと愛してるんだ」と素直に告げる。呆れ果てたアンは他の男と関係を持ち、二人の子供と共にピーターのもとを離れていく。

世界的な評価と人気、新たな生活の始まり。
だが心臓発作がピーターを襲う…

残されたピーターを支えるのは両親だけ。精神的に不安定になったピーターは、占い師モーリス・ウッドラフ(スティーヴン・フライ)のもとを訪れる。「孤独じゃ幸せになれません。美しい女性が何人も現れますよ」と告げられたピーターは、若い女性とスポーツカーの魅力に溺れていく。英国では既に有名なピーターだが、ハリウッド作品への出演はまだない。そこへ『ティファニーで朝食を』で名を上げた気鋭の監督ブレイク・エドワーズ(ジョン・リスゴー)が『ピンクの豹』の助演にピーターを起用したいという話が来る。主演はデヴィッド・二一ヴンだったが、ピーターのクノレーゾー警部役の演技が試写で評判を呼ぶ。ピーターは自分の演技を好きになれず二度と繰り返さないと言うが、公開前からクルーゾーを主役に据えた続編の製作が決まり、映画はアメリカでも大ヒットする。
一方、ピーターは父が入院して余命が長くないこと、そして母が「仕事で忙しそうだから」とその事実を教えてくれなかったと知り、悲しみに暮れる。離れた家族にたまに会いには行くが、ピーターの乱れた私生活は変わらない。そんな折、スタンリー・キューブリック監督(スタンリー・トゥッチ)は、ピーターを『博士の異常な愛情』の主役、しかも一人四役に起用したいという。ピーターは役作りに没頭し悩みながらも、役をひとつ減らして三役を見事に演じ、初めてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされる。
ピーターは『ピンクの豹』の続編への出演を決めかねてモーリスを訪ねる。スタジオから裏金を受け取っているモーリスはブレイク・エドワーズからの出演依頼を受けさせるために「イニシャノレがB.E.という人物との出会いが幸せを導く」と告げる。
ところが新聞でスウェーデンの美人女優、ブリット・エクランド(シャーリーズ・セロン)がロンドンに来ると知ったピーターは、モーリスの予言を彼女の事と勘違いし、ブリットを熱狂的に口説く。三週間の求愛の末、二人は電撃的に結婚。ところが新婚旅行でハリウッドを訪れたピーターは、心臓が一時停止するほどの致命的な発作に見舞われる。生死の境を彷徨いながら、今まで自分が演じてきた様々な役柄を思い出すピーター。一命を取り留めた彼は、ブリットとの幸せと今後のキャリアのことを考え、コメディ役者を卒業して正統派俳優になることを誓う。

独り取り残されるピーター。
彼が最後に生涯をかけて演じたかった役柄とは…

心機一転ジェームズ・ボンド役に臨んだ『007/カジノ・ロワイヤル』ではあくまで笑いを求める監督と衝突。ピーターはセットから逃げ出してしまう。自宅に戻ったピーターは、ブリットが妊娠している事を知る。ピーターはこれ以上子供を望まなかったが、ブリットは出産を決意。無事生まれた子供を抱えてブリットはピーターと同じ作品に出演するが、ピーターは子供が泣き止まないとブリットを怒鳴リスタジオから立ち去らせる。ハリウッドで仕事を続けるピーターのもとに、入院中の母ペグからイギリスヘ見舞いに来て欲しいと電話が入るが、ピーターは身動きが取れないと断る。最愛の母ペグが亡くなったことを知ったピーターは失意のどん底に陥り、悲しみをブリットにぶつける。醜い争いの末、ブリットもピーターを見限り子供を連れて去っていく。
独り残されたピーターはドラッグや女性関係に溺れ、整形まで施し幾つかのコメディ映画に出演する。しかし彼にはどうしても撮りたい『チャンス』という企画があった。「主人公は明確な自己を持っていない。素朴な人間で空っぽの器だ。とても興味をひかれる」とピーターはモーリスに熱く語るが、モーリスはペグの魂が語っていると称して「『ピンク・パンサー3』に出演する事が『チャンス』を作る力になる」と告げる。養育費を稼がなくてはならない事もあり、ピーターはブレイク・エドワーズと再び仕事をすることになるが、プレミア試写会の席でピーターはブレイクを壇上に招き「二流の才能」とこき下ろす。
ピーターは心臓に不安を抱えながら独りスイスの山小屋に引きこもり、それまでの人生や仕事のことを想い帰す。『ピンク・パンサー』シリーズはその後も『4』へと続いていく。ブレイクにとってピーターとの仕事は大笑いと忍耐の連続だったが、それでも二人のコンビは名作を生み出してきた。しかしピーターは新しいスタートを切るため、過去の栄光に関わる持ち物を全て燃やしてしまう。そしてついに念願の企画であり、平凡な庭師を主人公にした映画『チャンス』が実現。ピーターは役者としての本領を発揮し、アカデミー賞主演男優賞に再びノミネートされる。ブレイクはピーターをスイスのレストランに呼び出すことに成功する。続編の企画『ピンク・パンサーの恋』について話し合おうというのだ。しかし雪に覆われた街灯の下、じっとしたまま動かないピーターを見たブレイクは、映画の実現は無理だと悟るのだった。

スタッフ

監督:ステーィヴン・ホプキンス
原作:ロジャー・ルイス
脚本:クリストファー・マーカス
   スティーヴン・マクフィーリー
製作総指揮:フレディ・デ・マン
      ジョージ・フェイバー
      チャールズ・パッティンソン
      デヴィッド・M・トンプソン
製作:サイモン・ボサンクエット
撮影監督:ピーター・レヴィ/A.C.S,A.S.C
編集:ジョン・スミス
音楽:リチャード・ハートレイ
キャスティング:ニナ・ゴールド
プロダクション・デザイナー:ノーマン・ガーウッド

キャスト

ジェフリー・ラッシュ
シャーリズ・セロン
ジョン・リスゴー
ミリアム・マーゴリーズ
スティーヴン・フライ
スタンリー・トゥッチ
エミリー・ワトソン
ピーター・ヴォーン
ソニア・アキーノ

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