イブラヒムおじさんとコーランの花たち
原題:Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran
「ほら、人生は素晴らしい」 あの夏、ぼくは幸せになる秘密を知った。
第17回東京国際映画祭::http://www.tiff-jp.net/ ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネート ヴェネチア国際映画祭特別功労賞・観客賞受賞 セザール賞主演男優賞受賞 シカゴ国際映画祭主演男優賞受賞
2003年9月17日フランス初公開
2003年/フランス/95分/ヴィスタサイズ/DOLBY SR/Digital/ 原作:メディアファクトリー/サウンドトラック:Rock Chipper Records inc. 宣伝:ギャガGシネマ風 協力: アット エンタテインメント、アミューズメントメディア総合学院 提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
2005年05月13日よりビデオリリース 2005年05月13日よりDVDリリース 2005年04月28日よりDVDリリース 2004年11月20日より恵比寿ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
公開初日 2004/10/23
公開終了日 2004/10/31
配給会社名 0025
解説
「笑ってごらん・・・幸せになれるから」
笑顔を知らないユダヤ人の少年に人生の素晴らしさを教えたのは、年老いたトルコ商人だった。
『ニュー・シネマ・パラダイス』、『セントラル・ステーション』に続き、世界各国を温かな涙で包み込んだ感動作が日本上陸!
パリの裏町で暮らす13歳のユダヤ人少年モモと、彼のアパルトマンの向かいで小さな食料品店を営むトルコ移民の老人イブラヒム。家族の愛に恵まれない不幸な境遇の中で思春期を迎え、大人への階段を一歩ずつ上っていくモモ。そんな彼の成長に手を貸すことに生き甲斐を見出し、孤独な生活から脱していくイブラヒム。愛も知らずに人生の春を迎えた少年が、人生の晩秋にさしかかった老人と出逢い、限りない愛情を注がれ、人生の楽しみ・喜びを知っていく姿をいきいきと捉えた物語は、人種と世代の壁を超えた人間同士の絆を描く普遍的なヒューマンドラマとして、深く心にしみる味わいを残す。
本作は、エリック=エマニュエル・シュミットがコーランと実在した祖父の思い出を元に描いたベストセラーの映画化だ。2003年のヴェネチア映画祭で主演のオマー・シャリフが特別功労賞を受賞したほか、本年度のゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞にノミネートされるなど、世界各国で絶賛の嵐を巻き起こしている珠玉の感動作だ。
賢明でつつましく、無限に広がる空のようにおおらかな人生観を持つイブラヒムを演じるのは、『アラビアのロレンス』(‘62)でアカデミー賞候補になって以来40年以上も国際派スターとして活躍するも一時引退を宣言していたオマー・シャリフ。本作をきっかけにハリウッドからもオファーが殺到。『オーシャン・オブ・ファイヤー』(‘04)などで得難いバイプレイヤーぶりを発揮している。哲学的なセリフをさらりと言ってのける役柄に枯れた名演技を光らせた彼は、本作でヴェネチア映画祭の特別功労賞、観客賞を受賞したほか、セザール賞の主演男優賞も受賞。ゴールデン・サテライト賞の助演男優賞にもノミネートされた。
その名優シャリフと共に劇の感動を担うモモを演じたのは、本作がデビューとなるピエール・ブーランジェ。全くの新人ながら、思春期の揺れ動く感情を巧みに表現する演技は批評家の賞賛を浴び、シカゴ国際映画祭では主演男優賞に輝いた。その他、脇を固めるキャストには、『逢いたくて』のジルベール・メルキ、『ヴィドック』のイザベル・ルノーといったベテランが集結。また、イブラヒムの店へ水を買いに来るブリジッド・バルドーのような女優の役どころで、イザベル・アジャーニが出演しているのも見逃せない。
ストーリー
1960年代初頭のパリ。モモ(ピエール・ブーランジェ)は、ブルー通りのアパルトマンで父(ジルベール・メルキ)と暮らす13歳のユダヤ人の少年。母は、モモが生まれてすぐ兄のポポルを連れて家を出て以来、まったくの音信不通。その寂しさもさることながら、優等生だったというポポルと比べられ、父から小言を言われることが、モモにはうっとうしくて仕方がない。
そんなモモの目下の最大の関心事は、はやく初体験をすませること。毎日、アパルトマンの窓から娼婦たちの姿を眺めながら、誘い方の練習に励むモモ。「今日こそは」と意を決した彼は、貯金箱の小銭を持って、通りの向こうにあるトルコ移民の老人の食料品店へ両替に行った。店主のイブラヒム(オマー・シャリフ)には、両替の目的はお見通し。だが彼は、黙ってモモに札を手渡した。その35フランを握りしめ、通りに戻ったモモは、16歳だと年齢をごまかして娼婦を誘うことに成功。晴れてオトナの仲間入りを果たす。
それからしばらくして、ブルー通りに映画の撮影隊がやって来た。近所の人たちや娼婦に交じって、モモも撮影を見学。イブラヒムの店では、女優(イザベル・アジャーニ)が買い物をした。イブラヒムが水を5フランで売りさばくのを見て、「ぼったくりだね」と声をかけるモモ。するとイブラヒムは、「君がくすねた分を取り返さなくちゃ」と言った。彼は、モモが毎日のおつかいのついでに、缶詰を万引きしているのを知っていたのだ。「ちゃんと弁償するから」と、しどろもどろになるモモに、「弁償しなくていい。でも、盗みを続けるならうちの店でやってくれ」と答えるイブラヒム。モモ宅の家計の苦しさを知っている彼は、余ったパンをあぶって食べる方法や、コーヒーにチコリを混ぜる方法、ティーバッグを乾かして再利用する方法をモモに教えてやった。そんなイブラヒムに、モモは、父親からは得られない大きな愛情を、彼が注いでくれるのを感じる。
スタッフ
監督:フランソワ・デュペイロン
制作:ミシェル・ペタン/ロラン・ペタン
脚本:フランソワ・デュペイロン/エリック=エマニュエル・シュミット
撮影監督:レミ・シェブラン
美術:カーチャ・ヴィシュコフ
編集:ドミニク・ファイス
衣裳デザイン:カトリーヌ・ブシャール
音楽:フランソワ・デュペイロン/ミシェル・ペタン/ロラン・ペタン
原作:エリック=エマニュエル・シュミット
キャスト
イブラヒムおじさん:オマー・シャリフ
モモ:ピエール・ブーランジェ
モモの父:ジルベール・メルキ
モモの母:イザベル・ルノー
ミリアム:ローラ・ナイマルク
女優:イザベル・アジャーニ
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