H[エイチ]
原題:H
あなたを破壊する。 ANOTHER『カル』韓国版『羊たちの沈黙』 休学のスパイラル・ゴア・スリラー
2002年/韓国/カラー/シネスコ/ドルビーSRD/106分/ 配給:ギャガ・アジアグループ、アニープラネト
2004年08月27日よりDVD発売開始 2004年08月27日よりビデオレンタル開始 2004年3月20日よりシネセゾン渋谷にてレイトショー
公開初日 2004/03/20
配給会社名 0025/0406
解説
胎児をみごもった女性の連続殺人事件が発生。1年前の6連続殺人事件との関連は…。
ゴミ捨て場で妊娠中の女子高生と引きずり出された胎児の死体が発見され、バスの中で臨月の女性が腹部を切り裂かれて殺された。その手口は1年前に起きた6つの連続殺人事件と酷似。犯人のシン・ヒョン(チョ・スンウ)は収監されており犯行に及ぶことはできない。事件を担当する女性刑事のキム・ミヨン(ヨム・ジョンア)と刑事カン・テヒョン(チ・ジニ)が捜査にあたるが、第3、第4の殺人事件が起きる。模倣犯か、それともシン・ヒョンの指示による犯行か。謎は深まるばかりだった…。
新たなるサイコ殺人犯像−韓国を震撼させたシン・ヒョン
『羊たちの沈黙』のれクター博士、『セブン』のジョン・ドゥ。サイコ的な連続殺人犯の系譜に、新たな名前が加わった。『H』のシン・ヒョンだ。色白の端整な顔立ちの中になぞめいた微笑を浮かべ、殺人による世界の救済を訴える物静かな青年。死刑囚として、牢につながれている彼に翻弄され、次第に狂気の世界へと引きずり込まれる女刑事と若手刑事。彼らは、模倣犯による妊婦を狙った残酷な連続殺人事件を解決できるのだろうか…。
Hのイニシャルに隠された驚愕のエンディングとは!?
題名であるHとは、何を示すのか。Hは連続殺人鬼シン・ヒョンのイニシャルである。だが、事件を解決するためのキーワードも、この頭文字上に隠されている。それは恐怖と戦慄を起さずにはいられないどんでん返しを招く、ある秘密をこめた文字なのだ。
ダークで緊張感あふれる画面を彩るハードゴア描写
『H』は韓国では珍しいサスペンス・スリラー映画だ。『カル』に見られたような切断された死体や血まみれの映像に彩られてはいるものの、そのハードゴア的な描写は、韓国で流行中のホラー映画とは異なり、真理的な重圧を与える視覚効果として用いられている。冒頭の死体発見シーンでの降りしきる雨や全篇を覆う不気味で謎めいた空気が、キリキリと観るものの神経を逆なでする。ダークでスタイリッシュな画面づくりや世界を救済するためと称した殺人事件は『セブン』を連想させ、牢につながれた殺人犯が事件解決のヒントを与えると言う設定は『羊たちの沈黙』を思わせる。だが、優男的な青年が静かな狂気を漂わせて闇からの声を伝える不気味さと緊張感は、他の作品には見られない底知れぬ戦慄を与えてくれる。
『ラブストーリー』の若手スター、チョ・スンウがサイコ殺人鬼に挑戦。日韓合作ドラマ『ソナギ』で米倉涼子と共演、二枚目俳優チ・ジニに熱視線。エリート女刑事役は『カル』のクールビューティ、ヨム・ジョンア。三人の若手俳優に注目!
連続殺人犯シン・ヒョンを演じるのは、『春香伝』の若殿様役で注目され、『ラブストーリー』では70年代に生きる青年を演じきった若手実力派スター、チョ・スンウ。『ラブストーリー』での学生服姿のさわやかさ、『春香伝』の若様のイメージを振り切って、静かな狂気を漂わせたサイコ的演技は高く評価された。若手刑事カン役には、日韓合作ドラマ『ソナギ〜雨上がりの殺意』で米倉涼子と共演して、日本の女性たちの熱い視線を浴びた二枚目スターのチ・ジニ。5キロ減量して、シン・ヒョンに翻弄される熱血刑事役に挑んだ。エリート女刑事キム・ミヨンに扮するのは、ミスコリア出身で『カル』ではシム・ウナ演じたヒロインの親友役として強い印象を残したヨム・ジョンア。暗い影を背負いながらも冷静に捜査に当る凛々しい姿が美しく、カン刑事とともに事件の核心に迫っていく緊迫感を的確に演じている。監督は本作が初監督作となる新鋭イ・ジョンヒョク。パク・ジンウォン監督の『虹鱒』で助監督を経験後、今回初監督に臨んだ。スタイリッシュな映像センスが秀逸で、今後の韓国映画を背負う逸材として期待されている。
ストーリー
しのつく雨のゴミ捨て場で女子高生の死体が発見される。
殺害時には妊娠しており、胎児は死体から引きずり出されていた。それから約1ヶ月後、バスの中で女性の死体が発見される。臨月だった女性の腹部は鋭利な刃物で十文字に切られていた。
それは1年前に起きた6つの連続殺人と酷似していた。
犯人のシン・ヒョン(チョ・スンウ)は意外にも市警本部に切断された遺体の一部を持って自首していた。ジン・ヒョンは死刑を宣告され、収監されていて犯行に及ぶことはできない。それなのにまったく同じ手口の連続殺人が起こった。
事件を担当することになったのは、女性刑事のキム・ミヨン(ヨム・ジョンア)と同僚刑事カン・テヒョン(チ・ジニ)。
ミヨンの恋人ハン刑事は、自殺している。ミヨンはその原因が、シン・ヒョンにあると思い込んでいる。カン刑事はシン・ヒョンに面会する。シン・ヒョンは色白のおとなしそうな青年で、とても冷酷な殺人犯には見えない。しかし、なぞめいた微笑を浮かべ「死者の魂の声が聞こえるか」と問いかける彼にカン刑事は底知れぬ不気味さを覚えるのだった。
やがて第3、第4の殺人事件が起きる。
前と同じようなやりかただった。犯人は割り出されるが、警察は後手後手に回らざるを得ない。その犯人はシン・ヒョンと同じ刑務所にいたことがあった。シン・ヒョンの指示による殺人か。謎は深まるばかりだった…
スタッフ
監督:イ・ジョンヒョク
脚本:イ・ジョンヒョク、キム・ヒジュ
製作:リュ・ジンオク
撮影:ピーター・クレイ
編集:ハム・ソンウォン
音楽:チョ・ソンウ
美術:イ・ジョンビル
照明:パク・ジョンファン
キャスト
チョ・スンウ
ヨム・ジョンア
チ・ジニ
ソン・ジル
キム・ソンギョン
キム・インクォン
キム・プソン
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