Bモンキー
原題:B. Monkey
1999年9月10日アメリカにて初公開
1998年/アメリカ・イギリス・イタリア/92分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/字幕翻訳:松浦美奈 配給:松竹
2003年11月22日よりDVD発売&レンタル開始 2003年11月22日よりビデオレンタル開始 2003年5月10日よりシネリーブル池袋ほか全国ロードショー公開
公開初日 2003/05/10
配給会社名 0003
解説
一瞬の輝きを追い求める3人の男女に、生き方までも揺さぶられる危険な映画の誕生!
孤独が似合うロンドンの街。ミステリアスな美少女ベアトリスには、オフィスで働く昼間の顔とは違うもう一つの顔があった。コードネームは“Bモンキー”、大胆な手口と完璧な仕事で知られるギャングの一員だ。故郷のイタリアを捨てて流れ着いたこの街で、彼女には天からの贈り物のような素敵な家族ができた。ギャング仲間の少年、ブルーノと、彼の年上の“恋人”でやはり危ない仕事に手を出しているポールだ。傷つけあうことでしか愛を確かめられないポールとブルーノを、母のように、また時には妹のように見守るベアトリス。彼女にとって二人の男は、過去のことは何も問わず、何も求めず、今ここにいる自分を抱きしめてくれるかけがえのない存在だった。
3人はまるで呼吸をするように気軽に罪を犯し、危険と遊ぶことを楽しんでいた。彼らは、ヒリヒリするようなスリルに満ちた毎日が永遠に続くものだと思っていた。ベアトリスが、運命の恋に出会ってしまうまでは……。
人を殺す以外は何でもやってのけるヒロイン、自分の美意識を貫くためには死さえも恐れない青年と、彼に愛を捧げる美少年。常識にとらわれずに、刹那の魂の輝きだけを追い求める彼らの生き方を、ただクレイジーと感じるか、それともその純粋な美しさに胸を締め付けられるか……。これは、観る者の生き方そのものに疑問を投げかけ、価値観や美意識までも揺さぶる危険な映画なのだ。
英国が誇る美しき俳優とイタリアのスーパーヒロイン、奇跡の共演!
『アナザー・カントリー』のルパート・エヴェレット、『ベルベット・ゴールドマイン』のジョナサン・リース・マイヤーズ。英国美少年史に燦然と輝く二人が“カップル”を演じるという、奇跡の共演が実現した。エヴェレットの方は年齢を重ねて、『ベスト・フレンズ・ウェディング』や『恋におちたシェイクスピア』などに出演、今や英国を代表する演技派俳優としての地位を確立した。退廃的で自虐的、ナルシストで淋しがり屋の没落貴族ポールに扮した彼のアイロニーに満ちた演技は、強烈な毒を放って観る者を陶然と酔わせてくれる。
ジョナサン・リース・マイヤーズが演じるのは、ポールを慕うブルーノ。感情の赴くままに行動する彼は、ベアトリスの言わば影の部分の共鳴者だ。何も語り合わなくとも、痛みを共有できるベアトリスの精神的双生児、ブルーノを見事に演じている。ジョナサンはただ美しいのではなく、美しく生まれたことの悦びと悲しみを、濡れた眼差しと震える唇だけで表現できる稀有な俳優なのである。
二人と本当の家族以上の絆を結ぶヒロイン“Bモンキー”ことベアトリスには、アーシア・アルジェント。9歳の時に女優デビュー、母国イタリアで活躍した後、アメリカで記録的大ヒットとなった『トリプルX』に出演、ハリウッドで今一番注目されている女優の一人である。セクシーさと子供っぽさをあわせ持つベアトリスは男性の理想のヒロインと言えるだろう。と同時に、大胆さと繊細さ、優しさと攻撃性という相反する性格に引き裂かれながらも、常に自分の欲望を最優先する正直さが痛快で、現代の女性にも大いに共感される、新たなるヒロインなのだ。また、彼女の光の部分の共鳴者である運命の恋人には、『スモーク』のジャレッド・ハリスが扮し、優しさに満ちた心に残る演技を披露している。
世界が泣いた『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォード、新たなる挑戦!
監督は、アカデミー賞5部門にノミネートされた『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォード。この作品が世界各国で大ヒットしたため、ラドフォードのもとには山のような脚本が届き、監督の依頼が殺到した。そんな彼が次回作として選んだのが、本作『Bモンキー』である。
撮影は主にロンドンで行われたが、ラドフォードはいわゆる絵ハガキ的なイメージを嫌い、テームズ川とその周辺を中心に撮影した。“遺産を浪費した没落貴族”という設定のポールの家は、キングス・ロードの外れにある19世紀の邸宅が使用された。また、古さと新しさが共存するロンドンの素晴らしさを表現するために、ベアトリスが初めて運命の人と出会う場所に、古いヴィクトリア朝のパブが使われた。
音楽は『イル・ポスティーノ』でアカデミー賞を獲得したアルゼンチンの作曲家ルイス・バカロフが担当、ロンドンの街を自由奔放に動き回るカメラで生き生きと捉えた撮影監督は、『スティル・クレイジー』『マリー・アントワネットの首飾り』のアシュレー・ロウ、美術は『十二夜』『シャンプー台のむこうに』のソフィー・ベシェ、ベアトリスの心の移り変わりを衣裳で表したのは、『ロザリンとライオン』のヴァレンタイン・ブレトン・デ・ロイス。イギリス映画界の個性派スタッフたちが集結した。
ストーリー
「愛は幸せな笑い声や、甘ったるい夢じゃない。愛は闘いよ。最後は死しかない」
Bモンキー出現、今日も完璧に暴れる
Bモンキー(アーシア・アルジェント)はコードネーム。フランク(ティム・ウッドワード)が仕切るギャング・グループの一員。セクシーでミステリアスな美少女だが、カワイイ顔で人殺し以外は何でもやる。今日もウェスト・エンドの宝石店で盗みをキメた後は、使った車に火を放ち、銃を始末。その大胆で完璧な仕事ぶりで、裏の世界では一目置かれている。一番息の合うパートナーはブルーノ(ジョナサン・リース・マイヤーズ)。黙っていれば美少年なのに、とにかくアブないところがBモンキーと双子みたいにそっくり。
Bモンキー、“家族”の待つ家へ帰る
ひと仕事終えたBモンキーは家に帰る。ブルーノの年上の“恋人”ポール(ルパート・エヴェレット)の家に。ポールとブルーノは、Bモンキーにとってかけがえのない家族だ。ポールは上流階級の生まれで、親から莫大な遺産を受け継いだのに、全部見事に食いつぶしてしまった。やむなく始めた仕事はドラッグの売買。自分もコカインに溺れてる。
ポールが命の次に大切なのはピアノ。何か弾いてくれる? 「写真を飾るために置いてるだけさ」
ブルーノの18歳のバースデイ。ポールのプレゼントは“お別れ”
ブルーノの18歳のバースデイ。近くのパブで乾杯するブルーノとポール、Bモンキー。このままずっと3人で楽しく過ごせると思っていたBモンキーの前で、ポールがブルーノに別れを宣言。アタマにきたブルーノはポールの車をメチャクチャにしてしまう。「俺を殺すか? キスするか?」
ブルーノを追い出したポールはどんどん自虐的になっていく。ブルーノを嫌いになって追い出したわけではないようだ。どうやらフランクに多額の借金があるのも原因らしい。
Bモンキー、足を洗ってベアトリスに戻る
突然、足を洗うと決めるBモンキー。理由? 「スリルとバカ騒ぎに飽きたから」本名のベアトリスに戻り、昼間はオフィスで働く。でもフランクが彼女の二つのヨワミに付け込んでくる。一つはイタリアにいるママ。ベアトリスは盗んだ金をママに仕送りしていたのだ。もう一つはポール。借金を返さなければきっとフランクに殺される。
ポールにナイショでブルーノと連絡を取り合うベアトリス。ポールへのブルーノの愛は強すぎて、憎しみに変わろうとしていた。
ベアトリス、運命の恋に出会ってしまう
ベアトリスをひと目見て、恋に落ちたのは小学校教師のアラン(ジャレッド・ハリス)。ミュージシャンの夢を諦めきれず、夜間、小学校でDJのアルバイトをするマジメな青年だ。交わるはずのない二つの人生が激しい事故のようにぶつかってしまった。
最初はアランの情熱に引きずられていたベアトリスだが、だんだん彼女の方がアランとのマトモな愛にのめりこんでいく。
“家族”と恋人に引き裂かれるベアトリス
ブルーノはアランを「ダサイ奴」と嘲笑う。
パリへの小旅行でますますアランとの愛を深めたベアトリスは、彼と暮らすことを決意、ポールの家へ荷物を取りに行く。ところがポールの部屋は、修復不可能なほど破壊されていた。呆然と座り込むポール。彼の全てを知っているピアノもガラクタ同然だ。金を返さないので、フランクの手下が嫌がらせをしたのだ。
ポールのことが心配だけれど、アランと去っていくベアトリス。「君は俺を捨てた」
着飾って出かけるベアトリス。テンションが上がったその顔は、Bモンキー。
彼女が選んだ決着とは?
スタッフ
監督:マイケル・ラドフォード
原作:アンドリュー・デイヴィス
製作総指揮:ニック・ポウウェル
製作:コリン・ヴェインズ、スティーブン・ウーリー
共同製作:ロウリー・ボーグ
共同製作総指揮:ボブ・ウェインスタイン、ハーヴェイ・ウェインスタイン
キャスティング・ディレクター:シャロン・ハワード−フィールド、カレン・リンゼイ−スチュアート
衣装:ヴァレンタイン・ブレトン・デ・ロイス
音楽:ルイス・バカロフ
編集:ジョエル・ハーシュ
プロダクション・デザイナー:ソフィー・ベシェ
撮影監督:アシュリー・ロウ
キャスト
Bモンキー:アーシア・アルジェント
アラン:ジャレッド・ハリス
ポール:ルパート・エヴェレット
ブルーノ:ジョナサン・リース・マイヤーズ
スティーヴ・デイヴィス:イアン・ハート
フランク・ライス:ティム・ウッドワード
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