マイ・ビッグファット・ウエディング
原題:My Big Fat Greek Wedding
『タイタニック』に次ぐラブストーリー史上第2位に!
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003特別招待作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/sakuhin2003/
2002年4月19日全米初公開
2002年/アメリカ/カラー/96分/ 配給:ワーナー・ブラザース
2004年12月03日よりDVD発売開始 2003年12月24日よりビデオレンタル開始 2003年12月24日よりDVD発売開始 2003年7月19日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にて公開
©2002 Gold Circle Films, LLC, All Rights Reserved Distributed by Warner Bros.in select territories.
公開初日 2003/07/19
配給会社名 0085
解説
興収ランキング上位の超大作群の中に意外な小品が顔を出す“事件”は、実はかなりの確率で起こり得る。だがその小品が興収ベスト10に30週以上ランクインし、全米で8ヶ月以上もロングラン上映され超大作映画でも到達するのが難しい。興収2億ドル達成したとなると、これはもう“現象(フェノミナン)”と呼ぶしかない、とんでもない出来事だ。その『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』が、ついに日本に上陸する!
と、普段なら「ビッグ・ファット“大仰なの意味”」な表現に映るかも知れないが、この作品の出現とその後の大爆走が2002年のアメリカ映画界最高の驚きであるとともに、これからの映画界の動向を占う、あるいは大転換させてしまうきっかけになってしまった事実を思えば、けっして大げさでないことが分かるだろう。
21世紀最初のシンデレラ・ストーリーの主はニア・ヴァルダロス。自身ギリシャ系の女優である彼女が自分の実体験を基に書いて自分で演じた一人芝居を、同じギリシャ系女優のリタ・ウィルソンが母と共に感激、夫のトム・ハンクスにもすすめ、ハンクスも大いに感銘して自分の製作グループ“プレイトーン・カンパニー”で映画化すること申し出た。—これだけ聞けばニアにとっては偶然の作用によって転がり込んできた“幸運”と思われがち。だが彼女が凄いのは、ハンクスに声をかけられた時にはすでに映画用の脚本を書き下ろし済みだったし、「よりいいエージェントが付きやすい」ロサンゼルスの地をあえてて選んで、ひとり芝居を上演したことが、彼女の全ての幸運の始まりだったのである。
つまり、ニア演じる『マイ・ビッグ・ファット・ウェデイング』のヒロイン、トゥーラが、ある瞬間「自分の幸運は自分でつかむ!」と決意して大変な努力をしてそれで冴えない自分とさよならをしたように、ニア自身もシンデレラ・ストーリーの土台は自分自身の手で着々と築いていった、と言うことになる。
もっともそれまでハリウッドなら、企画だけ高く買ってもっと派手な展開に仕立て上げて公開する、というのが常連。ほとんどの人が知らない、しかも今年41歳になるニア・ヴァルダロスがスクリーンでも主演するなどというのはあり得なかったのだろう。事実、製作側にはギリシャ系ではなく、ヒスパニック系の話にしようというアイデアも出てきたという。それを断固「これは彼女のストーリーだ」とこだわったトム・ハンクス夫妻の矜持と真摯さ。もしかしたらニアにとって一番幸運だったのは、それだったかもしれない。
加えて、コッポラやスコセッシを始めとするイタリア系映画人ほど多くはなくとも、古くはエリア・カザン、そして刑事コジャックことラリー・カバラス・ジョン・カサベテス、ジョージ・チャキリス、ミカエル・カコヤンス、オリンピア・デュカキス…etc、と確実に映画界の一角を占めるギリシャ系映画人のライン上にニアがつらなるハリウッドの歴史も見逃せない。そして、01年9月11日のテロ以来、「一つのアメリカ」に軸するのと同時に自分達の個々ののルーツを再確認しよういう動きに、一見ハチャメチャに見えるトゥーラ・ポルトカロスの人々の善意がフィットしてしまったこともあげられる。
あるいは、ギリシャ的な要素から離れて、もっと普遍的に考えれば、仕事とそれぞれの目的意識を持ち、でも恋をしたり、家庭を築くことにもそれなりの夢を持つ女性にとって、自分のそうした立場や家庭的事情を汲んで積極的に歩み寄ってくれるジョン・コーベット扮するイアン.ミラーのような男性はやはり一つの理想像ともいえる。彼のような大人の男性が相手なら、ド派手な結婚式をあげるの悪くない、とギリシャ系でない女性たちの心をもキャッチし「結婚」が今より重要な人生のイベントだった親世代の共感も得てしまったようで、この映画、口コミのネットワークがどんどん広がっていったのだ。その結果、興行成績だけでなく、アカデミー賞の脚本賞、ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディー部門で、作品賞、主演女優賞の2部門にノミネートされる快挙。
脚本・主演のニアの他には、監督がジョエル・ズウィック、古き佳き時代の頑固親父といったいい味を出してニア以上に人気者になってしまった父親役にマイケル・コンスタンテイン・母親役にレイニー・カザン、そして先のジョン・コーベット、世界的に人気のポップ・グループ:インシンクのジョーイ・ファトーン、アンドレア・マーティンなどが顔をそろえ、ニアの一人芝居ではできなかったてんやわんやぶりを見せる。イアンの友人役のイアン・ゴメスは、ニアの実生活のパートナー。2人そろって演技で盛んなシカゴの劇団“セカンドシティー”で活躍していたというのも興味深い。
2004年はアテネ五輪イヤー。さて、アメリカから手渡された日本における『マイ・ビッグ・ファット・ウエディング』の聖火、いったいどこまで燃ええ続けることだろう!?
ストーリー
子供時代からドン臭い眼鏡をかけ、何もエキサイティングなことが起こらないまま、30歳になってもただ両親が経営するギリシャ料理店のウェイトレスをしているだけのトゥーラ・ポルトカロス(ニア・ヴァルダロス)は、ある時「自分の人生を変えられるのは自分だけ!」と気づく、ギリシャ人の彼女は、「ギリシャ人はギリシャ人ととしか結婚したはならぬ」と考える両親。そして、親戚の人々の心配の種だったが、そんな周囲の声よりも、彼女を目覚めさせてくれたのは、レストランにやってきた背の高いハンサムな男。もちろん彼と再会できるチャンスなんて、望むべくもないのだけれど、とりあえずやってやろうじゃないの、とトゥーラの大変身が始まる。大学でコンピューターの講習を受けると同時に、眼鏡はコンタクトレンズに変え、ダイエットして、ファッションも髪型も一変。そして、叔母(アンドレア・マーティン)の経営する旅行代理店に就職したのだ。
そんなトゥーラの努力をギリシャの神々は見逃すわけはなかった。レストランにやってきた時はトゥーラのことなど目にもとめなかった例のハンサム、イアン(ジョン・コーベット)が、今度は自分の方から彼女を意識してくれたのだ。案の定、最初は凍りついたポルトカロス家の人々。だが、根っから陽気で気のいい彼らが望むのは、可愛いトゥーラの幸福だけ。あとは花婿さんと彼の家庭にちょっと歩み寄ってもらえればいいさ、と、静かで知的な生活を営んできたイアンの両親が事の展開に目を白黒させるのをよそに、イアンにはギリシャ正教会で洗礼を受けさせるわ、きついウーゾを飲ませて『その男ゾルバ』顔負けのギリシャの踊りの輪に誘い込むわ。
そして迎えた結婚式の当日、淡い青灰色のリムジンに氷の彫刻2個、青淡色のドレスを9人のブライズメイドに、プラスティックの階段、そして、シャンパンの噴水付き5層ケーキ、そして何よりお祝い事が大好きな親戚連中は、トゥーラとイアンの二人をちゃんと主役扱いしてくれるのだろうか・・・
スタッフ
監督:ジョー・ズウィック
脚本:ニア・ヴァルダロス
製作:トム・ハンクス、リタ・ウィルソン、マイケル・ゴッツマン
撮影:ジェフ・ジャー
プロダクション・デザイナー:グレゴリー・P・キーン
編集:ミア・ゴールドマン
音楽:アレキサンダー・ジャンコ、クリス・ウィルソンbetto
キャスト
ニア・ヴァルダロス
マイケル・コンスタンチン
クリスティーナ・エルシニオチス
ケイリー・ヴィーラ
ジョン・カランギス
レイニー・カザン
マリタ・ゾラヴリオフ
サラ・オスマン
リタ・ウィルソン
LINK
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http://movies.yahoo.com/greekwedding/
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