こぼれる月
原題:moon overflowing
第16回シンガポール国際映画祭 第5回ドービル・アジア映画祭(フランス)DVコンペティション部門グランプリ受賞 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003フォーラムシアター部門出品作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/sakuhin2003/
2002年/日本/カラー/118分/ 配給:アルゴ・ピクチャーズ
2003年10月24日よりDVD発売開始 2003年10月24日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年8月16日よりシネマ下北沢にてロードショー
公開初日 2003/08/16
配給会社名 0090
解説
これが長編第一作となる坂牧良太監督が、自らの体験をベースに「心を病む」若者たちを鮮烈に繊細に描ききった本作は、仏ドービル・アジア映画祭DV部門で見事グランプリを獲得するなど、各国映画祭で絶賛を浴びた。
もがき苦しみながらも前に踏み出そうとするヒロイン・千鶴を演じるのは『バウンスkoGALS』『リターナー』の岡元夕紀子。他に河本賢二、目黒真希、岡野幸裕ら次代を担う若手俳優が渾身の演技で観る者を圧倒する一方、大鷹明良、田島令子の両ベテラン俳優が「悩める若者を見守る」大人を印象深く演じている。
混迷を深めながら先へ進むことをやめようとしない社会に取り残され、家族にすら理解されずに孤立する主人公たちの姿は、私たちに問いかける。「心を病むことは犯罪なのか?」「正常でなければ愛しあえないのか?」
『こぼれる月』は、まぎれもなく、今「見逃してはならない」映画の一本である。
ストーリー
高(河本賢二)は強迫神経症※1「患者」で、「手洗い」をやめられない症状に苦しんでいる。高は、通院先で知り合ったあかね(目黒真希)と一緒に暮らしているが、あかねも、過去のある事件で心に深い傷を負っているのだった。傷ついた心を癒しあうように都会の片隅で寄り添って暮らす二人。だが、高の「心の病」は、次第にあかねとの間に深刻な亀裂を生じさせていく。
一方、高と同じ病院に通う千鶴(岡元夕紀子)は、パニック障害※2の発作に悩んでいる。母親と二人で暮らす家の自室からほとんど出られず、母親ともメモで「会話」を交わすだけの生活を送っていた。
ある日、外に出た千鶴は、ふたたび発作に襲われて動けなくなり、ゆたか(岡野幸裕)という少年と偶然出会う。誘われるままに千鶴の部屋に入ったゆたかは、そこで千鶴の壮絶な姿を目撃するのだった…。
※1強迫神経症
ある考えや、感情などが頭にこびりついて、抑えようとしても不可能な症状を主とする神経症。また、それを振り払うため、何回も手を洗ったり、歯を磨き続けたり、同じ場所を往復するなどの行動を伴う。これを”強迫行動’という。
※2パニック障害
突然、理由のない激しい不安感に襲われる症状を主とする。動悸、発汗、身体や手足の震え、不快感、吐き気、めまい、しびれ、寒気、ほてり、自分が死んでしまうのではないかという恐怖、狂ってしまうのではないかという恐怖、非現実感、自分が自分でない感覚。このような症状が4つ以上同時にあらわれる。発作は誘因なく始まり、繰り返す。
スタッフ
監督・脚本・撮影・編集:坂牧良太
プロデューサー:竹村喜美江、星野今日子
撮影:福田 滋、三堀博紀
視覚効果監修:千葉 禎
美術:瀧口陽子、畔柳めぐみ
キャスティング:カレラ
製作協力:佐生有語
製作:TASUNOKE、坂牧良太
キャスト
河本賢二
岡元夕紀子
目黒真希
岡野幸裕
平井賢治
大鷹明良
田島令子
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