コール
原題:TRAPPED
誘拐。監禁。命は30分ごとの連絡でつながっている。
2002年/アメリカ/106分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR、ドルビーデジタル、DTS、SDDS 配給:アートポート、ギャガ・ヒューマックス
2003年12月20日(土)より、丸の内プラゼール他全国松竹・東急系にてロードショー 2004年05月21日よりビデオリリース 2004年05月21日よりDVDリリース
公開初日 2003/12/20
配給会社名 0025/0145
公開日メモ 娘を誘拐され監禁された母親。絶望の中、彼女は決意する。もう私が戦うしかない。緊張感あふれるサスペンス・スリラーの決定版!
解説
あらゆる犯罪のなかで、営利目的の誘拐ほど割に合わないものはないと言われている。犯人が身代金を手に逃げおおせる確率は限りなくゼロに近く、捕まれば極刑が待っている。
しかし、彼らの計画は違った。ジョー・ヒッキーと妻のシェリル、そして従兄弟のマーヴィン。裕福な3人家族をターゲットに定めた彼らは、人質である子供、身代金を調達する母親、金を受け渡す父親を別々の場所に拘束する方法で、過去4回の誘拐を成功させてきたのだ。誘拐を完全犯罪として成立させるために、ヒッキー一味が定めた鉄則は二つ。
一つは、誘拐から身代金の受け取りまでを24時間以内に完了させること。もう一つは、30分ごとの連絡(コール)が人質の命綱であることを被害者たちに思い知らせ、完全に抵抗する気力を奪ってしまうことだ。そんなヒッキー一味が5番目に選んだ標的—。それは、オレゴン州のポートランドで両親の温かな愛情に包まれて暮らす、6歳の少女アビーだった…。
『アイ・アム・サム』でショーン・ペンの娘役を演じ、世界中を感動の涙に包み込んだダコタ・ファニング。いまやハーレイ・ジョエル・オスメントをもしのぐ売れっこ子役となった彼女が、誘拐の魔の手にさらされる話題作が登場した。全米公開時、「これを見た親たちは眠れない夜を過ごすことになるだろう」と、マスコミの絶賛を浴びた『コール』。グレッグ・アイルズのベストセラー小説「24時間」(講談社文庫)を映画化した本作は、誘拐=完全犯罪の方程式を作り上げた犯罪者一味と、彼らの手で別々の場所に隔離された家族の24時間におよぶ闘いを、緊迫感溢れるタッチで描き上げた本格サスペンスだ。
アビーを連れ去られ、自らも突如現れた男に軟禁されて、身代金受け渡しまでの間、彼の言いなりになることを強要される母親カレン。だが、ここで予想外の事実が発覚する。アビーには重い喘息の持病があり、発作を止める薬がなければ死に至る危険性があったのだ…。完璧な計画に狂いが生じ、慌てる犯人たち。その隙をついて、反撃に転じようとするカレン。そして、人里離れた山小屋に閉じこめられたアビーも、自ら行動を起こそうとする。果たして彼女は、無事母と再会することができるのか?そして、アビーを標的に選んだ犯人一味の真の目的とは何か!?
駆け引きとドンデン返しを盛り込み、スリリングに展開する脚本は、原作者のアイルズ自身が担当。監督には、『メッセージ・イン・ア・ボトル』のルイス・マンドーキがあたり、犯人と被害者の間で繰り広げられる手に汗握る心理ゲームの描写に、卓越した腕前を発揮している。
キャストの豪華さも、作品の大きな魅力だ。娘を取り戻す闘いに命を張る母のカレンにシャーリズ・セロン。彼女と熾烈な頭脳戦を繰り広げる主犯のジョーには、クセのある悪役ぶりで定評のあるケヴィン・ベーコン。その妻シェリルにコートニー・ラヴ。さらに、シェリルに出張先で拘束されるカレンの夫ウィルには、『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のスチュアート・タウンゼントが扮する。彼とセロンが、今回の共演を通じて恋仲になったことも、本作をめぐる話題の一つだ。
撮影監督は、『トリコロール/赤の愛』でオスカー候補になったピョートル・ソボチンスキーと、デヴィッド・リンチやアン・リーとのコラボレーションで知られるフレデリック・エルムズ(急逝したソボチンスキーの後をエルムズが継いだ。)プロダクション・デザインは、2度のアカデミー賞に輝いたリチャード・シルバート。編集は、『フレンチ・コネクション』のオスカー受賞者ジェリー・グリーンバーグ。衣裳は、『ブレードランナー』で英アカデミー賞を獲得したマイケル・カプラン。音楽は、『ユージュアル・サスペクツ』から『X-MEN 2』まで、ブライアン・シンガー監督とのコンビで知られるジョン・オットマンが担当し、ドラマの息詰まる緊張を盛り立てている。
ストーリー
オレゴン州ポートランド。大自然の景観に恵まれたこの地で、カレン・ジェニングス(シャーリズ・セロン)は、幸福な生活を営んでいた。夫は将来を有望視される麻酔医のウィル(スチュアート・タウンゼント)。彼とカレンの豊かな愛情に包まれて、6歳の娘アビー(ダコタ・ファニング)は利発で心優しい少女に成長した。誰もがうらやむ完璧な一家。だが、そんな平穏な暮らしが、ある日突然破壊される時がやって来る。
事件は、ウィルがシアトルへ出張に出かけた日に起こった。アビーと共にウィルを見送ったカレンは、帰宅後、トイレに入ったアビーがなかなか出てこないので不審にかられる。そして、振り返ったカレンが目にしたのは、不敵な笑いを浮かべて立っている見知らぬ男の姿だった。男の名は、ジョー・ヒッキー(ケヴィン・ベーコン)。これまで4回の営利誘拐を成功させてきた犯罪者一味のボスだ。彼の仲間は、妻のシェリル(コートニー・ラヴ)と、従兄弟のマーヴィン(プルイット・テイラー・ヴィンス)。彼ら3人の手口は実に巧妙だった。マーヴィンが子供の身柄を拘束する間、ジョーが母親に身代金を作らせ、その金を父親経由でシェリルが受け取る。誘拐から身代金受け取りまでの24時間のあいだ、3人の家族をそれぞれが別の場所で監視し、孤立無援の恐怖に陥れることで、彼らは誘拐を完全犯罪化することに成功したのだ。
そして今、自分が新たな被害者になったことを知るカレン。アビーが連れ去られたことを告げられた彼女は、とっさに銃を取り出し、ジョーの頭に突きつける。しかし、ジョーの言葉が、カレンから抵抗する力を奪った。「30分ごとに仲間に連絡しないと、娘は殺される。お前が撃てば、二人死ぬ。俺とアビーだ」もはやカレンには、ジョーの命令どうりにする以外、娘を救う道はない。だが彼女は、これまでの母親のように、「24時間で全てが終わる」というジョーの言葉に素直に従うわけにはいかなかった。実はアビーには、一度発作が起これば死に至る喘息の持病があり、誘拐のストレスは、発作を誘発する危険性があったのだ。その事実をカレンに告げられ、動揺するジョー。
そのころ、マーヴィンはアビーを連れて、隠れ家の山小屋に到着。時同じく、シアトルのシェリルは、ウィルに接近し、彼を銃で脅してホテルの部屋に監禁する。まさに完璧なチーム・プレイ。しかし、アビーの持病という予想外の展開は、彼らの計画に少しずつ狂いを生じさせていく。さらに犯人たちは、もう一つの予想外の出来事に直面する。それは、被害者の3人が、それぞれに窮地を脱しようとする知恵と勇気の持ち主だったことだ。
3人の抵抗によって混乱する事態に、犯人たちの足並みが乱れたとき、この誘拐劇の影に隠された本当の動機が浮かびあがってくる……。
スタッフ
監督:ルイス・マンドーキ
製作:ミミ・ポーク・ギトリン、ルイス・マンドーキ
製作総指揮:マーク・キャントン、ニール・キャントン、ハンノ・ヒュース、リック・ヘス
脚本:グレッグ・アイルズ
撮影:フレデリック・エルムズ、ピョートル・ソボチンスキー
美術:リチャード・シルバート
衣装:マイケル・カプラン
編集:ジェリー・グリーンバーグ
音楽:ジョン・オットマン
キャスト
アビー・ジェニングス:ダコタ・ファニング
カレン・ジェニングス:シャーリズ・セロン
ジョー・ヒッキー:ケヴィン・べーコン
ウィル:ジェニングス:スチュアート・タウンゼント
シェリル・ヒッキー:コートニー・ラヴ
マーヴィン・プール:プルイット・テイラー・ヴィンス
ハンク・フェリス:スティーヴ・ランキン
チャルマース捜査官:ゲーリー・チョーク
メアリー・マクディル:ジュディ・マーケル
ピーター・マクディル:マット・コービー
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