ハンネス、列車の旅
原題:TRAINS 'N' ROSES
旅の楽しさ満載!鉄道ロード・サスペンス・ラブ・コメディ
1998年ドイツ映画祭 最優秀作品賞・助演男優賞 受賞 ☆みちのく国際ミステリー映画祭'99出品作品 (上映タイトル”汽車と薔薇”)
1998年/ドイツ映画/87分/35mm/カラー/1:1.85ヴィスタサイズ/ドルビーSR/ 配給:アルシネテラン
2000年7月1日よりユーロスペースにてレイトロードショー公開
公開初日 2000/07/01
配給会社名 0013
公開日メモ ハラハラドキドキの何が起こるかわからない“鉄道ロードムービー”。旅の魅力さながらに、映画の様々な楽しさが詰まった作品である。
解説
本作の主人公である時刻表オタクのハンネスも、ドイツのドルトムントから、フィンランド最北端の町イナリへの旅の途中、車内で多くの人々や出来事に遭遇する。
偽札偽造団の事件に巻きこまれ、また何気なく交わした会話からシルパとの愛が芽生える。一方では殺人事件の容疑者として、刑事に追われる羽目にもなる。
そして、そんな旅の終わりに、彼はある大きな発見をするのである。
ハラハラドキドキの何が起こるかわからない“鉄道ロードムービー”。
旅の魅力さながらに、映画の様々な楽しさが詰まった作品である。
ミステリーに恋愛、あるいはコメディにもとれるストーリー展開、メランコリックでチャーミング、そして静かな緊張感に満ちた演出。
「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(97)や「ラン・ローラ・ラン」(98)などの大ヒットを受け、勢いづくポスト・ニュー・ジャーマン・シネマであるが、本作もカルト的な独特の雰囲気を醸し出す全く新しいタイプの作品として、ドイツの人々を熱狂させた。
時刻表オタクと愛すべき登場人物の面々が織り成すユーモア
特筆すべきは、全編に漂う簡潔で詩的なユーモアセンスである。
時刻表オタクのハンネスが、極東の地で行われる列車時刻表大会に出場するために、列車の旅に出発するという設定にはじまり、効果的に挿入される言葉少ない台詞まわしや、個性的な登場人物たちの真剣さが醸し出す可笑しさ、どこか憎めない悪役たちのキャラクター…。
最速ルートがすべてのハンネスと、寄り道こそ最上ルートと考えるシルパの食い違い。
個性的な人々の絶妙なハーモニーに思わず笑みがこぼれる。
メガホンを取ったのは、これが初監督作となるペーター・リヒテフェルト。
列車を利用して北フィンランドでの映画祭に参加した際、このアイディアが生まれたというだけあって、北欧への旅の魅力を独特の手法によって生き生きと描いている。
草原に伸びる白い風車、漆黒の闇に浮かび上がる満月、フィンランドの真珠と呼ばれるイナリ湖の神秘的な佇まい…。
どこかメランコリックな北欧の風景を前に、我々は異空間に誘(いざな)われていく。
カウリスマキ作品常連の個性的なキャストたち
また配役面でも非凡な才能を発揮した彼は、小さな役に至るまで印象に残る俳優を配している。
ハンネス役には、「愛され作戦」(94)や「悦楽晩餐会」(97)のヨアヒム・クロル。時刻表に情熱を注ぐシャイなビール配達人を自然体で演じている。
ハンネスが恋におちる女性シルパには、アキ・カウリスマキの「浮き雲」にも出演し、フィンランドをはじめスカンジナビア映画界を代表する女優の1人オウティ・マエンパー。
監督のたっての希望で出演が実現した。
またハンネスを追いながらもどこか彼に共感を覚えるファンク刑事には、俳優のみならず製作者としても活躍するペーター・ローマイヤーが扮し、味のある演技を見せる。
そして、フィンランド幻想曲とも言える本作にふさわしく、マエンパーに加え、カウリスマキ作品の常連カティ・オウティネンとカリ・ヴァーナネンが脇を固める。
ストーリー
スタッフ
監督・脚本:ペーター・リヒテフェルト
キャスト
ヨアヒム・クロル
オウティ・マエンパー
ペーター・ローマイヤー
カティ・オウティネン
カリ・ヴァーナネン
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