エド・ゲイン
原題:In the Light of the Moon
2000年度シッチェス国際カタロニヤ映画祭 最優秀男優賞:スティーブ・レイルズバック 最優秀作品賞:『エド・ゲイン』(監督:チャック・パレロ)
2000年/アメリカ/90分/ビスタサイズ/ドルビーSRD 提供:ポニーキャニオン/日本ヘラルド映画 配給:日本ヘラルド映画
2008年02月08日よりDVDリリース 2004年03月03日よりDVDリリース 2002年03月15日 よりビデオ発売開始 2001年9月22日より、シネマスクェアとうきゅうにて公開
公開初日 2001/09/22
公開終了日 2001/10/05
配給会社名 0058/0068
公開日メモ 『サイコ』、『悪魔のいけにえ』、そして『羊たちの沈黙』の原点となった物語。しかしその真実は、はるかに恐ろしい・・・。想像を絶する男、エド。そして想像を絶する映画『エド・ゲイン』。
解説
エド・ゲインという名前を聞いたことがあるだろうか?
約半世紀前の犯罪者でありながら、映画作家やデザイナー、ミュージシャンといった人々によく知られた人物であり、その範囲は世界中まで広がっている。
特にアートに携わる若い人たちの間では絶大な支持があり、エドをモチーフにした作品をきっとあなたも気づかずに目にしていることだろう。いったいこの男はどんな人物なのだろうか?
『エド・ゲイン』は、名高いウィスコンシン州の連続殺人犯の人生に基づき、映画化された作品である。1957年、ウィスコンシン州プレインフィールド。町人はエド・ゲインをシャイで風変わりな、ただの農夫だと思っていた。しかし、その正体を知るのはエド本人だけ。敬虔なクリスチャンだった今は亡き母オーガスタの亡霊に取り憑かれ、エドは墓荒しとなり、未熟ながらも死体の解剖に興じていた。そして、プレインフィールドに住む女性たちの魅カに引き込まれ、殺人への欲望を抑制しきれなくなったエドは、母の亡霊の命令に従う意思をかためる。
この猟奇殺人のニュースは全米を駆け巡り、様々な著名人の耳にも届くこととなったが、その中の1人である作家ロバート・ブロックは、ウィスコンシン州プレインフィールドから80キロ離れた場所に住んでおり、この事件によって1つの閃きを得て、あの名作『サイコ』を書き上げた。後に彼は「エド・ゲインの事件に触発され、それを参考にしながら本を書いた。」と公に述べている。
同じくホラー映画の傑作『悪魔のいけにえ』は、エド・ゲインの人生をより正確に描いた映画だったものの、監督のトビー・フーバーはエド1人が犯した恐るべき犯罪を、一家全員の仕業として描いている。
大ヒット作『ハンニバル』で知られる作家トマス・ハリスは、彼もまた前作『羊たちの沈黙』でクラリス・スターリングが追う連続殺人犯バッファロー・ビルは、エド・ゲインをモデルにしたものだと語っている。
さらに近年映画化された本「アメリカン・サイコ」でも参考にされている他、エド・ゲインは数多くのロックバンドから彫刻家に至るまで幅広く影響を与えている。また、数々のウェブサイトやファンクラブまで存在しており、ファンクラブのメンバーは定期的に集いあい、エドが残した物語や逸話を分かちながら、今でも彼の伝説を永続させている。
このように40年以上も前に起きた事件が今だに語り継がれるだけでな<、数多くの作家や芸術家に支持されるのもエド・ゲインの犯した犯罪がただの殺人ではなく、もはやアートの領域にまで達していたということの証である。
しかしそれは決して自分を誇示しようとしたのでも、歴史に名を残そうとしたのでもない。本能のままに行動したまでであり、劇中に登場する彼が自分で作った人皮のスーツを着て月夜に踊るシーンなどは、余りにも無邪気ゆえ、思わず笑ってしまう場面でもあるのだ。
監督は定評あるスリラー映画を撮り続けるチャック・パレロ。次回作でも実話を基にしたスリラーを予定している。
主演のエド・ゲインに名門アクターズ・スタジオ出身のスティーブ・レイルズバック。エドの頼りな気で無邪気な面と、それゆえに感ずる恐怖の表情を見事なまでに演じ分けている。
人体を使って物や服を作るという発想を超えるアイディアは未だなく、エドの発想をヒントに、映画や小説を書くと成功を収めてしまう事を考えると、まだまだエド・ゲインは多くの著名人にインパクトを与え続けるであろう。
『サイコ』、『悪魔のいけにえ』、そして『羊たちの沈黙』の原点となった物語。しかしその真実は、はるかに恐ろしい・・・。
想像を絶する男、エド。そして想像を絶する映画『エド・ゲイン』。
ストーリー
『サイコ』『悪魔のいけにえ』の裏に隠された本当の話・・・『エド・ゲイン』
1950年代後半。人口642人という簡素な町、ウィスコンシン州プレインフィールドでは普通の生活が営まれていた。人口が641人になるまでは・・・。
家族が営む農場で質素な暮らしを送ることを望む普通の男、エド・ゲイン(スティーブ・レイルズバック)。しかし作物も死に絶えてしまった人里離れた農場で一人過ごす彼に、脳裏から拭い去れない自分の過去がつきまとう。
エドが唯一人生を共にした横柄な母、オーガスタ(キャリー・スノッジレス)。エドを立派なクリスチャンに育てるために注いだ彼女の愛情は、彼の人格に歪みをきたすものだった。彼女は、日々聖書を読み合わせ、時には息子をベルトで鞭打っていたのだ。しかし、その最愛のオーガスタも数年前に他界し、エドはもう昔に戻れないことを悟る。エドは常に一風変わったものに興味を抱いていた——輪廻転生、切り取った頭を収縮加エする儀式(ヘッド・シュリンキング)、カニバリズム(食人風習)、そして謎が尽きない女性の体・・・。やがて彼は自分の意のまま行動するようになり、プレインフィールドでは亡くなって間もない女性の死体が次々と消えてゆくのだった。
地元の墓地で夕暮れ時を過ごすエドは、農場へ戻ってからも深夜まで働きづめでいた。「グレーの解剖学」の助けと、その豊かな創造カで、エドはランプシェードやスープ皿など、自宅の家庭用品を次々と作り上げる。そして特別な時に着るスキン・スーツは、エドの自信作となった。
そんな中・オーガスタの亡霊は制圧的になりつつあった。フェロモン過剰なバーメイド・メアリー・ホーガン(サリー・チャンプリン)や、うぬぼれ屋の店主、コレット・マーシャル(キャロル・マンセル)が気に入らないのだ。「偉大な娼婦の審判をお前に見せてやろう」と言い放つオーガスタに耳を貸すエド。そして彼も自分の欲望を満たすため、次なる行動に出る・・・。
スタッフ
監督:チャック・パレロ
製作総指揮:カレン・ニコルズ、スティーブ・レイルズバック
プロデューサー:ハーミッシュ・マクアルパイン、マイケル・マスカル
脚本:スティーブン・ジョンストン
撮影:ヴァニヤ・ツァーンユル
編集:エレーナ・マガニーニ
美術:マーク・ハーパー
衣装:ニクラス・J・パーム
音楽:ロバート・マクノートン
視覚効果:マイケル・マスカル
メイク:ダン・ストリーピーク
キャスティング:シェリル・ベッテンコート
キャスト
エド・ゲイン:スティーブ・レイルズバック
オーガスタ:キャリー・スノッジレス
コレット・マーシャル:キャロル・マンセル
メアリー・ホーガン:サリー・チャンプリン
スティーヴ・ブラックウッド
クレイグ・ジマーマン
パット・スキッパー
LINK
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