原題:INFERNO

満月の夜明け、けもの道に導かれて、戦士は荒野に現れた! 『ロッキー』の製作スタッフが仕掛けたニュー・アウトロー・アクション巨編

1999年/アメリカ映画/96分/カラー/ヴィスタサイズ/ ロンギロード・インターナショナル&KPIプレゼント/ア・コーラー−レヴィ/ロングロード・プロダクション 配給:日本ヘラルド映画

2000年3月18日より新宿トーア、銀座シネパトスほかにてロードショー! 2000年8月25日よりビデオレンタル、DVD発売開始

公開初日 2000/03/18

配給会社名 0058

解説

コヨーテのように荒野を赤いバイクで疾走する一人の男。彼の名はエディ・ロマックス。かって凄腕の戦士として活躍していたエディは、生きることへの意味を失い、唯一の望みは、戦友でありネイティブ・アメリカンの血を引くジョニーの元へバイクを届けることだった。だが、トラブルに巻き込まれ重傷を負ってしまう。一命を取り留めたエディは、奪われたものを取り戻すために町へ向かった。
そこは悪がはびこり、その日を生き抜くことに精一杯の人々は恐怖におののいていた。エディは、戦士としての記憶を呼び起こすかのように闘うことに目覚め、悪を壊滅するための罠を張っていく…。
世界的な大ヒットを記録し、シルベスタ・スタローンの代表作となった『ロッキー』。本作でアカデミー監督賞を受賞し、エンタテインメントに人間ドラマを織り込むことで定評のあるジョン・G・アビルドセン監督が、マーシャル・アーツのスターとして活躍するジャン=クロード・ヴァン・ダムと手を組み、新しいアウトロー・ヒーローを誕生させた。『ヴァン・ダム in コヨーテ』は、アカデミー賞監督と肉体派アクション・スターが作り上げたアウトロー・アクションの傑作である。

これまで戦う男を演じてきたヴァン・ダムのイメージは、悪に絶対負けない強い男であった。しかし、長年似たような役を演じてきたことに限界を感じていた彼が出会ったのが、トム・オ’ロークが書いた脚本であった。荒涼とした大地の上に爆音を轟かせ飛ぶ戦闘機、誰も近づくことのない荒れ果てた町で悪におののく人々、そして悪にやられ血を流しながらも策略を練って敵を翻弄する主人公。これはまさに現代版『荒野の用心棒』と言うべき現代版ウェスタンと言っても過言ではない。実はトムが最初に考えついた草案は、マカロニ・ウェスタンの巨匠であったセルジオ・レオーネに対するオマージュであった。だが、アカデミー賞監督のアビルドセンを迎えたことで、主人公の内面を打ち出し、ネイティブ・アメリカンの血を引く友人との友情、町のダイナーで働く女との出会いと愛によって生きることへの復活を遂げていく男という、人間味溢れるキャラクターを生み出し、オマージュ映画からアビルドセン流現代ウェスタンに変貌した。そしてこれまでと一味違うヴァン・ダムのアクションが誕生したのである。

また撮影には『ロッキー』ほかアビルドセン監督作品の7作品を担当したロス・A・マエル、衣装デザインに『フリーウィリー2』のメイズ・ルーベオ、編集に『ベスト・キッド3』のダグ・シーリグ、プロダクション・デザインを『アライバル』のマイケル・ノヴォトニーが担当し、音楽には監督と旧知の仲である『ロッキー』のビル・コンティが手がけている。そして出演には『ベスト・キッド』シリーズのパット・モリタ、『ナイス・ガイ』のガブリエル・フィッツパトリック、『コン・エアー』のダニー・トレホ、『ダークマン』のラリー・ドレイク、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のヴィンセント・シアヴェリといった個性的なスターを配して、単なるアクション映画ではない、ひと味違った作品に仕上げている。

ストーリー

荒野を疾走する一台の赤いバイク。だが燃料が切れ男は酒を喰らいながら乾いた大地に横たわる。男の名は、エディ・ロマックス。腕利きの元兵士だった男は戦友であるジョニーの元へ行く途中だった。だが彼は生きる望みを捨て、死を望んでいた。そこに車に乗った3人の男たちがやってくる。いかにも悪そうな面をした彼らは、この近辺を仕切るホーガン3兄弟。彼らはエディを嬲り者にして彼のコルト45とバイクを奪い銃弾を撃ち込んだ。意識が薄れていくエディはジョニーの姿を朧げながら見つける。そして気がつくと、そこはジョニーの住むあばら家だった。ネイティブ・アメリカンの血を引くジョニーの力によって九死に一生を得たエディは、奪われたバイクを取り戻すために町へ向かった。
その町は、バスが通るものの降りる者のいないほど、荒れ果てた死に損ないのような場所だった。町は、麻薬密売をするホーガン一家とジャックを頭とするヒーズンスが、縄張りを持っていた。エディはまずガンショップに向かい、店に飾られている自分の銃を見つける。店頭に出てきた人相の悪い二人の男の絡まれるものの、あっという間に二人を倒した。そして店の奥で縛られていたこの店のオーナーであるイライを助ける。エディは銃を取り戻すとダイナーへと向かった。
この町の人々が唯一集るダイナーのオーナーの孫娘ロンダは、荒くれどもを相手にしながら毎日を過ごしている。そんな彼女の目線にエディが歩いてくるのが見えた。店で働くドティからホーガンたちにやられていた男だと聞いていた彼女は、店に入ってきたエディに言い知れぬ好意となにかを起おこしてくれるのではないかと期待を持つ。エディは店内にいたなんでも屋のジュバルを雇い、イライの店に転がっている死体を片付けさせる。いつしか殺しに明け暮れていた兵士時代の記憶が蘇ってきたエディは、二つの悪を手っ取り早く壊滅させる策略を練る。そしてまず、ヒーズンスが集っているセインのバーに向かう。エディは、バーの入口で荒くれどもに絡まれている二人の女を助け、一瞬にして荒くれどもを撃ち殺す。
休戦協定を交わしていたはずなのに、ホーガンが仕向けたガンマンと思ったヒーズンスは、全員でホーガン一家が乗る車を襲撃した。だが間一髪逃げおおせたホーガン一家は、銃器を装備してヒーズンスのアジトへ急襲する。二つの組織は撃ち合うが、なぜこんな状況に陥ったのか疑問に持ち始める。それらを遠くの岩場から眺めるエディは、二つの組織に向かって銃弾を放ち攻撃する。そして敵から逃げようとするが、エディの背後にいつの間にか来ていたジョニーが囮となって敵の真ただ直中を走り抜けていった。だが、捕まってしまい、縛り首にかけられてしまう。暗闇の中をコヨーテのように敵に近づくエディは敵を倒しジョニーを救出するも、銃弾に倒れたジョニーは息絶える。
ホーガンとヒーズンスは、共闘してエディを探し始める。危険を察知したロンダは、ジョニーのあばら屋へ向かい、ジョニーの死によって失意にあるエディを見つける。彼に愛を感じ始めていたロンダは、彼を励ますかのように抱きしめる。
そして二人は結ばれる。
二人は町に戻ると、モーテルの部屋に罠を仕掛けた。エディの姿を見かけたダイナーの従業員バーンは、ホーガンたちに知らせる。続々と集るホーガンとヒーズンズたち。そしてモーテルの一室に向かって銃弾を撃ち込んでいく。何も反応がない部屋にヒーズンズの連中が部屋の中に入るや大爆発が起こった。ついにエディはジョニーの仇と悪を壊滅させる戦闘を開始させた……。

スタッフ

製作総指揮:ジョセフ・メーヒ、ベネット・R・スペクター
製作:イヴゼン・コーラ、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ロウレンス・レヴィ
製作補:リチャード・G・マーフィー、ケン・ソラーズ
監督:ジョン・G・アビルドセン
脚本:トム・オ’ローク
撮影:ロス・A・マエル
編集:ダグラス・シーリグ
プロダクション・デザイナー:マイケル・ノボトニー
衣装デザイン:メイズ・ルーベオ
音楽:ビル・コンティ
作詞:ポール・ウィリアムズ

キャスト

エディ・ロマックス:ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ジュバル・アーリー:パット・モリタ
ジョニー・シックストーズ:ダニー・トレホ
ロンダ・レイノルズ:ガブリエル・フィッツパトリック
ラムジー“ガニー”ホーガン:ラリー・ドレイク
セイン:ヴィンセント・シアヴェリ
マージ・ハワード:プリシラ・ポインター
イライ・ハミルトン:ビル・アーウィン
ビリング(ポップ)・レイノルズ:フォード・レイネイ
マット・ホーガン:シャーク・フラリック
ジェシー・ホーガン:シラス・ウィアー・ミッチェル
ピーティー・ホーガン:ジョナサン・アビルドセン
ジャック:エド・トロッタ
バーン:ケヴィン・ウェスト
ドティ:ジェイミー・プレスリー
ツアーバス・ドライバー:ジム・ハンクス

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