ダンサー
原題:The Dancer
私の夢。声がなければ、かないませんか。
(全仏2000年06月07日公開)
1999年/フランス映画/上映時間 1時間34分/スコープ・サイズ/字幕翻訳:石田泰子/ ドルビーデジタル・SRD/製作協力:シーサイド・プロダクション&日本ビクター/ 提供:日本ビクター、テレビ東京、日本ヘラルド映画/配給:日本ヘラルド映画
2001年3月23日DVD発売/2001年3月23日ビデオ発売 2000年10月7日より丸の内ピカデリー2他にてロードショー公開
公開初日 2000/10/07
配給会社名 0058
解説
リュック・ベッソンの原点が、そして集大成がここにある!
ニキータ(「ニキータ」)、マチルダ(「レオン」)、リールー(「フィフス・エレメント」)、ジャンヌ(「ジャンヌ・ダルク」)……ベッソン映画の繊細にして凛々しいヒロインにまた一人、新たな名前が加わった!その名は“インディア”。彼女は、見るものを虜にする天才的なダンサーだが、言葉を発することができない。
ベッソン作品ではいつも、主人公に何らかの問題が与えられる。そのため、主人公と周りの世界との間に“障害”や“距離”ができる。彼らはその中で悩み苦しみながらも解決策を見いだしていく。ベッソンは、その心情をある時はリリカルに、そしてある時は力強く描くことによって、普段見過ごしてしまっている“時代が抱える問題”をあぶりだす。それは、長編デビュー作「最後の戦い」から始まり、「グレート・ブルー」を経て、前監督作「ジャンヌ・ダルク」に至るまで、一貫してベッソンがこだわり続けた世界だ。
そして今、そのベッソンの原点が、一つの集大成として「ダンサー」に見事なまでに結実した。
声を失くしたダンサーが夢につまずいた時、一人の若者が現れた…………
ニューヨークで兄のジャスパーと暮らすダンサーのインディアは、毎週土曜日にクラブに出かけ、スコ腕のDJたちの挑戦を受けて踊る。テクノ、ファンク、ジャズ、ソウル……あらゆるジャンルの音楽に、天性のずば抜けたリズム感で即座に踊りだすインディア。
それは口のきけない彼女に与えられた、言葉以外の表現方法だった。
しかし、ブロードウェイで踊るという夢をかなえるオーディションで、インディアはそのハンディだけを理由に落とされてしまう。厳しい現実に打ちのめされた彼女の前に、若い科学者が現れる。彼女のダンスに心を奪われた彼は、“言葉を発する装置”で彼女に協力するというのだ……。
「いつも私を驚かせてくれる」
ベッソン大絶賛のニュースター、ミア・フライア
インディア役には、「フィフス・エレメント」のミア・フライアを大抜擢。ニューヨークで生まれ、12歳でパリに移り住んだミアは、モデルだった母親から受け継いだ恵まれたプロポーションと天性のリズム感で、早くから才能あふれるダンサーとして注目されていた。
ベッソンとの出会いは17歳の時。ベッソンが監督したセルジュ・ゲンズブールの音楽クリップで振り付けを任されたのだ。そして今回、ダンサーを主役にした脚本を書き上げたベッソンの頭の中には、最初からミアしかなかった。
インディアに魅せられ、彼女を助けるアイザックには「モブスターズ 青春の群像」のロドニー・イーストマンが扮している。彼女を助けたいという、いちずな情熱を研究にかける姿をピュアに演じている。
ベッソンも認めた新しい才能と彼を支えるスタッフたち
監督は「フィフス・エレメント」と「ジャンヌ・ダルク」で助監督を務めたフレッド・ギャルソン。「レオン」と「フィフス・エレメント」のメイキング・フィルム、「TAXi」の音楽クリップを監督し、ベッソンにその才能を認められる。本作が初監督となる彼を撮影監督のテイエリー・アルボガスト、プロダクション・デザイナーのダン・ヴェイルらベッソン作品の常連スタッフが強力にサポートする。
最先端音楽シーンが、ここに凝縮!
音楽は、「フィフス・エレメント」のメイキング・フィルムのパスカル・ラファが担当した他、ジェームズ・ブラウン、オーティス・レディングらソウルの大御所から、プロディジー、ファット・ボーイ・スリム、フリースタイラーズ、スーパーファンク、エミリア・トリニらテクノやハードコア、ファンクまで、今一番注目のミュージシャンの音楽が全編に流れるのも聞き逃せない。
ストーリー
彼女の情熱:ダンス
彼女の夢:ブロードウェイで踊ること
彼女の問題:話すことができない
ニューヨークで、たった一人の家族である兄ジャスパー(ガーランド・ウィット)と暮らすインディア(ミア・ブライア)。口のきけない彼女は、手話ができない人たちとのコミュニケーションは、もっぱらジャスパーの“通訳”に頼っていた。
昼間は工場で働いているジャスパーだが、土曜の夜になるとインディアのマネージャーに早変わり、二人はクラブに繰りだす。インディアはそこで、ダンサーとして舞台に立ち、スコ腕のDJたちの挑戦を受けるのだ。テクノ、ファンク、ジャズ、ソウル……DJブースから、あらゆるジャンルの音楽が次々と流れる。インディアは、天性のずば抜けたリズム感で即座に踊りだす。彼女のダンスに観客は熱狂、今夜もインディアの勝利だ。ダンス……それは口のきけない彼女に与えられた、言葉以外の表現方法だった。
普段は聾唖学校の子供たちにダンスを教えているインディアの夢は、ブロードウェイで踊ること。ある日、ジャスパーの職場の同僚ブルーノが、街角で見かけたブロードウェイの舞台のオーディションにインディアの名前で申し込む。ブルーノは、妹はスターになるからと真面目に働かないジャスパーに迷惑しながらも、インディアの夢を応援しているのだ。
オーディション当日、本人以外はお断りと、ジャスパーは会場から追い出される。舞台で一斉に踊るダンサーたちは、審査員の合図で次々と振るい落とされていく。インディアのダンスはひときわ輝き、ついに最終選考を突破する。ジャスパーが、我慢できずにこっそりと会場にもぐり込んだ時、合格者たちが集められ、名乗るように言われる。インディアとジャスパーの顔に緊張が走る。彼女の番がやって来た。一瞬の沈黙のあと、意を決して手話で答えるインディア。審査員は表情を変えると、彼女に帰るようにと告げる。飛び出したジャスパーは、審査員に激しく抗議するが、舞台の練習中にどうやって意思を伝え合えばいいんだと言われてしまう。
土曜の夜のクラブ。インディアのダンスを心待ちにしている若者がいた。彼の名前はアイザック(ロドニー・イーストマン)、才能にあふれた科学者だが、ある装置の開発が暗礁に乗り上げて苦しんでいた。そんな彼を心配した友達のステファン(ジョシュ・ルーカス)が、先週の土曜日、気分転換にと彼をこのクラブに連れて来たのだ。アイザックは一目でインディアのダンスに魅せられる。しかも、彼女から受けたインスピレーションで、開発が成功しそうなのだ。ところが、音楽にのって登場したダンサーはインディアではなかった。彼女はオーディションに落ちたショックで、家でふさぎこんでいたのだ。
クラブの前で、インディアを送り迎えしていたルディの車を見つけたアイザックは、自分は警察官だと偽って、インディアの自宅に連れていくようにと脅す。突然押しかけてきたアイザックをジャスパーは追い返そうとするが、インディアは彼の真っ直ぐで純粋な瞳に何かを感じる。「インディアの助けになる発明があるんだ。だから協力してほしい」アイザックの研究とは、体の動きを音や言葉に変える装置の開発だった。
反対するジャスパーに、これは自分の望みだと強く主張して、インディアはアイザックの研究所に通う。アイザックは全く手話ができないのだが、彼の情熱がインディアに伝わり、二人の心は通い始める。「こんなに幸せそうな妹は見たことがない」妹が離れていくのではないかという不安にかられていたジャスパーも、彼女のために協力を決意、とうとう装置は完成に近づいた……。
スタッフ
提供:リュック・ベッソン
監督:フレッド・ギャルソン
脚本:ジェシカ・キャプラン、リュック・ベッソン
原案:リュック・ベッソン
キャスティング:トッド・ダラー、ナタリー・シェロン
撮影:ディエリー・アルボガスト
美術:ダン・ヴェイル
録音:ピエール・エクスコフィエ
ミキシング:フランソワ・グルト
編集:シルヴィ・ランドラ
音楽:パスカル・ラファ、ポズ
音楽スーパーヴァイザー:ハッピー・ウォルターズ、ゲイリー・ジョーンズ
製作主任:ティエリー・ギルマール
製作総指揮:ベルナール・グルネ
製作:リールー・プロダクションズ
共同製作:TF1フィルム・プロダクション
キャスト
インディア:ミア・フライア
ジャスパー:ガーランド・ウィット
アイザック:ロドニー・イーストマン
ステファン:ジョシュ・ルーカス
オスカー:フェオドール・アトキン
DJアトミック:カット・キラー
©LEELOO PRODUCTIONS-TF1 FILMS PRODUCTION.1999
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