青春は、視線の彼方に・・・・

2000年/日本映画/配給:松竹

2000年11月11日より全国松竹系にてロードショー公開 2001年5月21日DVD発売/2001年4月21日ビデオ発売

公開初日 2000/11/11

配給会社名 0003

解説

 1993年に公開された『学校』は、東京の夜間中学を舞台に、先生と生徒との心の交流を描き、その年の映画賞を独占しました。

 1996年に公開された『学校II』は、北海道の高等養護学校に舞台を移し、生徒と先生が共に学び、成長する姿を描き、再び大絶賛を浴びました。

 続いて1996年に公開された『学校III』は、東京の下町にある職業訓練校を舞台に、そこに集まる中高年の人々の再就職へ向けてのドラマが描かれ、日本中に大きな感動を与えました。

 そして2000年、今回は、普通の中学校の、ひとりの悩める少年の物語が描かれます。
 『学校IV』——「なぜ学校へ行かなければいけないのか」不登校を続けている中学3年生の主人公・大介は、ある日、九州・屋久島の縄文杉を目指して旅に出ます。
 何かを求めて“冒険の旅”を続ける大介と、旅の途中で出会った様々な人々との心の交流が、私たちに大きな感動と生きる希望を与えてくれます。

ストーリー

 どうしても学校に行けずに不登校を続ける中学三年生の川島大介(金井勇太)は、両親に内緒で初めてのひとり旅に出る。横浜郊外のインターチェンジからヒッチハイクで九州の屋久島にある、樹齢七千年を越えると言われる縄文杉を目指して出発した。
 しかし、旅のはじまりは散々だった。ようやく小型トラックに乗せてもらったが、運転手の児玉(笹野高史)から説教を受け、ついには口論となり降ろされてしまう。サービスエリアで途方に暮れていた大介は、大型トラックの運転手・佐々木康(赤井英和)と出会う。佐々木は同乗者の宮本(梅垣義明)とともに大阪へ向かう途中だった。はじめは緊張していた大介であったが、彼らの気さくなやりとりを見て自然と打ち解けていく。そして彼らとのふれあいの中で、“世の中の厳しさ”や“命の大切さ”を痛感させられた。
 大阪に着いた大介は、九州まで行く女性ドライバー・大庭すみれ(麻実れい)の長距離トラックに乗り換える。すみれは大介に「なぜ学校に行かないのか?」としきりに尋ねた。彼女は女手ひとつで一男一女を養っている母親でもあった。そんな彼女との会話を通して、大介は“家族の絆”について考えさせられた。 一方、旅に出た大介のことが心配でならない母・彩子(秋野暢子)、父・秀雄(小林稔侍)は、中学校の担任、黒井先生(中村梅雀)に相談したりと奔走していた。
 宮崎に到着し仕事を終えたすみれは大介を自宅に迎え入れた。息子の登(大沢龍太郎)は無口な少年で、彼の部屋はジグソーパズルと時代小説が一杯に埋め尽くされており、異様な雰囲気を漂わせていた。しかし何故だか二人でいると気持ちが落ち着き、大介は夜遅くまで登に色々なことを語りかけた。 あくる日、別れ際に大介は登からジグソーパズルを貰う。その裏面には自作の「詩」が小さな文字で書かれていた。 鹿児島港まで送ってもらう車中、大介はすみれに昨夜の登とのことを話した。頷きながら話を聞いているすみれだったが、大介が登の「詩」を朗読し始めると、突然車を停め、ハンカチで顔を覆った。「あの子、そげなこと考えとったの。おばさん、ちっとも気づかんかった。」ありがとう…とすみれは大介の肩をきつく抱きしめた。
 屋久島へたどり着いた大介は、島で出会った登山客・金井真知子(高田聖子)とともに縄文杉までの登山に挑む。険しく厳しい山道を真知子に励まされながら一歩一歩進む大介。ついに目前に勇姿をみせた縄文杉。その荘厳な縄文杉は大介の心に何かを語りかけてくれた。
 真知子と別れ、一人山を降りる大介は悪天候で道に迷い遭難しそうになる。泥んこになりながらも何とか山から下りた大介は、ひとり暮らしの老人・畑鉄男(丹波哲郎)に声をかけられ、鉄男の家に泊まることになる。
 翌朝、世話になった鉄男に礼を言い、家を出ようとした大介だが、鉄男の具合が突然悪くなり、ほうっておけずに看病にあたるはめになる……。

スタッフ

製作:迫本淳一
プロデューサー:中川滋弘、深澤 宏
脚本:山田洋次、朝間義隆、平松恵美子
原案:松本 創
撮影:長沼六男
美術:出川三男
音楽:冨田 勲
照明:吉角荘介
録音:岸田和美
編集:石井 厳
音楽プロデューサー:小野寺重之
プロデューサー補:山本一郎
スチール:金田 正
監督助手:伊藤匡史
製作主任:相場貴和
進行:木内秀雄
製作担当:峰 順一、斉藤朋彦
製作協力:(株)大船撮影所
配給:松竹株式会社

キャスト

金井勇太 
赤井英和 
麻実れい 
高田聖子 
小林稔侍 
秋野暢子 
笹野高史 
梅垣義明 
蛭子能収 
犬塚 弘 
桜井センリ
真柄佳奈子
皆川香澄 
野村恵里 
前田 吟 
余貴美子 
中村梅雀 
丹波哲郎 

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す