15ミニッツ
原題:Fifteen Minutes
2001年/アメリカ映画/FIFTEEN MINUTES/ニューライン・シネマ作品/上映時間2時間1分/ スコープサイズ/ドルビーSRD、SDOS/字幕翻訳:栗原とみ子/ 提供:日本ヘラルド映画/ポニーキャニオン 配給:日本ヘラルド映画
2001年5月19日より日比谷スカラ座2にてロードショー公開
公開初日 2001/05/19
公開終了日 2001/06/15
配給会社名 0058
公開日メモ 大都会ニューヨークならではのメディア型凶悪犯罪に立ち向かう二人の男の姿を熱く描いた、重厚なサスペンス・アクション大作
解説
メディア社会の歪んだ欲望を鋭く描いたサスペンス・アクション大作!
アンディ・ウォーホルは、”誰でも15分間は有名人でいられる時代がくる”と予見した。「2days トゥー・デイズ」で絶賛されたジョン・ハーツフェルドの監督・脚本最新作「15ミニッツ」が描くのは、誰もがスポットライトを浴びることに憧れる現代のメディア社会の歪んだ姿。そこではTVは視聴率を取るためにより過激な映像を求め、人々は映画スターのような刑事の活躍に拍手を送り、犯罪者は法をかいくぐりスクープ映像を提供することで巨万の富を手に入れようとする。人は自らの”15分間”を手に入れるためにどこまで危険を冒すのか?我々はメディアにどこまで過激な”15分間”を求めるのか?そんな問いに鋭く切り込みながら、大都会ニューヨークならではのメディア型凶悪犯罪に立ち向かう二人の男の姿を熱く描いた、重厚なサスペンス・アクション大作、それが本作「15ミニッツ」だ。
主演のロバート・デ・ニーロが演じるのは、ニューヨーク市警殺人課の敏腕刑事エディ・フレミング。大事件を解決するたびにマスメディアに登場し、市民の間に絶大な人気を誇っているスター刑事である。ニューヨークに自らの製作会社を構え、この街をこよなく愛しているデ・ニーロにまさにうってつけの役柄だ。
そんな彼とコンビを組んで殺人事件を捜査することになるのが、正義感あふれれる消防局の放火事件捜査員ジョーディ・ワーソー。派手な名声になど何の興味もない彼だが、エディとの短い付き合いの中で、TV画面からは知ることのできない彼の人間的奥行きに触れ、多くを学ぶことになる。演じるのはサンダンス映画祭で審査員大賞に輝いた監督・脚本・主演デビュー作「マクマレン兄弟」で彗星のごとく登場した若き才能エドワード・バーンズ。ロバート・レッドフォードに惚れ込まれ、監督・脚本家として次々に秀作を発表する一方で、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」に起用されるなど俳優としても注目を集めている新世代スターだ。ビッグ・バジェットの映画への初主演となった本作では、従来の刑事アクションにない役どころでスケールの大きな演技を見せ、ニューヒーロー誕生を予感させる。これからのハリウッドをリードする存在になること必至である。
本作は、初めてアメリカにやってきたエミルとウルグがマンハッタンのアパートで起こす冒頭の殺人・放火シーンから、自由の女神を眺望するバッテリー・パークでの衝撃的ラストに至るまで、全編、ニューヨーク・ロケを敢行。タイムズ・スクエア、セントラル・パークといった、ニューヨークに行ったことのある人なら誰でも知っているようなスポットが次々に登場して飽きさせない。とりわけ目を引くのは、通行人のごったがえすマジソン街で白昼繰り広げられる一大追跡戦。スペクタクルな二つの火災シーンと並んで、アクション映画としての本作の大きな見どころになっている。スタント・コーディネーター/第二班監督を「ダイ・ハード」「リーサル・ウェポン3」のチャーリー・ピサーニが担当していることからもアクションのクオリティの高さがうかがえよう。
さらにニューヨークのムードを高めるのがエンドクレジットにかぶって流れる主題歌”フェイム”。これはデビッド・ボウイとジョン・レノンが共作した、あの伝説の全米No1ヒットナンバーをカヴァーしたもの。
ストーリー
ニューヨーク市で殺人課刑事エディ・フレミング(ロバート・デ・ニーロ)を知らない者はまずいない。数々の大事件を解決してきた彼の顔は、雑誌『ピープル誌』の表紙を飾りTVニュースですっかりお馴染みだ。”流血沙汰ほどトップニュースにもってこい”が信条のニュース番組『トップ・ストーリー』のアンカーマン、ロバート・ホーキンス(ケルシー・グラマー)も、そんなエディの人気を利用して視聴率を稼いできたひとり。だがこのところ彼は、エディの捜査同行リポートぐらいでは、過激なネタを求める視聴者を満足させることはできないと考えている。
消防局の放火捜査員ジョーディ・ワーソー(エドワード・バーンズ)がエディと出会ったのは、男女ふたりの焼死体が発見された事件現場だった。ジョーディが発見した証拠品は、エディの予想通り、これが殺人隠ぺいのための放火だったことを物語っていた。
消防局の上司は、捜査がエディひとりの手柄であるかのような報道にカンカンになるが、ジョーディはそんな栄誉には興味がない。それより彼が気にかかっているのは、現場で見かけた脅えた表情の女……。その女ダフネ(ヴェラ・ファミーガ)は殺人の目撃者だった。犯人はチェコ人エミル(カレル・ローデン)とロシア人ウルグ(オレッグ・タクタロフ)のニ人組。彼らは銀行襲撃の分け前を受け取るため、仲間を訪ねて米国へやってきたのだが、金を使い込まれたと知って仲間とその妻を始末。ダフネがそれを見ていたことに気づくと、彼女が残していったエスコート・サービスの名刺の番号にダイヤル、派遣されてきた娼婦を殺してオフィスの住所を探りだした。
エディは捜査に同行したいというジョーディの頼みを聞き入れる。職務熱心で有能だが経験の浅い彼に、エディは若い頃の自分を重ねていた。ふたりがエスコート・サービスの経営者(シャーリズ・セロン)から教わったダフネの務め先の美容サロンに着いたのは、二人組が彼女を脅迫して去った直後のこと。まだ近くにいた彼らを発見したエディたちは、マジソン街で必死の追跡を開始する。だがエディのパートナーのレオン(エイヴリー・ブルックス)は銃を奪われ、ジョーディの同僚コーフィン(ジョン・ディレスタ)も負傷。遂に彼らは白昼みすみす二人組を取り逃がしてしまう……。
ダフネは不法滞在者だった。しかも妹をレイプした警官を殺した過去を持つという。ジョーディはそんな彼女に同情して身柄を預かるが、目撃者との個人的関係を疑われるような行動で上司にとがめられてしまう。エディはジョーディをかばった上で、キャリアを棒にふるような軽率な行動はつつしむよう諭すのだった。
捜査現場で必ずエディにマイクを向けてくる女性リポーター、ニコレット(メリナ・カナカレディス)。実は彼女とエディは恋人同士。今夜こそプロポーズしようと決意を固めてアパートで彼女を待つエディ。だがそこへ現れたのはエミルとウルグだった。不意を突かれ、抵抗する間もなく縛られたエディに、ウルグがビデオカメラを向ける。彼らはニューヨークで最も有名な刑事が殺される映像をTV局に高く売りつけようと考えていた。殺人罪で逮捕されても精神異常を主張して刑を逃れる。その後、正常だったことを証明し精神病院から解放されても、”一事不再理(ダブル・ジョパディ法)”により再び罪を問われることはない。それがエミルの計画だった……。
エディの死はジョーディやニコレットだけでなく、ニューヨークの街全体を深い哀しみに包んだ。その頃、二人組はホーキンスにエディ殺しのビデオテープを100万ドルで提供。さらに彼らはダフネの部屋に発火装置を仕掛け、ジョーディとダフネを罠にかける。燃えさかる部屋から辛うじて脱出するジョーディとダフネ。
その夜、ホーキンスの番組でテープが放映される。TVに釘づけになる人々を見て、監督気取りで得意がるウルグ。だがそんな彼をエミルが見下したことから言い争いが始まる。騒ぎの中、ウルグはカメラとテープを持って逃走。駆けつけたジョーディはエミルを逮捕し、エディの銃を彼に突きつける。だが彼が私情を爆発させる前にレオンが止めに入る。
エミルはホーキンスの紹介で高級弁護士を雇うと、計画通り精神異常を装い、主犯はウルグだと主張。エディの仇に何の手出しもできないことにジョーディは憤りをつのらせる。やがてエミルが狙い通り精神刑務所へ移送される見通しだと報じられるのを聞いた彼は、遂にたまらず銃を手に取り飛び出した……。
スタッフ
監督・脚本:ジョン・ハーツフェルド
製作:ニッタ・ウェクスラー/キース・アディス
製作:デヴィッド・ブロッカー/ジョン・ハーツフェルド
製作総指揮:クレアー・ラドニク・ポルステイン
撮影監督:ジャン・イヴ・エスコフィエ
プロダクション・デザイン:メイン・パーク
編集:スティーヴ・コーエン,A.C.E.
音楽:アンソニー・マリネッリ
音楽:J・ピーター・ロビンソン
衣装デザイン:エイプリル・フェリー
キャスティング:ミンディー・マリン
アソシエイト・プロデューサー:デヴィッド・ゲインズ/ジェイムズ・M・フリータグ
キャスト
エディ・フレミング:ロバート・デ・ニーロ
ジョーディ・ワーソー:エドワード・バーンズ
ロバート・ホーキンス:ケルシー・グラマー
レオン・ジャクソン:エイヴリー・ブルックス
ニコレット・カラス:メリーナ・カナカレデス
エミル・スロバック:カレル・ローデン
ウルグ・ラズグル:オレッグ・タクタロフ
ダフネ・ハンドローバ:ヴェラ・ファミーガ
ボビー・コーフィン:ジョン・ディレスタ
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