クリクリのいた夏
原題:Les ENFANTS DU MARAIS
クリクリ、あなたがまだ小さな女の子だったころのことを、そっとおしえて。 そう、マレの畔にいた、あの素敵な人たちのことを……。
(初公開:ベルギー1999年03月03日公開)
1999年/フランス映画/35mm/上映時間115分/DTS , Dolby Digital/配給:シネマパリジャン 提供:TBS・日活・シネマパリジャン/協賛:エルメスジャポン株式会社
2001年2月23日DVD発売/2001年2月23日ビデオ発売&レンタル開始 2000年7月8日よりBunkamuraル・シネマにてロードショー公開
公開初日 2000/07/08
配給会社名 0592
解説
夏草の薫り、水面をそよぐ風が頬をくすぐり、子どもたちのはしゃぐ声が森の木々にこだまする。大人たちは蓄音機とワインとグラスをテーブルの上に置いて、近隣で捕まえたエスカルゴや蛙を肴にほおばる。SP盤がまわり始めると、ノイズとともに聞こえてくるのは、ルイ・アームストロング。ゆったりと過ぎていく時間。今はもう失われてしまった、あの輝しくも懐かしい日々…。
1930年代のフランス。当時のマレ(marais=沼地の意)周辺には、浮き世離れした自由人たちが暮らしていました。彼らは、近隣の豊かな自然の中で自生している鈴蘭の花をブーケにしたり、山や湖、沼地へ繰り出しては蛙やエスカルゴを捕って、それらを町で売りさぱいたりして自給自足の生活を送っていたのです。その暮らしぶりは、今の私たちからは想像ができないほど優雅で、自由な時間を謳歌し、なによりも温かい人と人とのふれあいがあったのです… 20世紀がほどなく終わりを告げようとしている2000年、フランスで200万人を動員するビッグ・ヒットを記録したこの映画は、現代ではすでに失われてしまった根源的な人間の豊かさについて再び考え直すための好機となりました。愛らしいクリクリの瞳をとおして語られる懐かしいフランスの想い出が、鮮やかな映画の映像そのままに、フランス人たちの心に甦ったのです。彼らは一度ならず幾度となく映画館を訪れ、あの時代のしあわせを噛みしめました。笑いと涙の中に、繰り返し確かめたい至福の時が、この映画にはいっぱい、宝もののように詰まっているのです。
ストーリー
それはすこし昔のことです。とあるマレの畔に、クリクリの一家が住んでいました。クリクリのお父さんのリトン(J.ヴィユレ)は、すこしばかりおつむが弱いので、いつも周囲に迷惑ばかり掛けてしまいます。その尻拭いをするのは、決まって頼り甲斐のあるガリス(J・ガンブラン)の役割でした。ガリスとリトンはコンビを組んで、毎日街へ出かけます。街では鈴蘭のブーケや蛙、エスカルゴを売ったりして、日々の糧を得るのです。そうして行く先々で出会った素敵な街の住人たち。金持ちでいつもエレガントなアメデ(A.デュソリエ)、大きな洋館のお手伝いさんで、カリスが秘かに好意を寄せる若く美しい娘マリー(I.カレ)、とんまなリトンのせいで監獄へとぶち込まれる羽目になるボクシングのチャンピオン、ジョー(E.カントナ)、ふたりが庭の手入れを頼まれている上品なマダム・メルシエ(G.カザデシュス)、かつてはマレの住人だったが、やがて事業を成功させて大金持ちになったベペ(M.セロー)、そして何よりもクリクリが愛して止まないペペの孫ピエロ(R.ドレフュス)。そんな平穏な日々も束の間、またしてもリトンのヘマのせいで、大変な事件がクリクリたちを襲います。はたして彼らはこの窮地を脱することができるのでしょうか。
スタッフ
監督:ジャン・ベッケル
原作:ジョルジュ・モンフォレ
脚色・台詞:セバスチャン・ジャフリゾ
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
衣装:シルヴィー・ド・セゴンゼック
音楽:ピエール・バシュレ
製作総指揮:エルベ・トリュフォー
製作:クリスチャン・フェシュネール
キャスト
クリクリ:シュザンヌ・フロン
ガリス:ジャック・カプラン
クリクリのお父さん:ジャック・ヴィユレ
アメデ:アンドレ・デュソリエ
ペペ:ミシェル・セロー
マリー:イザベル・カレ
ジョー:エリック・カントナ
LINK
□公式サイト□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す