セレブリティ
原題:celebrity
スキャンダラスの男を演じるのは、レオナルド・ディカプリオ! ウディに脱帽!
1998年アメリカ映画/114分/モノクロ/6巻3,112m/ビスタ(ヨーロッパ)/ドルビーSR/ 字幕翻訳:古田由紀子/サウンドトラック:BMGジャパン/配給:松竹富士
2011年06月29日よりDVDリリース 2007年11月28日よりDVDリリース 2002年10月25日よりDVDレンタル開始 1999年8月14日より恵比寿ガーデンシネマにて公開
公開初日 1999/08/14
配給会社名 0003
解説
どんな人気のレストランも、名前と顔でフリーパス。ソールド・アウトのチケットだって、電話1本で手に入る。スピード違反みたいなケチな犯罪は、見逃してもらってトーゼン。
何から何まで役得づくめのセレブリティ。だが、彼らの仲間入りを果たすのは至難のワザだ。世界中を自家用機で飛び回り、大統領とファースト・ネームで呼び合う関係になるまでには、それなりの運と努力が必要になる。
ここに登場するのは、そんな強運に恵まれた一握りの人種と、彼らのオコボレにあずかって生きるその他大勢の人々。映画スターにスーパーモデル、TVキャスターにアーティスト。華やかなスポットライトを一身に浴びて甘い生活を謳歌する有名と、彼らの気まぐれに翻弄される一般人が、くんずほぐれつして織り成す狂熱の世界 その愚かしくも刺激に満ちた実態を、めくるめくタッチでスケッチしたエキサイティングなコメディが、ウディ・アレンの監督第29作『セレブリティ』だ。
話題の焦点は、なんといっても『世界中がアイ・ラヴ・ユー』や『地球は女で回ってる』をしのぐ豪華なキャスト。いまをときめくレオナルド・ディカプリオが人気絶頂のアイドル・スターを演じれば、ウィノナ・ライダーが女優志願のウェイトレス役で登場。スーパーモデルに扮したシャーリーズ・セロンは下着ルックも色っぽくキャット・ウォークで闊歩し、女王様女優を演じるメラニー・グリフィスはセルフ・パロディとも思える悩殺演技を披露する。また、『ラウンダーズ』のファムケ・ヤンセン&グレッチェン・モル、『GODZILLA』のハンク・アザリアといった旬の顔ぶれもズラリ。さらに、不動産王のドナルド・トランプや現役NBA選手のアンソニー・メイソン、ファッションデザイナーのアイザック・ミズラヒなど、ホンモノのセレブリティ集団も加わった百花繚乱のアンサンブルは、ウディ・アレン作品ならではの贅沢な喜びといえるだろう。
なかでもあっと驚く快演を見せるのが、主人公のジャーナリスト、リーを演じるケネス・ブラナーだ。小説家を志しながらも芸能記者の身分に甘んじるリーは、運に見放された有名人志願者の代表。脚本に手を出せばガキのスター(ディカプリオ)にもて遊ばれ、小説に専念しようとすれば別の作家にアイデアの先を越される。有名になろうとあがけばあがくほど挫折の崖っぷちに追い込まれていく彼は、自分が捨てた女たちが次々と成功をおさめていくのを横目に、ひとり孤独を嘆く愛のトホホ者でもある。そんなリーのキャラクターは、本来ならアレン本人が演じてもおかしくない役どころ。それを十分意識してか、今回のブラナーは「神経症のニューヨーカー」になりきった役作りで勝負。ときにアレンそっくりのセリフまわしで、ファンをニヤリとさせるお楽しみを提供してくれる。
リーとは反対に、有名人を軽蔑しながらも、ひょんなことから自分がTVキャスターとして有名になってしまう前妻ロビンを演じるのは、『夫たち、妻たち』『地球は女で回ってる』のジュディ・デイヴィス。彼女をTV界に引き込むプロデューサーには、『アリス』のジョー・マンテーニャ。さらに、ミュージカル「シカゴ」でトニー賞を受賞したブロードウェイの大スター、ベベ・ニューワースが、ロビンにセックスの手ほどきをする娼婦に扮し、迫力の熱演を見せる。
アレンの築きあげたセレブリティ・ワールドをサポートするスタッフには、今回も常連の顔ぶれが揃った。なまめかしさを感じさせるモノクロ映像にベテランの味を発揮する撮影監督は、『ウディ・アレンの重罪と軽罪』『私の中のもうひとりの私』のスヴェン・ニクヴェスト。プロダクション・デザインは、『スターダスト・メモリー』以来17作でアレンとコンビを組んでいるサント・ロクアスト。ベルサーチからブルックス・ブラザースまでを取り揃えた衣装は、『地球は女で回ってる』に引き続きスージー・ベイジンガーが担当。製作には、『地球は女で回ってる』『ワイルド・マン・ブルース』のジーン・ドゥーマニアンがあたっている。
ストーリー
うだつのあがらない中年ジャーナリストのリー・サイモン(ケネス・ブラナー)は、セレブリティになりたくて小説家を目指しながら芸能記事を書いている。高校の同窓会をきっかけに「生き方を変えよう」と思い立った彼は……。
16年間連れ添った妻ロビン(ジュディ・デイヴィス)と離婚。いまはランダムハウスの編集者ボニー(ファムケ・ヤンセン)とつきあっている。仕事にしろ女性関係にしろ、何をやっても中途半端なところが、リーの悩みであり欠点でもある。かつて「赤い祝日」という小説を書き文壇にデビューしたものの、NYタイムズの書評でコテンパンにけなされて挫折。次は映画の脚本で一発当ててやろうと目論んでいるが、目下のところは、有名人の太鼓持ちをつとめるのが精々の身分だ。ときには大女優のニコル・オリバー(メラニー・グリフィス)から「唇サービス」を受けることもあるが、全身性感帯のスーパーモデル(シャーリーズ・セロン)にはアッシー君に使われただけでバイバイされてしまう。勝手気ままな有名人に振り回されどおしのリーが、そんな生活から抜け出すには、自分が有名になるしか道はない。
いっぽう、離婚のショックを療養所で癒す日々を送っていたロビンは、友人にすすめられ、「マンハッタンのミケランジェロ」の異名をとる整形美容医の元を訪れる。そこへたまたま取材に来ていたのが、TVプロデューサーのトニー(ジョー・マンテーニャ)だった。彼に誘われるまま映画の試写会に出かけたロビンは、劇場でボニーを連れたリーと鉢合わせ。ふたりの姿にあらためて怒りをかきたてられた彼女は、試写の最中にリーと口論を始めてしまう。そんなロビンに惚れ込んだトニーは、彼女を部下として採用。彼の公私に渡るサポートを受けたロビンの前には、しだいに第二の人生が開けていく。
そのころリーは、脚本の売り込みに人生を賭けていた。彼が目をつけたのは、人気絶頂のアイドル・スター、ブランドン・ダロウ(レオナルド・ディカプリオ)。リーはさっそくブランドンのホテルを訪ねるが、当のスターは恋人ヴィッキー(グレッチェン・モル)と痴話げんかのすえ、家具一式を叩き壊す狂乱ぶり。その後、アトランティック・シティへ繰り出すブランドン一行にシブシブつきあうハメになったリーだが、カジノで6千ドルすったあげく4Pを強要され、シッポを巻いて逃げ帰ることになる。
この出来事をきっかけに、小説一筋で行くと決めたリーは、かつて書いた原稿のなかに傑作があったことを発見し、これを手がかりに成功をつかもうと意欲に燃える。が、そうは問屋がおろさないのが、彼の人生だ。事の発端は、交際中の女性編集者ボニーから女優の卵ノーラ(ウィノナ・ライダー)に、心変わりしたこと。彼の告白を聞いて激怒したボニーの手によって、リーの最高傑作は海の藻屑と消えてしまった。
かたやロビンの人生は絶好調。番組にゲスト出演した娼婦(べべ・ニューワース)から、男を喜ばせるSEXのテクニックをバッチリ教わり、トニーとの仲もアツアツ。また、仕事でもトレンディなレストランのランチ風景を中継する番組のキャスターに抜擢され、有名人街道をまっしぐらに歩む。おまけにトニーからは、待ちに待ったプロポーズの言葉が! あまりの幸せに、ふと不安にかられるロビン。そしてリーもまた、年の離れたノラとの関係に行き詰まりを感じていた。
そんなふたりが再び顔を合わせたのは、ニコル主演の映画がプレミアを迎えた日。果たして元夫婦の人生は、どんなふうに様変わりしているのだろう?
スタッフ
キャスティング:ジュリエット・テイラー、ローラ・ローゼンタール
衣装:スージー・ベイジンガー
編集:スーザン・E・モース,A.C.E.
プロダクション・デザイナー:サント・ロクアスト
撮影監督:スヴェン・ニクヴェスト,A.S.C.
製作:ジーン・ドゥーマニアン
脚本・監督:ウディ・アレン
キャスト
デヴィッド:ハンク・アザリア
リー・サイモン:ケネス・ブラナー
ロビン・サイモン:ジュディ・デイヴィス
ブランドン・ダロウ:レオナルド・ディカプリオ
ニコル・オリバー:メラニー・グリフィス
ボニー:ファムケ・ヤンセン
ドクター・ルーバス:マイケル・ラーナー
トニー・ガーデラ:ジョー・マンテーニャ
娼婦:ベベ・ニューワース
ノラ:ウィノナ・ライダー
スーパーモデル:シャーリーズ・セロン
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