美少年の恋
原題:bishonen...
☆東京国際ファンタスティック映画祭'99出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/index.htm ☆ベルリン国際映画祭、トロント国際映画祭、正式参加
1998年香港映画/111分/配給:日本ビクター
2000年9月22日よりビデオ発売・レンタル開始 2000年3月18日より新宿ジョイシネマにてレイトショー公開
公開初日 2000/03/18
配給会社名 0059
解説
『美少年の恋』のタイトルは元々はこの作品の舞台となる男娼たちのエージェント・オフイス「中南湾」でした。しかしこの作品のストーリーを監督が日本のコミック・ファンである甥に話したところ“中南湾”では字画も多く堅い雰囲気で作品に合わない、もっとソフトなタイトルに変えては、と意見。楊凡監督はすぐに変更したと言います。「の」は日本文化に関心の高い香港では、中国語で書く所の「的」、英語で言う所の「of」に当たる日本語であるごとは周如なのです。結果、ひらがなを入れることで、この作品の柔らかで耽美なテーマが的確にタイトルに反映されることになりました。物請は、楊凡が台湾の雑誌に短編小説として発表したものを下敷きにしていますが、その小脱は映画よりもずっと内的なもので、ファーザー・コンプレックスにテーマが寄っていました。キャスティングの過程で、原作から独立した、映画としてのストーリーが組み立てられて行きました。香港では、ここ数年『ブエノスアイレス』『BE MY BOY』など、ゲイ・ムービー(同志電影)がコンスタントに送り出されています。それが、香港が中国返還を事実のものとして意識し始めた頃からの傾向であることは注目に値する。中国は香港人の自由を返還後50年は干渉しないことを保証しており、映画を含めた産業においても、自由が与えられていることを知らしめました。商業的な娯楽映画が求められる香港では、この作品は非常に特殊な位置にあります。それは監督が過去発表した作品から「耽美浪漫作家」として位置づけられていることも関係しているかもしれません。香港での一般公開は98年夏、非常に短期問でした。そして監督はすぐに世界の映画祭に出品するアクションを超こし、ベルリン国際映画祭には正式招待作品として出品され、世界各国の大小さまざまな映画祭を回っています。前作である『妖街皇后(ブギ・ストリート)』と同じくこの『美少年の恋』は香港現地より世界の映画祭で高い評価を得ています。
楊凡監督は多産作家ではありません。しかしこの『美少年の恋』に力を貸してくれた製作に名を連ねる面々は香港の一流映画人ぱかりです。新人は主演の4人のみ、と言っても過言ではありません。プロデューサーはこの秋、日本公開が決定している金城武主演映画『君のいた永遠(とき)』のシルビア・チャン監督、物語にしっとりとした深みを与えるナレーションは、ノークレジットで大女優・ブリジット・リンが担当しました。彼女は結婚・出産を期に現在映画界から遠ざかっていますが、監督とは無二の親友で、ノークレジットを条体に(つまりノーギャラで)この仕事を快諾したと言う。監督はギャラに相当する金額を児童基金に寄付という形で報いました。また代議士役には香港の映画音楽からポップスまでの作曲や俳優としても活躍のジェムズ・クォン、ゲイの写真家役には往年のポップス歌手、ジョー・ジュニアなど、香港の著名人が多数友惰出演しています。
ストーリー
ゲイに春をひさぐ売れっ子ジゴロのジェットはある日、街の画廊で見かけた美少年に恋をした。数日後、ジェットはその美少年から声をかけられる。彼はサムという名の警察官。それまで恋をしたことがなかったジェットは少女のように胸をときめかせるがサムが両親と同居する家をたびたび訪ねるようになり、ジェットのサムヘの想いはますまナ強くなるが、心を打ち明けることができない。果たしてサムはゲイなのだろうか…。ジェットと部屋をシェアするジゴロ仲間のアチン。彼には辛い過去があった。杜員時代、同僚の美少年ヴァイと過ごした相思相愛の幸せな日々に突然別れがやったきたのだ。ファイからは何の説明もなかった。スターを夢見る美少年キングスリー。彼もまたグイだったが、男たちとの愛よりもスターへの道を選んで香港のアィドルになりたった。狭い番港で、いつのまにか手繰り寄せられる美少年たちの思いがけない過去。その複雑に絡み合う糸の、いったいどれが本当の赤い糸だったのか…。客との愛のない関係に身を沈めながら、愛されたいと願う美少年たちの青春の輝く目々は確実に蝕まれていく…
スタッフ
監督・脚本: ヨン・ファン
撮影: ヘンリー・チュン
音楽: クリス・バビダ
キャスト
ジェット: ステイーブン・ブン・フォン
サム: ダニエル・ウー
アチン: ジェイソン・ツァン
KS: テレンス・イン
カナ: スー・チー(特別出演)
ナレーション: ブリジッド・リン
LINK
□IMDb□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す