ベオウルフ
原題:BEOWULF
邪神が人間に生ませた子ベオウルフ VS 七変化の妖怪淫獣 セクシュアル・デスバトル!
1998年/アメリカ映画/グレンデル・プロダクション作品 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/ビスタ/全5巻/2,563m/94min ドルビーSR・SRD/字幕翻訳:岡田 荘平
2007年08月29日よりDVDリリース 2004年09月08日よりDVD発売開始 1999年10月9日より銀座シネパトスにてレイトショー公開
公開初日 1999/10/09
配給会社名 0042
解説
男の名はベオウルフ——邪神と人間の混血、この世の邪悪を引き寄せる呪われた戦士。
テクノロジーもいまや死に絶えた未来。一見、中世を思わせる荒涼たる未来の、そのまた辺境の地に、邪悪な魔物にとり憑かれた城砦が立っている。砦の周囲は、内部の害悪を世界に放つまいと軍隊が遠巻きにし、非情な城壁に囚われた人々は、夜な夜な魔物の餌食となって、その悲鳴が荒野の夜気をつんざく。そこにやってくる謎の男、ベオウルフ。孤高のライダーは、ひとり敢然とこの恐ろしい魔物に立ち向かう。ベオウルフとは何者なのか?何ゆえに、この恐ろしい魔物に、命をかけて闘いを挑むのか?
北欧の伝説をもとに8世紀に書かれたといわれるイギリス最古の文学、『ベオウルフ』。この英雄叙事詩のヒーローを、混沌とした未来によみがえらせた映画、『ベオウルフ』は、強烈な個性のキャスト、新種の武器が次々とくり出される激闘、危険なスタント、最新のデジタル技術を駆使したパワフルな視覚効果、耳をつんざく音楽、ロマンティックな恋、官能的な情事、心理の根元に迫るドラマ満載のSFセクシュアル・バイオレンスだ。
不死身の英雄、ベオウルフに扮するのは、『ハイランダー』シリーズなどこれまでにも数々の神秘的なアクション・ヒーローを演じてきたクリストファー・ランバート。武器の重みが伝わってくるような華々しい立ち回りを見せてくれるばかりでなく、半神半人の身の孤独感も匂わせる。ベオウルフに魅せられる領主の娘、カイラには“イギリス一、セクシーな女”といわれるローナ・ミトラが扮している他、怪物の母である妖女に、プレイボーイ誌を飾ったモデル出身で、『アルマゲドン』などに出演した妖艶なレイラ・ロバーツ、城から逃れてきてベオウルフに助けられる娘に、やはりモデルで『ジャガー』などに出演しているパトリシア・ベラスケスが扮し、花を添えている。また、カイラに心を寄せる戦士、ローランドにはドイツでめきめき頭角を現している若手俳優ゲッツ・オットー(『トゥモロー・ネバー・ダイ』)、領主、フロスガーには、イギリスのベテラン舞台俳優、オリバー・コットン(『ファイヤー・フォックス』)、妖怪、グレンデルには、『レリック』『スピーシーズ2』などで怪物役はお手のもの、ビンセント・ハモンドが扮している。
監督は、『エイリアン・ネイション』などのグラハム・ベイカー。広告業界出身で、視覚的想像力にすぐえているベイカーはもてる才能と人材を結集、古代の伝説の登場人物を、テクノが失墜した広漠たる未来に生き返らせた。プロデューサーは、映画、ビデオ、ゲーム、音楽と幅広いメディアで娯楽を追究する『モータル・コンバット』シリーズのローレンス・カサノフ。作者不詳の古典を原作に脚本を書いたのは、空想小説などの作家でもあるマーク・レイヒーと、デイビッド・チャッピー。撮影は『マスク』などを手がけたクリストファー・ファルーナ。美術を担当、ファンタジーに満ちたセットを構築したのはジョナサン・カールソン。
重々しく、かつ機能的な戦闘服から、女体が透けて見えるエロティックな衣装まで手がけたのはサンジャ・ヘインズ(『インデペンス・デイ』)、クリーチャー・エフェクトのデザインを担当したのはトッド・マスター(『プレデター』『モータル・コンバット』)。映画は全編ルーマニアで撮影された。
ストーリー
いつとも知れぬ未来、テクノロジーを誇った文化はどこに埋もれてしまったのか、荒涼たる大地は中世のような風景をさらしている。どことも知れぬさいはての地。
異様にそびえる城砦から、夜ごと断末魔の悲鳴が聞こえてくる。闇に溶け込むように棲みついている邪悪な怪物(ビンセント・ハモンド、)が、場内の人々を餌食にしているのだ。領主フロスガー(オリバー・コットンは怪物を退治しようと躍起になっているが、残忍な殺戮にあって家来の数は減るばかり。「魔物め!このわたしと勝負せよ」と進み出ると、相手はその時だけこの世ならぬ声でいうのだ。「お前は殺さない」と。城砦を遠巻きに包囲する軍隊は、内部の害悪が世界に放たれないよう、昼夜、監視している。ある日、城砦から若い娘(パトリシア・ベラスケス)が逃げてくる。逃亡者は害悪のキャリアーだ。すぐにつかまって断頭台に縛りつけられる。と、そこへやってきた一人の屈強な男が、次々と襲いかかる兵士をなぎ倒して娘を助け、城内に入る。
男の名はベオウルフ(クリストファー・ランバート)。邪神が人間の女に妊せた子であるベオウルフは、邪悪なるものに引き寄せられてここにきた。邪悪な存在を滅亡させなければ、自分の中に巣くう悪を清められない、呪われた運命なのだ。
ベオウルフの存在を嗅ぎつけたのか、怪物はいっそう狂暴になり、またしても多くの人間が血祭りにあげられる。領主の娘で男勝りのカイラ(ローナ・ミトラ)は謎めいたベオウルフに惹かれるが、人間ならぬ身のベオウルフはその愛に応えられない。カイラに心を寄せる戦士、ローランド(ゲッツ・オットー)は、嫉妬もあって最初はベオウルフを敵視するが、ベオウルフに命を助けられてからは、その勇猛さに敬意を表するようになる。
ベオウルフはいくつかの真実を知る。領主の妻は、かって城壁から身を投げて自殺、領主は罪の意識にさいなまれている。領主の夢にはなまめかしい妖助(レイラ・ロバーツ)が現われ、夢でその女と交わっていると、決まって亡き妻の最後の姿が浮かびあがってくる。カイラの夫は妻に暴力を振るい、カイラの手にかかって死んでいた。いまわしい攻撃が始まったのはその頃からなので、カイラは怪物が、殺した夫の亡霊ではないかと恐れている。しかしベオウルフはもっと多くを知っている。この超自然の怪物は、迷った霊などではない…もっとすさまじい、恐るべきものなのだ。
やがて城砦の地下でベオウルフは怪物と一対一で渡り合い、激闘の末、戦利品として腕を一本持ち帰る。城砦内は久々の勝利にわき、祝宴が開かれる。その晩、ほろ酔い加減のローランドの前に妖女が現われ、色香に迷ったローランドは殺されてしまう。邪悪なものは滅びてなどいなかった。怪物は妖女と共に、領主とカイラの前にその姿を現す。妖女はこの地に古くから棲みついていた魔物で、領主がこの砦を奪った日に夢の中で彼と交わり、その夜、胎内に宿ったのが怪物、グレンデルだったのだ。領主の妻は、妖女に夫の裏切りを知らされて身を投げた。
妖女とグレンデルは、この地を奪還しようと惨殺を繰り返していたのだ。怪物が息子だったと知り、呆然とする領主。そのとき、背後から襲ったベオウルフの刃に、グレンデルはあっけなく倒れる。わが子の死を目のあたりにした妖女は悲痛な叫びをあげ、見るもおぞましい姿に変身。ベオウルフと最後の死闘をくり広げる。
ベオウルフは邪悪なるものに勝ったが、領主までもが命を失い、城砦は炎上した。
この先も永遠に闘い続けなければならない運命のベオウルフに、連れていってくれと乞うカイラ。「わたしといると危険だ」「いいえ、あなたのそばが一番、安心だわ」。強い女カイラを伴い、ベオウルフはふたたび旅に出る。
スタッフ
監督:グラハム・ベイカー
製作総指揮:アリソン・サビッチ、ピーター・ロック、ドナルド・クシュナ
シャロン・ハレル、ジェーン・バークレー
製作:ローレンス・カサノフ
共同製作:フランク・ヒルデブラント、マーク・レイヒー
アソシエート・プロデューサー:ジョシュア・ウェックスラー、スーザン・レビン
脚本:マーク・レイヒー、デイビッド・チャッピー
撮影:クリストファー・ファルーナ
美術:ジョナサン・カールソン
衣装:サンジャ・ヘイズ
編集:ロイ・ワッツ
音楽スーパーバイザー:パトリシア・ジョゼフ
オリジナル曲:ベン・ワトキンズ for ユーノ・リアクター
視覚効果スーパーバイザー:アリソン・サビッチ
視覚効果制作:スレッシュ ホールド リサーチ ラボス
キャスト
ベオウルフ:クリストファー・ランバート
カイラ(領主の娘):ローナ・ミトラ
ローランド:ゲッツ・オットー
フロスガー(領主):オリバー・コットン
城から逃れる娘:パトレイシア:ベラスケス
グレンデル/母:レイラ・ロバーツ
グレンデル:ビンセント・ハモンド
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