陽炎4
「高島礼子」−−−−−情念に生きる女、再び!!
1997年度作品/松竹第一興行株式会社製作/カラー作品/上映時間:1時間29分/配給:松竹
98年2月7日、松竹セントラル2ほか全国松竹洋画系にてロードショー公開!!
公開初日 1998/02/07
配給会社名 0003
解説
菩薩vs菊唐獅子!!
ついに登場、待望の爆走シリーズ最新作!!
1991年、故五社英雄監督がそれまでの集大成として演出した『陽炎』その遺志を受け継いだ待望のシリーズの最新第4弾がいよいよここに登場する。
盆茣蓙の世界で生きる勝負師たちの生きざまを、アクション、エロスの要素をふんだんに取り入れた娯楽色豊かなエンタテインメント痛快劇それが『陽炎』シリーズのテーマだ。
最新作の『陽炎4』でもこのテーマを忠実にとらえ製作されたが、何と言っても特筆すべきは、高島礼子の本格派女優としての地位の確立である。
第1作で樋口可南子が演じた不知火りんを2作目から受け継ぎ、今回で3連投となるが、1作ごとに着実にステップアップし、今や完全にこの役を自分のモノにしている。
おりん役を演じるというより、高島がおりんになりきっていると言っても過言ではない。また 最近では花王「メリット」や黄桜の日本酒のCF等も大好評で、そのイメージの幅をも広 げ、本格派女優としての仲間入りを果たした。
25歳でデビューした高島であるが、まさに遅咲きの大輪が華開いた形となった。
仁義に生きる者、仁義にはずれたヤツらは許しちゃおけない!!
不知火りんの情念の炎が、今再びメラメラと燃え始めた!!
ストーリー
時代は昭和初期、城島りん(高島礼子)は、賭場でいかさまをして殺された若い男の遺骨を、生まれ故郷の土佐に届けるため汽車に乗った。
その道中、りんはひょんな事から、松岡組のヤクザに追われている男を助けた。男は永田組の組員で、その縄張り争いから2つの組は抗争を繰り広げていた。
男は恩義を感じ、りんを永田組親分・永田(大門正明)に紹介し、恒例の花会の胴師にりんを推薦する。既に胴師は乱れ牡丹の怜子(沢木麻美)に決まっていたが、この2人を勝負させ、勝った方を胴師に選ぶことになった。
怜子は菊唐獅子の彫物のある男を捜し日本じゅうを渡り歩いていた。いまから十五年前、怜子の姉が、背中に菊唐獅子の彫物のある女衒に人攫いも同然に連れ去られ、遊廓に売り飛ばされて自殺した過去があったのだ。
りんは怜子との勝負に勝った。その座で永田から、相手の松岡組の胴師は徳三(柴俊夫)という名で、背中に菊唐獅子の刺青があるらしいことを聞かされる。
菊唐獅子と聞いて驚く怜子。一方、りんはかつて徳三と出会っており、お互い胴師としての腕前を認めあった仲だった。
徳三はかねてより、永田組と松岡組がつまらぬ事で争っているのを快く思っていなかった。何かにつけては永田との密会の席で、組を1つにまとめ、永田が組長をやるべきだとほのめかしていた。
永田も、徳三がりんと顔見知りであることを聞かされ、ますます徳三のことを信頼するようになっていった。
そんな折、松岡組親分・松岡(高橋長英)が、永田組を叩き潰すべく陸軍と組んで、一世一代の大出入りの仕度を進めていた。徳三はりんにその事を漏らし、永田組の藤崎(本田博太郎)を呼び出す。
松岡組の出入りを阻止し、2つの組をひとつにまとめるためには松岡を暗殺するしか方法はない。その真剣で切羽詰まった表情を見て、藤崎は奮い立って出ていった。
徳三はりんにもまた、面倒に巻き込まれないように、この町から出て行くように説得する。徳三のやさしさに、ひたと見すえるりん。その情念が徳三の胸に迫り、りんを激しく抱きしめた。
永田一家の土間に放り出される藤崎の死体。松岡を殺された子分が、世話役の野上(伊藤敏八)を先頭に、殺気だって永田組に報復しにきたのだ。徳三は命がけでそれを阻止し、藤崎の死体を抱き上げて、「あんたの死をムダにはしない」と涙ながらに呟く。
そんな徳三を惚れ抜いた女の眼差しで見守るりんがいた。
その夜、激しくからみ合う菩薩の彫物と菊唐獅子の彫物—。
徳三は、今後のことについて永田と二人っきりでじっくりと腹を割って話したいと、りんに持ちかけた。永田は事の真相をりんから聞かされ、徳三の考えに感服し快諾した。
ある料亭—。永田と徳三が酒を酌み交わしている。そこに、徳三の合図で刃物を手にした松岡組の連中が踏み込んでくる。
不敵な笑みを浮かべて悠々と部屋を出ていく徳三。すべて徳三が仕組んだ罠だったのだ。組を1つにまとめ、自分が組長の座におさまるよう企んでいたのだ。愕然とし逆上するりんだったが、自分の愚かさに悲嘆にくれる。
永田組と松岡組の抗争は、りんと徳三の2人の胴師の対決によって決着をつけることになった。「俺はお前の心も体も知り尽くしている。尻尾巻いて逃げた方が為だぜ」と野卑な表情をみせる徳三。りんはそんな徳三をギラッと睨んで啖呵を切った。
「不知火おりんは筋金入りの女に生まれ変わったんだ、ナメるんじゃないよ!!」
一方、怜子は菊唐獅子の彫物の男が徳三である事をつきとめ、待ち伏せをする。怜子が何年もかかってやっとつきとめたのに、徳三は姉のことなど覚えてすらもいなかった。匕首を抜き徳三に鋭く突きかかる怜子。だが寸前でかわされ、逆に寄ってたかってドスを浴びせられてしまう。
決着の時—永田を罠にはめ、怜子を殺し、自分を騙し裏切った徳三にりんの怒りが突き上げてくる。徳三の意地。りんの気迫。
『—勝負!!』りんと徳三が対座し、勝負の時が来た!!
スタッフ
監督: 井上 昭
原案: 橋本似蔵
脚本: 田村 恵
音楽: 栗山和樹
撮影: 宮島正弘
キャスト
城島りん: 高島礼子
菊唐獅子の徳三: 柴田俊夫
松岡関兵衛: 高橋長英
藤島慎二: 本田博太郎
乱れ牡丹の礼子: 沢木麻美
幸田: 中村敦夫
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