原題:FAMILY MAN

あのとき「YES」とこたえていたら、ふたりはどこにいたのだろう。

2000年12月12日全米公開

2000年/アメリカ/125分/DTS / Dolby Digital / SDDS /7巻・3,425m/字幕翻訳:栗原とみ子 提供:ギャガ・コミュニケーションズ/博報堂/ヒューマックスピクチャーズ 配給:ギャガ/ヒューマックス

2010年05月26日よりDVDリリース 2004年11月25日よりDVD発売開始 2001年4月28日より日劇プラザ他全国東宝洋画系ロードショー

(C)2000 UNIVERSAL STUDIOS

公開初日 2001/04/28

公開終了日 2001/06/01

配給会社名 0025

公開日メモ 「たとえ100年離れていても僕らは変わらない」恋人のケイトにそう誓い、ロンドンへ旅立っていったジャック。だが、そのときを境に、ふたりの人生のレールは別々の方向に分かれていった。

解説


「たとえ100年離れていても僕らは変わらない」恋人のケイトにそう誓い、ロンドンへ旅立っていったジャック。だが、そのときを境に、ふたりの人生のレールは別々の方向に分かれていった。
それから13年、ケイトの電話をきっかけに、ジャックの胸にある思いがよぎる。
もしもあのときロンドンへ行かなかったら?彼女と共に生きる道を選んでいたら?自分の人生はどうなっていただろう?
クリスマスの前夜、降り出した雪のなかをひとり歩き始めるジャック。そんな彼の前に、どこからともなく不思議な青年が現れる……

ウォール街で成功をおさめ、超高級マンションのペンハウスに住み、フェラーリを乗りまわす。誰もがうらやむ人生を走り続けてきた男が、不思議な青年の導きによって歩み出す「もうひとつの人生」。それは、愛する女性と子供たちと犬に囲まれた、平凡だがぬくもりに満ちた生活。その宝物のような輝きに触れた主人公の心の再生をみつめた『天使のくれた時間』は、『シティ・オブ・エンジェル』『あなたに降る夢』などで温かな魅力を光らせてきたニコラス・ケイジと、『ラッシュアワー』でハリウッドのトップ監督に躍り出たブレット・ラトナーが、疲れ気味のハートを抱えたおとなのために贈るとっておきのラブ・メルヘンだ。
ジャックの心のめざめと、ケイトとのあいだに育まれる温かな愛を描くドラマは、猛スピードで生き急ぐことを強いられている現代の我々に、心地よい共感をもたらしてくれる。やりたいことよりもやらなくてはならないことに追われ、自分が何を失っているかにも気づかない毎日。そのなかでふと立ち止まり、人生にリセットをかけることの大切さ。それを、ファンタジーのシチュエーションのなかに描き出した本作は、『キッド』や『ハート・オブ・ウーマン』の流れを汲むロマンチックな寓話として、見る人の胸にホッとした安らぎを与えてくれるだろう。
ふたつの人生を経験したことから、本当の幸せの意味をみつけていくジャック。真の豊かさとは何かに気づき、心の生監督は、『ラッシュアワー』を大ヒットさせ、ハリウッドの次世代の旗手として注目を集めたブレット・ラトナー。すでにアクションとコメディの演出では定評のあった彼だが、今回はジャックとケイトの微妙な心の機微を描くラブストーリーの部分に腕の冴えを見せ、ヒューマンな演出に新境地を切り開いた。

ストーリー



1987年。ウォール街で成功をおさめることを夢見るジャック・キャンベルは、結婚を誓い合った恋人のケイトに見送られ、研修のためにロンドンへ旅立とうとしていた。
「ロンドン行きは考えなおして。いますぐふたりの人生をはじめましょう」
空港で涙を見せるケイトに、「たとえ100年離れていても僕らは変わらない」と答えるジャック。だが、ふたりの人生は、それっきりひとつに交わることはなかった……。
13年後。ジャックは大手金融会社の社長の座につき、優雅な独身生活を謳歌していた。住まいはマンハッタンの超高級マンション、車はフェラーリ。それらの代償として、クリスマス休暇も出張でつぶれる仕事漬けの日々を送るジャックだったが、彼自身は、いまの自分の生き方に100%の満足を覚えていた。
そんなジャックの身に不思議な出来事が起こったのは、クリスマス前夜のことだった。仕事の帰り道、デリカテッセンに立ち寄った彼は、宝クジの当選券を換金してもらえないことに腹を立てて銃を振りまわす黒人青年のキャッシュと遭遇。なんとかその場をおさめようと、自分が当たりクジを買い取ると申し出た。取り引きは成立し、ジャックは200ドルと引き換えにクジを手にする。その彼に、キャッシュが言った。
「これから起こることは、あんたが招いたことだ」
謎めいた言葉の意味がわからないまま、眠りにつくジャック。翌朝、子供の喚声に目をさました彼は、自分が見覚えのない場所にいることに気づいて仰天する。隣で眠っているのは、13年間一度も顔を合わせたことのないケイトだった。いったい何が起きたんだ?狐につままれた思いで表に飛び出したジャックは、消えたフェラーリの代わりにワゴン車に乗り、自分のマンションをめざす。が、顔なじみのドアマンからは、住人ではないと門前払いをくわされる始末。続いて訪れた会社でも、ガードマンに行く手を阻まれてしまった。怒ったジャックが社長のプレートを指差せば、そこには部下の名前が書いてある。これは悪夢か、何かの冗談か?途方に暮れて会社を後にするジャック。と、そこにフェラーリに乗ったキャッシュが通りかかった。ジャックは彼に事情を問い質そうとするが、得られたのは「自分で答えを出すんだ」という言葉だけ。仕方なく、彼はワゴン車に乗り、朝飛び出してきたニュージャージー郊外の家に戻った。
途中、隣人のアーニーと話す機会を得たジャックは、「この世界」にいる自分が、ボランティアで弁護士をするケイトと、ふたりの子供と暮らす良きファミリー・マンであることを知る。仕事は、ケイトの父エドの店のタイヤ・セールス。友達は全員ワーキング・クラスの連中で、話題といえばスポーツのことだけ。家に帰れば、娘アニーの保育園の送り迎えや、下の息子のオシメの交換、はたまた犬の散歩といった雑事が待っている。それは、ウォール街の成功者だった昨日までとは、あまりにもかけはなれた人生だった。
けれども、そこには抗しがたい魅力もあった。13年前よりも美しさを増し、自信と優しさに満ちた女性に成長したケイト。彼女と夫婦として暮らす日々のなかで、ジャックは、自分の胸に忘れていた愛が蘇ってくるのを感じる。それと同時に、成功をつかむことしか頭になかった自分の心に、人間らしい素直な感情が芽生えてくるのを感じるのだった。
結婚記念日の日、プレゼントを忘れていた埋め合わせにケイトを食事に誘い出したジャックは、「この世界」に来て以来の不安な気持を彼女に打ち明けた。
「昔の僕には人生計画があった。疑問も後悔も皆無だった。でもいまは違う。いまの僕には人生計画なんてひとつもない」
それを聞いていたケイトは、静かにこう語り始めた。
「私がいまの人生に疑問を持っていないと思う?私だって、もっとイージーな人生に憧れるわ。でも、あなたと結婚しなかったら、私にとって確かなものがなくなるのよ」
人生で確かだと感じられるもの。いまのジャックにとって、それは、ケイトと子供たちとの生活だった。だが、果たして「この世界」はいつまで続くのだろう?ファミリー・マンとしての幸せを見出したジャックの前に、再びキャッシュが現れるときがやって来る

スタッフ

監督:ブレット・ラトナー
製作:マーク・エイブラハム/トニー・ルドウィグ/アラン・リッシュ/ハワード・ローゼンマン
脚本:デヴィッド・ダイアモンド/デヴィッド・ワイスマン
撮影:ダンテ・スピノッティ
音楽:ダニー・エルフマン
衣装:デザイン・ベッツィ・ハイマン
編集:マーク・エルフリッチ
美術:クリスティ・ズィー

キャスト

ジャック・キャンベル:ニコラス・ケイジ
ケイト・レイノルズ:ティア・レオーニ
キャッシュ:ドン・チードル
アーニー:ジェレミー・ピヴェン
アニー:マッケンジー・ヴェガ

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