2017年/日本・オーストラリア合作/110分/配給:The STAR SAND Team

2017 年 6 月 21 日㈬より沖縄・桜坂劇場にて先行上映、 8 月 4 日㈮より東京・ユーロライブにて公開 ほか順次

(C)2017 The STAR SAND Team

解説

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ベトナム戦争に反発してアメリカを去ったパルバース監督にとって、「(戦時に)“戦わない”という裏切り」が生涯の主題となっており、本作も、1945 年の戦時中、戦うことを拒否した“卑怯者”の脱走兵である日本兵(満島真之介)と米兵(ブランドン・マクレランド)、そして彼らを見つめる少女(織田梨沙)の物語となっています。
作家・劇作家・演出家であり、海外に宮沢賢治を紹介するのみならず、日本国内においても賢治の作品の伝道者として認められ、第 18 回宮沢賢治賞、第 19 回野間文芸翻訳賞、第 9 回井上靖賞を受賞しているパルバースが日本語で書き上げた小説『星砂物語』は、劇作家・井上ひさしの絶賛を受けて 2012 年に日本の文芸誌で発表されました。自分がかつて助監督を務めた『戦場のメリークリスマス』の、言わば「小さな姉妹篇」として、この物語を自ら映画化したいと思い始めたパルバースは、2015 年夏、旧友・坂本龍一に主題曲の作曲を打診。パルバースの 72 歳にして初監督作品となる『STAR SAND ─星砂物語─』は、2016 年夏、太平洋戦争の激戦地の一つ、沖縄県・伊江島でクランクインしました。
ヒロイン・洋海(ひろみ)役を演じるのは、映画『秘密 THE TOP SECRET』で大友啓史監督に大抜擢されスクリーンデビューを果たした織田梨沙。流暢な英語を操り、時に感情をむき出しにする役どころを、物怖じすることなく演じています。
脱走兵・隆康役には、沖縄出身の満島真之介。彼は真摯に役と向き合い、この両義性ある複雑な人物像に息を吹き込みました。また、もう一方の脱走兵・ボブに扮しているのは、オーストラリアの実力派若手俳優、ブランドン・マクレランド。監督のいわば分身ともいえる、戦いを拒否して軍を抜けた若者を、深い理解をもって演じきりました。
さらに、隆康の兄・一(はじめ)役の三浦貴大は、重傷を負って除隊した皇軍兵士の栄光と狂気、破滅を一身に体現する人間を熱演。そして、現代を生きる女子大生・志保役には吉岡里帆。戦時のことなどに思い至ることもない、今どきの若い女性が、一冊の日記によって変化・成長するさまを瑞々しく演じています。

戦争で娘を失った女性・儀間役には寺島しのぶ。母親としての悲しみと憤りの感情が、激しく哀切に表出されるシーンは、まさに彼女にしか演じられないものとなっています。また、洋海の隣人・吉上を演じた渡辺真起子は、詮索好きに見えてその実、洋海を心配し気にかける優しさを包容力をもって演じてみせました。
現代のパートでは、大学教授・城間を石橋蓮司が演じ、志保の成長のきっかけを与える役どころを、コミカルさも漂わせながら円熟の味わいで見せています。そして、晩年の梅野洋海を演じた緑魔子は、織田梨沙が演じた同人物の少女時代のバトンを受け、封印してきた過去に向き合おうとする女性の強さと弱さを表現しました。

(C)2017 The STAR SAND Team
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ストーリー

:1945 年の沖縄。戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた 16 歳の少女・洋海(ひろみ) は、洞窟で日本軍とアメリカ軍からの脱走兵、隆康とボブに出会う。隆康とボブ、そして彼らの世話を焼 く洋海の間には、不思議な関係が築かれてゆく。 ある日、戦いで脚を負傷し、除隊を余儀なくされた隆康の兄・一(はじめ)が、養生のために洞窟に やって来るが、それは悲劇の幕開けだった── 2016 年、東京。大学生の志保は、卒業論文のために教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時 中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった。志保は日記を読み、そこに封印されていた過去の出来 事にわれ知らず迫ってゆく……。

スタッフ

監督・原作・脚本:ロジャー・パルバース
エグゼクティブプロデューサー:前田紘孝
大川勝
プロデューサー:小西順子
吉岡裕美

キャスト

織田梨沙
満島真之介
ブランドン・マクレランド
三浦貴大
吉岡里帆
寺島しのぶ
渡辺真起子
石橋蓮司
緑魔子
ダンカン・ハミルトン
近谷浩二
沼田康弘

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http://youtu.be/Js5Na3IloTc
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