原題:LIES

そこまで愛せるか?恋愛スキャンダル・ムービー、疾走!!

2000年東京国際ファンタスティック映画祭出品 2001年ベネチア国際映画祭コンペ正式出品

1999年/112分/韓国語/ 配給:K2エンタテインメント

2001年11月2日DVD発売/2001年11月2日ビデオ発売&レンタル開始 2001年4月28日よりシアター・イメージフォーラムにて公開

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公開初日 2001/04/28

公開終了日 2001/07/06

配給会社名 0070

公開日メモ 原作は発売1週間で出版差し止め、監督とプロデューサーが逮捕、バチカン公国「良くない映画」認定、ベルリン・釜山・トロント・バンクーバー…世界各国の映画祭が驚き、韓国で公開されるや、2日間で『シュリ」の動員を超えてしまった(23万人動員)韓国発超過激SMムービー

解説


そこまで愛せるか? 恋愛スキャンダル・ムービー、疾走!!
処女を捨てる相手は自分で決めたかった卒業間近の女子高生Yと20歳年上の既婚の芸術家J。テレフォンセックスから始まったふたりの「純愛」は、会った瞬間から激しく求め合う。だが、Jには秘密があった。彼はセックスの時、女性を無意識で叩いてしまう“S”の性癖があるのだ。
だが関係はいつしか逆転し、Jは責められることにマゾ的な喜びを感じ始め、Yは責めることでJの愛に応えていく・・・。
しかしその先にあるふたりの愛の行方は?
日常性から逸脱していくふたりの姿を、ちりばめられた“嘘”と乾いた空気とともに描き出す。
針金、モップ、つるはしの柄、そして刺青・・・
棒一本であなたの愛はもっと熱くなる!?
この映画テーマはズバリ“欲望”。誰の心にも潜む、愛という名のもとに行われる欲望なのだ。スキャンダラスなストーリーのなか、あらゆる責め具をもって愛する者をなぶりつけ、衝撃的に描かれる愛はエロチックであり、可笑しくもあり、悲しくもある。これほどリアルでナマナマしい愛の映画が今まであっただろうか!

“これは良ろしくない映画”とローマ教皇も非難!
 ベネチア、そして世界を騒然とさせた問題作──
海外マスコミは「芸術か?ポルノか?」と賛否の記事を掲載し、『LIES/嘘』旋風でベネチアは騒然。性表現の過激さ、サドマゾヒズムを彷彿させる主人公の関係にバチカン、ローマ教皇から「よくない映画」と非難をうけた。
そして韓国では2度の上映不可判定の末、2000年1月に韓国で公開された。初日、2日目の動員で『シュリ』を抜く成績で第一位に初登場、18歳未満鑑賞不可という制限にも関わらず韓国で100万人の動員を記録した。公開後も製作会社、監督が猥褻物を頒布したとして市民団体から訴えられ、新聞朝刊の一面トップに報道されるなど、表現の自由をめぐって社会全体を巻き込み公開の是非が論議された。
ちなみに原作となった小説「私に嘘をついてごらん(原題)」(チャン・ジョンイル著)も1996年に発売されるや、露骨な性表現によりまたたく間に店頭から撤収され、著者は2000年10月に最高裁において猥褻文書製造罪で有罪判決を受けている。

鬼才、チャン・ソヌ監督“予想外に政治的な映画になってしまった”
チャン・ソヌはこれまでセックス、政治、イデオロギーをめぐる社会的タブーをテーマに据え、それに狂信的にはまり没落していく人間を描いてきた。ル・モンド紙では『LIES/嘘』フランス公開に際しチャン・ソヌを「政治的、美的な数々の制約に挑む、果敢な映画作家である」(2000年7月5日付)と称賛している。
尚、日本での公開は海外映画祭で上映されたオリジナルバージョンであり、韓国での上映はこれより8分カットされている。

ストーリー

Y(キム・テヨン)は地方の高校に通う3年生、18歳。彼女はまだ会ったこともない男に全てを捧げるため列車に乗った。
J(イ・サンヒョン)、38歳。既婚。以前は売れっ子の彫刻家であった。が、今は何もせずにぶらぶらしている。
YとJは電話で知り合った。Yが同級生ウリの代わりに電話をかけたことがきっかけだった。
YはJの優しい声に惹かれ、ふたりはごく自然にテレフォンセックスを楽しむようになった。そして卒業を控えYはJに会う決心をし、彼のもとへ向かった。
「処女を捨てる相手は自分で決めたかった」(Y語録その1)
駅前広場で待つJにYが近づく。言葉を交わし、ふたりは連れ込み旅館へ向かった。恥ずかしさも一瞬、以前からの知り合いのようにふたりの関係は自然なものになり、愛はより強烈になる。
 「ふたりの姉は強姦されて処女を失った。自分は強姦される前に自分が選んだ男に処女を捧げたかった。20歳になる前に・・・。」と無邪気に笑うYであった。
「私は大丈夫、好きなようにして」(Y語録その2)
ふたりは熱い口づけを交わし、互いの身体を弄って激しく求め合う。そのうちJはYの尻をビシッと叩きはじめる。Jはいつもそうなのだ。無意識のうちにお尻を叩いていたのが、後には度の過ぎた暴力に変わる。Yは愛するJのためならそれくらいは耐えられる。「好きなようにしていいわ」と言いのけた。
ちょっとした豪華なリゾートホテルの一室。ジュラルミンケースには針金やホースなど様々な責め具が。どれにしようか嬉しそうに選ぶJ。JがYを打つ時、それはYにとってもJの愛に応えることを実感できる至福の時でもあった。世間から見れば常軌を逸し加速していくふたりの愛。
そんなある日、パリに住む妻Gがビエンターレに出品するため、Jはパリへ向かった。
「私が許す前に抜いたら殺すわよ」(Y語録その3)
3ヵ月後—。
帰国したその足で空港から彼女の通う大学に直行したJは女子高生になったYと再会し、見違えるほど成熟した彼女に息を呑んだ。しかしその日、Yはベットの上で初めて涙を見せた。「あなたはパリで奥さんと寝ていたんでしょ」。それはYが初めて見せた嫉妬であった。Yにすまない気持ちで一杯のJは、自分を棒で叩くように勧める。最初は躊躇するYであったが、段々と叩くことが快感に変わっていき、Jにとってもその痛みは懐かしさとなんとも言えない快感を伴っていく。彼女は行為の最中、女王のようにJに言い放つ。「私が許す前に抜いたら殺すわよ」。だが行為の後は一転し、YはJを母親のように可愛がる。Yに対するJの執着は強くなる一方で、Yはより大胆になり、自由を得ていく。そんな折、ふたりはYの兄と偶然出くわしてしまう。
それからしばらく後、Jは火事で家を焼失する。犯人はYの兄のようであった。住む家を無くしホテルを転々とするJの元に、久しぶりにYから連絡が。Yも兄と喧嘩して、家出してきたのだ。行き場もなく寄り添い歩くふたり。JはYの少年のように短くした髪を優しくなでた。当てのない旅路をさまよい、愛の果てはふたりにもわからなくなっていた—。

スタッフ

企画・製作総指揮:パク・コンソプ、キム・ムリョン
共同製作:キム・ヒョンジュン
製作:シン・チョル
監督・脚本:チャン・ソヌ
原作:チャン・ジョンイル「LIES/嘘」(講談社刊)
撮影:キム・ウヒョン
録音:イ・ヨンギル
助監督:イム・ジンミ
編集:パク・コッチ
美術:キム・ミョンギョン
デジタルビデオ:キム・ヨンギュン
音楽:タルパラン
ミキシング:キム・ソグォン(BLUE CAP)

キャスト

J:イ・サンヒョン
Y :キム・テヨン
ウリ:チョン・ヘジン
Yの兄:ハン・クァンテク

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