原題:The art of war

極秘任務を帯びた影のエキスパート 闘いを極めた彼が見たものーそれは。

2000年8月23日全米初公開

2000年/アメリカ映画/カラー/SRD/スコープサイズ/1時間58分/翻訳=栗原とみ子 提供:日本ヘラルド映画、ポニーキャニオン 配給:日本ヘラルド映画

2001年1月13日よりニュー東宝シネマにて待望のロードショー 2001年5月16日DVD発売/2001年5月16日ビデオ発売

公開初日 2001/01/13

公開終了日 2001/02/09

配給会社名 0058

公開日メモ 謎のテロリストが自国の利益のために動いたとき、世界の平和の均衡がはぶられようとしていた。国連に属し世界平和のために働く国際保安エスキパートチームの活躍を描く。

解説


古人いわく『本当の敵を見誤ることなかれ』…国家中枢を司る者たちが操る陰謀は”芸術の領域”!そして、その迷宮を打ち砕く男の行動は”プロの美学(アート)”!
いよいよ21世紀を迎え、社会は一層複雑化し、ますます”悪の顔”が見えにくくなる時代となった。一見、無垢な少年少女が、人品卑しからぬ紳士淑女が、公的な要職に就く者が、裏ではおぞましい悪の顔を見せている。
思えば20世紀の悪役たちは、007シリーズのプロフェルドのごとく、まだ明確な”悪の顔”を持っていたが、すでにそんな時代は終わった。今やヒーローたちは、本当の敵は誰なのか?決して見誤らないことを余儀なくされる。見た目に惑わされるおとなく、罠におちることなく、不撓不屈の行動力、鍛えぬかれた肉体、鋭敏な頭脳を駆使して立ち向かうのが、プロの仕事。悪の謀略に立ち向かうのは正義の戦略、プロの美学(アート)!
それを体現するのが、国連直轄の国際保安エキスパートチームのチーム・リーダー、ニール・ショー!彼こそが21世紀モデルのヒーローの新しいスタンダードだ!
監督は「スキャナーズ2」「同・3」「アサイメント」「スクリーマーズ」などで、巧みな語り口とステディカムを生かしたカメラワークで定評のあるカナダ出身の才人クリスチャン・デュゲイ。製作は「ピースキーパー」「氷の接吻」などのニコラス・クラーモント、製作総指揮は「フリー・マネー」などのエリー・サマハ、撮影はテレビ界の新鋭ピエール・ギル、音楽は「アサイメント」「スクリーマーズ」でもデュゲイ監督と組んだノーマンド・コーベイル、ストーリー・脚本は「ホワイトハウスの陰謀」などのウェイン・ビーチが新進気鋭のサイモン・デイビス・バリーと共同で書き上げた。彼らの仕事はまさに”プロの美学”と呼ぶにふさわしい!

ストーリー



 2000年12月31日、香港。きらびやかなカクテル光線と着飾った紳士淑女で埋まった新世紀祝賀会場。新世紀を共に迎えようとする人々の嬌声がこだまする。いかにもクセ者という感じの実業界の大立者チャン(ケリー・ヒロユキ・タガワ)は『新世紀は中国の時代ですよ』と誇らしげに語っていた。その新世紀へのカウントダウンが始まるころ、会場の超高層ビルの屋上にスックと立つ男の影。ビル近くに停車中の最新通信機器を搭載したワゴン車の中の同僚ブライ(マイケル・ビーン)らと交信しながら、男はビル壁面をアクロバットのように伝って、極上のタキシードと蝶タイ姿で颯爽と会場に潜入した。そのしなやかな動きはまるで黒豹。  メガネ型スコープで写し撮った中国側の要人のハレンチ行為をネタに韓国との交渉のテーブルに就くように要請する。そんな彼を相手方のボディーガードが次々と襲い来る。会場中央の花道で展開するファイト。客たちはアトラクションと勘違いしてヤンヤの喝采を送る。男は、得意のマーシャルアーツで軽やかに応戦し、次々となぎ倒す。そして、会場の窓からパラシュートで新世紀の幕開けの夜空に鮮やかなダイブ。待機していたワゴン車が男を回収して鮮やかに逃走した。

 男の名はニール・ショー(ウェズリー・スナイプス)。 国連に属し世界平和のために働いている国際保安エキスパートチームのリーダーであり、国連事務総長ダグラス・トーマス(ドナルド・サザーランド)の管轄下にいる敏腕エージェントだ。欺瞞と策略の渦巻く世界で、常に死と隣り合わせの危険なミッションに従事する。やがて、国連そのものの尊厳をかけた“事件”が起ころうとしていた。そして、ニール・ショーはそれを唯一解決しうる“最終兵器”でもあった。
 6か月後、国連は中国も参加するサミット会議の準備に追われていた。そのころ、NY沖に漂流する1隻の大型船が発見され、そのコンテナの中から大勢のベトナム難民の死体が発見された。この船が国連のものだったことから、トーマス事務総長は窮地に追い込まれた。事件の背景には中国の国連大使ウー(ジェームズ・ホン)が存在するとにらんだショーの直属の女性上司エレノア・フックス(アン・アーチャー)は、ショーを大使が参加するバンケット会場に送り込むが、時すでに遅く大使は同時通訳室の窓から何者かに狙撃され、眉間を撃ち抜かれて暗殺されてしまうのだった。脱兎のごとく現場から逃亡する暗殺者を追うショー。雨中の追撃が壮絶な銃撃戦とともに始まり、ビルを飛び移り、ビルの谷間を駆け抜け、階段を駆け降りる。暗殺者と追跡者。やがて犯人は工場に潜入するが、惜しくもそこで取り逃がしてしまう。さらに悪いことに、通信無線に暗殺者の魔手に襲われたのであろう、同僚のブライの断末魔の声が入っていた。そして、ショーは暗殺者と間違われて警官隊に取り囲まれ逮捕されてしまう。万事休すなのか。

 そんなショーの窮地を救ったのは、暗殺者を目撃した唯一の人物で国連の同時通訳者ジュリア(マリエ・マチコ)だった。厭がるジュリアを手錠でつないででも身の安全を守ろうとするショー。その時からジュリアは、ショーとともに巨大な敵と戦う宿命を負うことになった。同僚の同時通訳者女性が暗殺者の手にかかったことも彼女の怒りを増幅させた。悪徳警官によって罠にはまった彼らに、次々と襲いかかるチャイナ系ヒットマン。その魔手は、ショーの仲間で事件のカギを握る重要フロッピーを扱っていたノバック(リリアナ・コモロウスカ)にも及び、彼女のロフトでなぶり殺しにした。勝ち誇るヒットマンに、彼女の部屋の異変に気が付き駆けつけたショーは怒りの鉄槌を食らわせ、凄惨な現場の中、真の巨悪を見据えるのだった。

 逃亡を続けるショーとジュリアは地下水の浮くトンネル内で夜を明かし、反撃の秘策を練る。だが、回りはすべて敵に見えた。真相への糸口を見つけるためショーは身の危険も顧みず、下町のダイナー、チャイナタウンのいかがわしいヌードクラブ、地下の縫製工場などに出没した。その活躍に、これまで行く手を阻んでいたNYPD警部のカペラ(モーリー・チャイキン)も、共通の敵を追っていることを悟る。やがて、ショーは大使暗殺事件の際の記録映像から、側近のチャンが事前に狙撃を知っていたことを割り出す。チャンの滞在する屋敷に潜入したショーは激しく詰問し、大使狙撃の際のチャンの傷もニセモノだったことが判明した。真相が分かりかけたその瞬間、チャンは何者かに狙撃され絶命する。それは大使を暗殺したあのスナイパーの凶弾だった。逃げるスナイパーを必死になって追撃するショー。だが、なかなか追いつめられない。入り組んだ建物の内外を駆け抜ける暗殺者の影に、前回の痛恨の記憶が蘇る。

 陰謀の迷宮の中でほくそ笑む本当の巨大な敵の姿はいつ見えるのか!

スタッフ

音楽監督:デビッド・フランコ
音楽:ノーマンド・コーベイル
編集:マイケル・アーカンド
プロダクション・デザイナー:アン・プリチャード
撮影監督:ピエール・ギル
製作:リチャード・ラロンデ
製作総指揮:エリー・サマハ、ダン・ハルステッド、ウェズリー・スナイプス
ストーリー:ウェイン・ビーチ
脚本:ウェイン・ビーチ、サイモン・デイビス・バリー
製作:ニコラス・クラーモント
監督クリスチャン・デュゲイ

キャスト

ウェズリー・スナイプス
アン・アーチャー
モーリー・チャイキン
マリエ・マチコ
ケリー・ヒロユキ・タガワ
マイケル・ビーン
ドナルド・サザーランド

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