<サド・マゾ> 匂い立つ官能、新世紀エクスタシー

2000年/35mm/91分/スタンダード 製作・配給:日活株式会社

2003年04月25日よりDVD発売開始 2001年1月27日よりユーロスペースにてロードショー!

公開初日 2001/01/27

公開終了日 2001/03/09

配給会社名 0006

公開日メモ 中田秀夫監督、ドキュメンタリー

解説




「サディスティック&マゾヒスティック」—小沼と中田のSMな関係そして中田が本当に撮りたかった映画

「リング」「カオス」で今や、日本映画を背負って立つ映画監督となった中田秀夫が、師匠である小沼勝と自らの出自でもある日活ロマンポルノに熱烈なオマージュを捧げる「サディスティック&マゾヒスティック」。日活ロマンポルノに憧れて映画界入りした中田の果たせなかった夢が、ついに構想7年にして小沼とロマンポルノを巡るドキュメンタリーとして実現した。女優や中田をはじめとするスタッフと、小沼のサドマゾな人間関係には、映画をつくるという一つの到達点にむかって、いわば精神的SMで葛藤し昂揚しあう彼らの熱い魂が発光する。なぜ人は映画を撮るのか?—
それは現在における映画監督としての中田白身の意識を確認するための作業でもあった。

『リング』『ガラスの脳』『カオス』など、話題作を次々に撮っている中田秀夫監督。
その中田が、師匠でありロマンポルノの鬼才である小沼勝監督の実像に迫る。新人時代に小沼監督の『箱の中の女 処女いけにえ』の現場で強烈な映画界の洗礼を受けた中田が、小沼勝の関係者にインタビューを重ね、小沼監督十数年ぶりの映画作品『NAGISA』の現場まで追いかけていく。

1971年、映画産業が斜陽の一途をたどり、各大手映画会社が製作縮小・中断を余儀なくされる中、日活は”ロマンポルノ”路線で製作を再開することを発表。大手映画会社がメンツを捨てポルノ製作に手を染めたことに対して世論で非難が高まる一方、撮影所では「映画が撮れる!」とスタッフたちが湧いた。性表現にたいする国家権力の圧力、世間の白い眼に負けずに、性そして人間に真正面からぶつかりあってエネルギッシュな作品が生まれていった、
『サディスティック&マゾヒスティック』はプログラムピクチュァの監督としてロマンポルノに身を捧げながら、強烈な作品群を形成する小沼勝監督の創造の秘密に迫るドキュメンタリーであり、中田監督が自らの出自であり、多くの人の”青春時代”であるロマンポルノヘの狂おしいまでのオマージュでもある。

ストーリー



1985年夏——新宿。暗幕を張って人目を避け、濡れ場のシーンを汗水たらして撮影している一団がいた。映画の題は「箱の中の女 処女いけにえ」、監督は小沼勝。その現場で製作を兼ねつつ激務に耐えていた助監督が、中田秀夫だ。その中田が第一線の監督となった今、小沼本人と関係者にインタビューを重ねて積年の疑問をぶつける。

中田:ぼく自身も感じるんですよ、現場では少し人格が変わるというかサディスティックになるっていうか

小沼:どっちかっていうと僕も精神的にはマゾのほうがあると思います

ロマンポルノという映画史上類を見ないプログラムビクチュアを小沼とともに歩んだ当時の女優、助監督、プロデューサー、監督夫人などにインタビューするにつれ、様々な小沼像が浮かび上がる。

「殺してやるって思ったのが3回ある」「まめな結城にずぼらな小原、まじめな田中に不敵な小沼」「吸血鬼みたいな人ですね」「あの人の目って、どこから来るんだろう」「小沼監督の目を見てると、青いんですよね」青…?「なんかね、亀? 殻があるっていうか、鎧を着ているっていうか」

そこに浮かび上がるのはロマンポルノという”青春時代”を過ごした人々の自負と、映画に全てを賭け、映画のためなら鬼にもなる小沼の変貌ぶりだった…。そして1999年夏——。中田は十数年ぶりに小沼の現場にいる。ロマンポルノしか撮らなかった小沼が、少女を主人公にした映画『NAGISA』に取り組んでいる。
自ら演じてみせ、少女に演技指導する小沼。あの”青い目”は今でも光っているのだろうか…。

スタッフ

製作:中村雅哉
プロデューサー:明石知幸
アシスタントプロデューサー:盛 夏子
助監督:安達正軌
撮影:井上恵一郎
録音:小松将人
編集:高橋幸一
音楽:川井憲次
監督:中出秀夫
デザイン:若林伸重
印刷:桐原コム
作成協力:春田寿延

キャスト

小沼勝
木築沙絵子
半沢 浩
森 勝
小原宏裕
片桐夕子
結城良煕
橋本文雄
井上 治
菊川芳江
荒井晴彦
谷ナオミ
坂本長利
黒沢直輔
風祭ゆき
小川亜佐美
村上修
芳田秀明
(登場順)

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