原題:LOVE’S LABOUR’S LOST

恋は人を馬鹿にする

2000年ベルリン国際映画祭・特別招待作品 2000年東京国際映画祭・特別招待作品

2000年3月22日ベルギー初公開

1999年イギリス=アメリカ/カラー/1時間33分/スコープサイズ/ドルビーデジタル/ 配給:アスミックエース

2001年11月23日DVD発売/2001年12月7日ビデオ発売&レンタル開始 2000年12月16日よりシネスイッチ銀座より20世紀最後のクリスマス12月《お正月》ハッピー・ロードショー

公開初日 2000/12/16

公開終了日 2001/01/26

配給会社名 0007

公開日メモ 96年『ロミオ&ジュリエット』、98年『恋に落ちたシェイクスピア』、そして…。恋はいつだつて突然降り注ぐ!今世紀最後のラヴ・パワー・ムーヴィー!!

解説


 96年『ロミオ&ジュリエット』、98年『恋に落ちたシェイクスピア』、そして…。恋はいつだつて突然降り注ぐ!今世紀最後のラヴ・パワー・ムーヴィー!!
 2000年ベルリン国際映画祭で、ひときわ華やかな話題をかっさらった『恋の骨折り損』。それもそのはず監督・脚色・主演をつとめたケネス・ブラナーはもちろんアリシア・シルヴァーストンやアレッサンドロ・ニヴォラら豪華キャストが恋の熱に浮かされた恋人たちを演じ、突然スクリーンいっぱいに歌い踊りはじめたからだ!観客は手放しで喜び、熱烈な賛辞を送った。『から騒ぎ』そして4時間にもおよぶ超大作『ハムレット』と真っ向からシェイクスピアに情熱を傾けているケネス・ブラナーが世紀末に挑んだ最新作は、なんと男女8人の恋愛混戦模様を描いた作品だ。恋の前では誰もが無力。うまくいかない恋路を嘆いても、のぼせ上がった自分を嘲笑しても、恋の魔力からは逃れられない。恋のあるところ、思い込み、すれ違い、勘違い、いき違いは当然。たとえ“骨折り損”となっても、恋をせずにはいられない。
 作中で流れる名曲の数々は、特訓の末、出演者本人たち全員が歌って踊った。無謀な誓いをたてる若きプリンスには『フェイス/オフ』でニコラス・ケイジの弟役を演じ一躍注目株となったアレッサンドロ・ニヴォラ。待機作に2001年夏公開の『ジュラシック・パーク3』もある目下引っ張りだこの人気若手俳優だ。そのお付きには、ジョン・ウォーターズ監督作『シリアル・ママ』の息子役で本格映画デビューを果たし、96年に大ヒットとなったウエス・クレイヴン監督の青春ホラー『スクリーム』のスチュアート役で人気スターとなったマシュー・リラード。『パーフェクト・カップル』で映画デビュー、シカゴ映画批評家協会賞・助演男優賞候補になったエイドリアン・レスターも恋に落ちた男の切ない心情をコミカルにロマンティックに演じている。もちろん監督・脚本を兼ねたケネス・ブラナーも、そのパワーを歌に踊りに全開だ。男たちを惑わせる魅惑のプリンセス役には『クルーレス』でその魅力を全世界にアピール、バットガール役で出演した『バットマン&ロビンMr.フリーズの逆襲!!』など、新作に出演する度に新しい魅力をふりまくアリシア・シルヴァーストン。自身で設立した製作会社ファースト・キスで『エクセス・バゲッジ』の製作もしている。お付きの華やかな美女たちとして、『デビル』、『トゥルーマン・ショー』、『RONIN』と話題作に立て続けに出演し、ジム・キャリーやデ・二一口の相手役に抜擢されたナターシャ・マケルホーン。そのほか『スクリーム3』『キッド』での熱演が記憶に新しいエミリー・モーティマーがスクリーンをよりゴージャスに見せる。そして何と言っても『ショウほど素敵な商売はない』で本場ブロードウェイの熱気を伝えてくれるネイサン・レイン。ブロードウェイで数々の賞を受賞している実力で、映画のクライマックスを華やかに盛り上げる。
 完全なるシェイクスピアの世界を作り上げるためにケネスの元に集まったのは各界の大御所たち。“フォーカスの引き”で名を馳せた『アラビアのロレンス』の伝説的なカメラマンで、97年にケネス・ブラナー監督の『ハムレット』でその映像撮影技術に対する賞を受賞したアレックス・トムスン。ケネスの長編7本のすべてに参加しているプロダクション・デザイナー、ティム・ハーヴィ。音楽は『ハムレット』を担当、ゴールデン・グローブ、アカデミーの各賞に多数ノミネートされたパトリック・ドイル。その他『いっか晴れた日に』、『フェイク』、『インドシナ』も手がけた名手だ。また振付けはチチェスター・フェスティバル・シアター、ナショナル・シアター、アルメイダ・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどで、振付け師として舞台で幅広く活躍してきているスチュアート・ホップス。製作には『フランケンシュタイン(93)』以来ブラナーのよきパートナー、デイヴィッド・バロン。篤い信頼を受けたパートナーたちが、ケネスの本作への熱意を見事に映像化している。

ストーリー


 ナヴァールの若き国王は、彼の親友3人を誘い三年間学業に専念する公約を立てることに。理想に燃える王の姿に、親友ロンガヴィルとデュメーンの2人は喜んで誓約書に署名をするが、残るビローンはなんだかモジモジ。それもそのはず、その誓いの中身は①週に一度断食をすること、②一晩に3時間しか眠らないこと、さらに③女性と会わないこと、という独身男性諸君にとってはあまりにも手厳しい内容だった。しかし、真剣そのものの国王にビローンも覚悟を決めて固く誓いを交わす。わずかでも規則を破った者は永遠の恥辱に堪え忍ぶのだ。
 ところが、折りも折りフランスの王女がお付きの美女を伴い、アキテーヌの譲渡の件を話しに父王の代理でナヴァール国王を訪ねてくる。親密になりたい想いをグッとこらえ、心を鬼にした国王は王女らに野外での宿泊をお願いする。女人禁制の事情を知る王女は“誓い”を馬鹿にして、「そんな誓いは守るのも罪、破るのも罪」と、国王をからかう。王女にすっかり魅了されてしまった少年のような国王だが、一方の親友たちも、あっという間に恋に落ちてしまう。ロマンティックなデュメーンは純情なキャサリンに、情熱的なロンガヴィルは天真彌漫なマライアに、お調子者のビローンは大人の魅力漂うロザラインにすっかりひと目惚れ。恋の魔法にかかった4人、規則違反の罰を受ける日は近い1?
「彼女に会って、その白い手に秘密の手紙を渡してくれ」そもそも恋心を封じ込めるなど無理な相談、発令後も宮廷内には恋する欲求を抑えきれない“愚か者”たちが続出!軍人アーマードは、純情な田舎娘ジャケネッタにすっかり心奪われ、熱烈な恋文を書く。一方ビローンもさっそくロザラインに宛てた詩をしたためていた。奇遇にも2人に愛の密使を頼まれた道化のコスタードは、重大な2通の恋文を携えてまずは王女たちのもとへ。「ビローン様からロザライン様へ」と言って、ドジなコスタードはアーマードの手紙を渡してしまった!当然、ジャケネッタの手元にはビローンからの恋文が届けられた。字が読めない彼女は、家庭教師ホロファニアとナサニエル神父という、よりによっておカタイ2人に助けを求めてしまう。一読した2人はこれを深刻な謀反の証拠品、すぐに国王の元に届けなさい、と急かす。その頃、国王の部屋では、国王と親友3人が勢ぞろい。自分以外の3人が、それぞれ愛の詩を語い上げる様子を物陰からこっそり見ていたのはビローン。彼は勝ち誇って親友たちの不実を声高らかに責めはじめた。しかし、その真っ最中、ビローンの書いた恋文を手にしたジャケネッタが飛び込んできた!結局、みんな同じ穴のムジナであることが発覚。しかしそこは知力の男ビローン。「女の目こそ、教科書であり学園だ!」と皆をなんとなく納得させ、誓いを破りカを合わせることで一致団結。美女たちをモノにすべく、ラヴ・パワー作戦開始!

スタッフ

監督・脚色:ケネス・ブラナー
原戯曲:ウィリアム・シェイクスピア
撮影:アレックス・トムソン
プロダクションデザイン・ティム・ハーヴィ
音楽:パトリック・ドイル
編集:ニール・ファレル
衣裳:アナ・ブルマ
製作総指揮:ガイ・イースト、ナイジェル・シンクレア
製作:ディヴィッド・バロン、ケネス・ブラナー

キャスト

王:アレッサンドロ・ニヴォラ
ロンガヴィル:マシュー・リラード
デュメーン:エイドリアン・レスター
ビローン:ケネス・ブラナー
王女:アリシア・シルヴァーストン
ロザライン:ナターシャ・マケルホーン
マライア:カルメン・イジョゴ
キャサリン:エミリー・モーティマー
ボイエ:リチャード・クリフォード

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