シチリア!ひどすぎる、世界を侮辱するなんて
原題:Sicilia!
1999年9月15日フランス公開
1999年フランス・イギリス・オランダ合作/76分/モノクロ/ 配給:アテネフランセ文化センター
2009年01月31日よりDVDリリース 2000年12月9日よりアテネフランセ文化センターにて上映
ビデオ時に変わった場合の題名 シチリア!
公開初日 2000/12/09
公開終了日 2000/12/15
配給会社名 0120
公開日メモ 原作はシチリア出身の作家エリオ・ヴィットリーニの小説「シチリアでの会話」(邦訳題「シシリー島の憂鬱」)である。ただし、原作の一部を抽出し圧縮しているので、映画では原作の物語全体の設定は読み取りにくい。間接話法で書かれた一部の台詞(大男のロンバルド人の「人間の新たな義務」に関する発言)を直接話法に書き替えたほかは、ヴィットリーニの美しい原文をほぼそのまま再構成している。
解説
ストローブ=ユイレにはすでにシチリアで撮られた三本の映画(『エンペドクレスの死』『黒い罪』『アンティゴネー』)があるが、いずれも破格のドイツ語を用いたカラー映画で、時代設定は紀元前5世紀で、非日常的な様式性が強調される。『シチリア!』はイタリア語の日常会話を用いたモノクロ映画で、時代設定は二十世紀で、世俗的な状況が強調され、しかもコミカルな演技が見られるという点が先行する三本とは違う。どちらかというと、パヴェーゼの『月とかがり火』に基づく『雲から抵抗へ』第二部に近い作風である。
原作はシチリア出身の作家エリオ・ヴィットリーニの小説「シチリアでの会話」(邦訳題「シシリー島の憂鬱」)である。ただし、原作の一部を抽出し圧縮しているので、映画では原作の物語全体の設定は読み取りにくい。間接話法で書かれた一部の台詞(大男のロンバルド人の「人間の新たな義務」に関する発言)を直接話法に書き替えたほかは、ヴィットリーニの美しい原文をほぼそのまま再構成している。時代設定は1930年代後半だが、映画では撮られた時代の車が走るのが見える。ストローブ=ユイレの他のどの映画にもまして、ここでは大胆な顔の大写しやミディアム・ショットの正確無比で力強い切り返しが多用される。
「土地の精霊」以上に、人間の存在感に焦点を当てたこの室内劇的な映画は、ストローブ=ユイレの集大成であるばかりか、反時代的な恐るべき傑作である。[
ストーリー
スタッフ
原作:エリオ・ヴィットリーニ「シチリアでの会話」(1937-38)
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキ
照明:ジム・ハウ
録音:ジャン=ピエール・デュレ
整音:ルイ・オシェ
共同製作:ピエール・グリズ・プロデュクション/フランス国立映画センター
アリア・フィルム/イスティトゥート・ルーチェ
キャスト
ジャンニ・ブスカリーノ(シルヴェストロ)
ヴィトーリオ・ヴィニェリ(研ぎ師)
アンジェラ・ヌガラ(コンチェツィオーネ)
カルメロ・マッディオ(オレンジ売り)
ジョヴァンニ・インテルランディ(大男のロンバルド人)
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http://www.luce.it/film/sicilia/index.htm
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