ザ・セル
原題:THE CELL
脳・内・捜・査! 新たなるサイコ・ホラーの歴史が刻まれる・・・
2000年8月18日全米公開
2000年/アメリカ映画/カラー/DTS、ドルビーデジタル、SDDS/上映時間:1時間49分/ R-15/ギャガ・ヒュ—マックス共同配給/サントラCD:ランプリング・レコーズ/ ノベライズ:徳間書店刊/字幕翻訳:林完治
2007年07月06日よりDVDリリース 2001年7月25日DVD発売/2001年7月25日ビデオ発売&レンタル開始 20001年3月24日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー
公開初日 2001/03/24
公開終了日 2001/04/27
配給会社名 0025/0145
公開日メモ ”精神地図作成機”という特殊な装置をつかってFBIが追っていく新感覚のサスペンス。
解説
21世紀の初頭にして21世紀を代表するシネマルネッサンスともいえる作品が登場!
セル、それは殺人ショーケース、そして誰もが抱える”心の闇”
全米で8月20日に公開されるや否や初登場1位。その後も全米の心を捉えて離さなかった究極の映画が本作『ザ・セル』である。しかしその成績と全米の評価は必ずしも比例していない。絶賛する人々は何度も劇場に足を運び賞賛を惜しみなく贈っているのに対し、この映画を受け入れられない人々は映画上映中に席を立つ、という両極端な評価を得ているのである。
トマス・ハリス作の「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」三部作に代表されるようないわゆるサイコ殺人鬼を主人公としたドラマは、80年代から全世界で読まれ続け、また映像化されてもいる。犯人の心の闇が深ければ深いほど、その闇の正体への恐怖と興味に人々は惹かれるのである。
『ザ・セル』はそんな闇に焦点を当てたタイムリーな映画だ。現代人が誰しも抱えている”心の闇”を今まで誰も観た事がない大胆な発想と映像で表現しているのである。しかも、TVCMやミュージック・クリップ・ビデオの世界で高い評価を得てきた”ヴィジュアル・モンスター”ターセムが初監督し、その”モンスター”、ぶりを遺憾なく発揮している。冒頭の美しい映像で従来の連続殺人犯映画を期待している観客を見事に裏切ってみせるところから始まり、そして、内容的にも、異常殺人犯と捜査官の闘いというこれまでのパターンから一歩進め、殺人犯の脳へ入っていくという新たな冒険に挑んでいるのである。そして脳の中の精神世界を、『マトリックス』に勝るとも劣らない誰も観た事のない斬新な映像で表現してみせたのである。
ターセム、そして脚本家のマーク・プロトセヴィッチと組んで、このバーチャルな脳内世界を映像表現して見せたスタッフは、『ドラキュラ』でオスカーに輝いた日本人アーティスト石岡瑛子(衣裳)、ミシェル・バーク(メイクアップ)、そして特殊効果の専門家クレイ・ピニーの三人のアカデミー賞受賞者と豪華な顔ぶれである。ポスト・プロダクションに10ヶ月かかったという映像は、コンピュータ・グラフィックスで表現される冷たい映像ではなく、セットやコスチュームによる表現、ロケによる自然の風景、そしてそれに特殊視覚効果と幾層にも重ねられており、サイエンス・フィクションやホラーといったジャンルを飛び越え、新しい映像文化を作り出している。まさに中世の人々が後の世で”ルネッサンス”と呼ばれる文化の変革を体験した時と同じ衝撃を観客にもたらしている。
主演のキャサリンには『アウト・オブ・サイト』で全世界にその魅力をアピールしたジェニファー・ロペス。最近ではアメリカの雑誌で世界で一番セクシーな女優に選ばれ、また音楽方面でもすさまじい才能を発揮している。初主演作にもかかわらず心理学者キャサリンとして相手の精神を探る卓越した表現力、そして戦う女として脳精神世界に入りこんだときのアクションを誰にも真似できない存在感で演じきっている。また映画史上に残るサイコ殺人鬼スターガーを演じるのはヴィンセント・ドノフリオ。顔の表情、目の動き、そして脳の世界での”スターガー・キンク”の圧倒的威圧感、どれを取っても圧巻の一言である。
21世紀の一年目にして21世紀を代表し、そして映画史にルネッサンスをもたらした映画として永遠に人々の記憶に残ることになるだろう。
ストーリー
セル(殺人ショーケース)に閉じ込められた女性。
彼女を救う鍵はサイコ殺人鬼の脳(精神世界)にあった。
若き心理学者、キャサリン・ディーン(ジェニファー・ロペス)は、最先端の技術を使って分裂症の少年の精神世界に入り込んでいた。夢の砂漠の中で、少年の心を開こうとキャサリンは試みるが、穏やかな夢はやがて悪夢に変わり少年は恐怖に心を閉ざしてしまう。
この技術は、特定の感情や行動が脳のどこで行われているのかを磁気共鳴装置によって測定する脳のマッピング(地図製作)技術と神経のシナプシス転移システムを組合わせたもので、向精神剤を注射した専門家が、
患者の脳(潜在意識)に入っていき、それを治療に役立てようとするものだ。シカゴ郊外にあるキャンベル研究所で、ミリアム・ケント博士以下のプロジェクト・チームの面々は、この技術に対する批判を承知しながら、少年の治療の成功がこの技術の有効性を証明することになるようにと実験を続けている。しかし、キャサリンはこの実験で肉体的にも精神的にも疲れ果て、自分自身、夜毎悪夢を見るようになっていた。
一方、FBI捜査官ピーター・ノバック(ヴィンス・ヴォーン)は、連続する若い女性殺人事件の犠牲者が再び出たという連絡に、現場に駆けつける。死因は水死しかも遺体は前回同様真っ白く漂白されていた。彼らのチームは、異常殺人犯の犯行ペースが次第に速くなってきていることにも気付いていた。そして新たに、若い女性が誘拐
されたという連絡が入る。
幸いにも、前回の犠牲者の遺体に付着していた犬の白い毛が手掛かりとなり、FBIは色素欠乏症のシェパード
を飼っているカール・スターガー(ヴィンセント・ドノフリオ)という男性の自宅を包囲し、そして意識不明で倒れているスターガーを発見した。しかし、スターガーの自宅には被害者は見あたらない。その代わり、地下室であるビデオが見つかる。そのビデオには、ガラス張りの独房(セル)に閉じこめられた女性が、セルを満たす水の中でおぼれ死んでいく様子が記録されていた…。スターガーはそのビデオを見て、性的快楽を得ていたのである。
セルは、被害者が閉じこめられてから40時間たつと水で一杯になるように設計されていた。女性を救うには、セルの場所を見つけなければならない。それを知っているのはスターガー本人だけだった。
しかしスターガーは”ウィーラン”の侵害:ウィーランズ・インフラクション”と呼ばれるビールス性の分裂症発作を起こし、自らの精神と外の世界を完全に遮断、決して醒める事がない昏睡状態に陥っていることが明らかになった。捜査陣は、キャサリンの研究所を最後の頼りとし、スターガーの精神世界に入って、女性が監禁されている場所がわかるようなヒントを捜して欲しい、とキャサリンに頼む。こうして、キャサリンは異常連続殺人犯の潜在意識に入るという、前代未聞の危険な冒険に挑む事になる。
キャサリンが入ったスターガーの脳の世界は、どんな世界とも違っていた。彼女はそこで、子供の頃のスターガーと彼の精神に君臨する”スターガー・キング”と出会った。その強烈さと邪悪さに打ち拉がれ辛うじて精神世界から戻るキャサリン。もうあんな経験は二度としたくない、と考えながらもノバックの励ましと被害者への想い
から再度スターガーの精神世界に入った彼女は、そこで精神世界と現実の区別を失い、その中に閉じこめられ、スターガー・キングの虜にされてしまう。
物語は驚愕の世界で思わぬ方向へと動き出していった…。
スタッフ
監督:ターセム
製作:フリオ・カロ
製作:エリック・マクレオド
共同製作:ステイーヴン・R・ロス
脚本/共同製作:マーク・プロトセヴィッチ
共同製作:ニコ・ソウルタナキス
撮影監督:ポール・ローファー
美術:トム・フォーデン
衣装:エイプリル・ネイピア
衣装(スペシャリティ):石岡瑛子
・メイク:ミシェル・バークイ`
特殊効果:クレイ・ピニー
視覚効果:ケヴィン・トッド・ホー
編集:ポール・ルベルA.C.E.
編集:ロバート・ダフィ
音楽:ハワード・ショア
キャスト
ジェニファー・ロペス(キャサリン・ディーン)
ヴィンス・ヴォーン(FB1捜査官ピーター・ノパック)
ヴィンセント・ドノフリオ(カール・スターガー)
マリアンヌ・ジャン=バプティスト(ミリアム・ケント博士)
ジェイク・ウェバー(FB1捜査官ゴードン・ラムジー)
ディラン・ベイカー(ヘンリー・ウェスト)
タラ・サブコフ(ジュリア・ヒクソン)
ジェイク・トーマス(スターガー少年役)
ジェームズ・ギャモン(テディー・リー)
パトリック・ボーショー(ルシアン・バイネス)
キャサリン・サザーランド(アン・マリー・ビクシー)
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