2016年/日本/カラー/109分/ 配給:東映

2016年4月29日(金・祝)公開

(C)2016「スキャナー」製作委員会

公開初日 2016/04/29

配給会社名 0004

解説


その探偵は、自らの“手”で謎を解く─。
「あなたの全て読み取ります」

夏の太陽がサンサンと照りつけるなか、厚手のコートにストールをぐるぐる巻き。そのうえ、帽子&ゴーグル&マスクで完全防備。そんな異様な風体のイメージを裏切ることなく、中身もかなりの変わり者。極度の人嫌い。恋人なんてもちろんおらず、友達は大事に育てている熱帯魚たちだけ。だがこの男には人には言えない特殊な、そしてかなり厄介な能力があった──。

狂言師=野村萬斎──伝統の継承者としてはもちろん、映画でも伝説の陰陽師、庶民に愛されるうつけ者の殿様など、鮮烈なキャラクターを演じ、幅広い世代に絶大な支持を受け続ける唯一無二の存在である。彼が初めての現代劇で挑むのは、残留思念〈物や場所に残った人間の記憶、感情〉を読み取ることができる超能力者! その能力を持ってしまったばかりに、過酷な人生を歩むことになった男──仙石和彦。かつて半ば強引にお笑いコンビ“マイティーズ”として活動させられるものの、神経をすり減らし、現在はマンションの管理人。その生態は、人間嫌いの超ネガティブ男。終始猫背で、しゃべる声はボソボソと非常に聞き取りづらい…。これまでの野村萬斎のイメージを180℃覆す、新たなる変人キャラ=仙石の魅力が炸裂する !
そんな仙石を静かな隠遁生活から引きずり出す、やたらと騒がしいチンピラ風情の男がもう1人。マイティーズ元相方・丸山竜司である。演じるは“雨上がり決死隊”の宮迫博之。本職の芸人役という説得力はもちろん、多くの映画、ドラマでの安定した演技力は誰もが知るところ。繊細な仙石とは対照的に、絵に描いたようなガサツで無神経な丸山こそ、本作で仙石の相方として活躍する存在だ。
この異色コンビが挑むのはお笑いのステージではなく、何やらきな臭い人探し。果ては予想だにしない連続殺人事件を捜査するという大舞台へ突入してゆく…。

このコンビを支えるキャスト陣も、実力派が揃った。仙石と丸山に時にいいように利用されつつも、真実に辿り着こうと静かに闘志を燃やすエリート刑事・佐々部悟に安田章大。

関ジャニ∞のメンバーとして国民的人気アイドルの地位を確立しながら、自身は俳優としてのキャリアを順調に積む安田が、初の刑事役に奮闘する。マイティーズに人探しを依頼する女子高生・秋山亜美には、話題作への出演が続々と決定している旬な若手女優=杉咲花。突然謎の失踪を遂げる亜美のピアノ教師・沢村雪絵には、映画、ドラマと引っ張りだこの木村文乃。仙石の思念の中に度々登場し、はかなげでいて芯の強いもう1人のヒロインをしなやかに演じてみせる。他にも、ちすん、梶原善、そして風間杜夫、高畑淳子といった大ベテラン勢が、幾重にも重なる骨太な人間ドラマをしっかりと支える。

脚本は今や稀代のヒットメーカーとなった、古沢良太。映画『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズに始まり、『キサラギ』、『探偵はBARにいる』シリーズ、『少年H』、ドラマ「相棒」、「ゴンゾウ〜伝説の刑事〜」、「リーガルハイ」、「デート〜恋とはどんなものかしら〜」などヒット作は枚挙にいとまがない。そんな古沢がかねてより大ファンだと公言している野村萬斎を仙石にアテガキして書き下ろした、渾身のオリジナル脚本にも注目したい。
 監督は“平成ガメラ3部作”、『デスノート』シリーズなどエンターテイメントの巨匠=金子修介。謎解きのサスペンスとユニークなキャラクターたちが織りなすコメディを絶妙なバランス感覚で描くことに加え、さらに一歩踏み込んだ深い人間ドラマとして本作を見事に昇華させている。

狂言とお笑い。普段は全く異なるフィールドで、それぞれ第一線で活躍する人気者同志が魅せる、“コンビ”という名の恐るべき化学反応やいかに──!?

予想を裏切り続ける緊迫した展開、ふたりのかみ合わない凸凹コンビが見せる笑い、そして事件の真相が明らかになった時、あなたは“記憶”に秘められた人間の“狂気”に震え、“優しさ”に胸を熱くする──。

ストーリー




モノに宿る想いを、元・お笑い芸人の異色の新コンビが、大切に読み解く!!
残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男・仙石和彦(野村萬斎)。かつて、その能力を使いマイティーズというコンビで日本中を湧かせたが、その能力の代償に精神をすり減らし、コンビ解散。以来、マンションの管理人として人目を避けた生活を送るように・・・。一方、相方の丸山竜司(宮迫博之)もマイティ丸山としてピン芸人になるものの、鳴かず飛ばずでクビ寸前の状態。

そんな時に秋山亜美(杉咲 花)という一人の女子高生が仕事の依頼で丸山の所属する芸能事務所・峠プロダクションを訪れる。その依頼とは解散したマイティーズに、行方不明となったピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)を探して欲しいというもの。この仕事を機にマイティーズ復活を目論む社長の久美子(高畑淳子)は、仙石に事件の捜査を手伝わせるよう丸山に命じる。

クビになるのを避けるため、しぶしぶ亜美と共に仙石のマンションを訪れる丸山だが、10年ぶりに出会った仙石は外の世界と関わるのを頑なに拒否をする。そんな中、無理矢理、部屋に押し入る丸山と亜美。仙石に行方不明の雪絵の持ち物から残留思念を読み取るように迫るものの、能力は失われたと仙石は二人に冷たく言い放つのだった。

二人が諦めてマンションを去った後、一人、黙々と部屋の片付けをする仙石。
すると、突然、見たことのないビジョンが浮かぶのだった!!
「うあああああ!」
ハッとし、手を離す。転がり落ちる見覚えのない爪やすり・・・。
思念の中で、現れた沢村雪絵は、美しく、どこか謎めていた。
その姿が頭から離れなくってしまった仙石は、とうとう丸山、亜美と共に雪絵の行方捜しを始める。

雪絵の立ち寄った場所で手をかざし、集中する仙石。
「迫るトラック!轢き逃げ!?子供が生まれたばかりなのに!しかも、四匹!?」
時に道で車に轢かれた親猫の思念を読み取ってしまうなど久しぶりに使う能力に悪戦苦闘・・・。
そんな中、なんとか読み取った雪絵の思念は、仙石たちだけではどうしようもないものを示すのだった。

そこで、警察の力を使おうと考え、読み取った思念を手紙にしたため送る三人。が、まさかの仙石と丸山が連行されしまうことに!!思念を読み取ったという二人の話に、刑事たちは疑惑の目を向けるのだった。
そんな中で、若手刑事の佐々部悟(安田章大)だけは、唯一、その能力に興味を示し、事件解決のために、上司の野田直哉(風間杜夫)に内緒で、仙石たちに力を貸すこととなる。

雪絵の残した思念を必死に読み取り続け、その行方を追う仙石たち。
果たして雪絵はどこに?そして、仙石が読み取った思念が導くものとは?
新たなコンビが開けた扉は、誰しもが予想だにしない事件の入り口だった。

スタッフ

監督:金子修介
脚本:古沢良太
企画:須藤泰司

キャスト

野村萬斎
宮迫博之
木村文乃
杉咲 花
高畑淳子
安田章大

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