原題:第一次 First Time

2012年/香港・中国合作/カラー/103分 提供:ポリゴンマジック 配給:太秦

2014年6月7日公開

(C) 2012 Irresistible Beta Limited, Edko Films Limited, Edko (Beijing) Film Limited, Beijing Happiness Union Co. Ltd., BDI Films Inc. All Rights Reserved.

公開初日 2014/06/07

配給会社名 0864

解説


 病気のために夢を諦めた女性が偶然再会した同級生の若者と織り成す切なくも爽やかなラブストーリー。キム・レウォン、イム・スジョン主演による2003年の韓国映画『アメノナカノ青空』をベースにしながら、新たな設定や趣向を凝らした構成で、鮮やかに描かれている。監督・脚本は弱冠29歳(撮影時)の新鋭ハン・イエン。ヒロインの家のインテリアをはじめファッションや小物など、すべてをカラフルな可愛いもので埋め尽くした。ヒロインの心情をアニメーションで描き出すメルヘンチックな演出や、ロケ地となった福建省厦門(アモイ)市の風光明媚な街並や風景も印象的だ。
 そんな監督の世界を体現するのが、本格的にダンスの勉強をして撮影に臨んだという香港の人気モデル兼女優のアンジェラベイビーと、『モンガに散る』(10)をはじめ多くの映画やドラマで活躍する台湾の人気俳優マーク・チャオ。2人の共演は映画『ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black&White Episode1』(12)に続き2回目だ。1作目ではあまり接点がなかったそうだが、本作では恋人同士という設定そのままに息もぴったり。また、マークと父親アレン・チャオ(趙樹海)の親子共演も話題になった。マークはバンドのボーカルという役柄を演じるにあたって弾けなかったギターを弾き語りができるまでにマスターし、歌も披露。主題曲となった『哭得像小孩』はシンガーソング・ライターで出演もしているシンディ・ユェン(袁詠琳)の作詞作曲によるものだ。彼女はジェイ・チョウ(周杰倫)が代表を務めるJVR Musicの所属アーティストであり、本作が映画デビューとは思えぬ生き生きした表情を見せている。ほかに、歌手でもあり小説家でもあるマルチな才能のティエン・ユエン(田原)がバンドのキーボードプレーヤーを、そして中国のベテラン女優ジャン・シャン(江珊)は愛情深い母親役を印象的に演じている。全編にわたって監督のこだわりに貫かれた映像とラストまで練りに練られた脚本が秀逸な、珠玉のラブストーリーだ。

ストーリー




 大学に聴講生として通う宋詩喬(ソン・シーチャオ)は先天性の筋無力症のために通院を続け、投薬による記憶障害に悩まされつつ、母親と2人で暮らしている。そんな詩喬の秘かな楽しみは、高校時代の同級生で憧れの存在だった宮寧(コン・ニン)へのメッセージをウォークマンに入れたカセットテープに吹き込むこと。宮寧は4年前に突然転校してしまい、今では消息不明になっていた。そんなある日、遊園地でアルバイト中に宮寧と再会。外見がすっかり変わった宮寧に戸惑いつつも、詩喬は彼との楽しいデートを重ねる。詩喬の母は宮寧に対して警戒心を示すものの、娘の幸せそうな様子を見て2人の交際を認める。大学を中退しロックバンドのボーカルとしてライブハウスで歌っている宮寧。彼の仲間たちと騒いだり、彼の背中におぶさり“走る”感覚を体験したり、彼と海辺をそぞろ歩いたりする詩喬。それは何もかもが初めてで新鮮な体験だった。時にはケンカもするけれど、それすらも仲直りしてしまえば嬉しい出来事になった。生きる喜びを噛みしめる詩喬は、やがて宮寧に勧められて諦めていたダンスへの夢を再び育むようになる。そして、詩喬の誕生日。いくら待っても待ち合わせの場所に宮寧は来なかった。一人帰る雨の夜、バスの車窓からぼんやり夜の街を眺める詩喬の目に飛び込んできたのは、思いがけない宮寧の姿だった。翌日、宮寧は「複雑な事情がある」と詩喬に別れを告げる…。

スタッフ

監督:ハン・イエン
脚本:ハン・イエン
撮影:チャーリー・ラム
美術:ジェフリー・コン
編集:アンジー・ラム

キャスト

アンジェラベイビー
マーク・チャオ
ティエン・ユエン
チャン・シャン
シンディ・ユェン
アレン・チャオ

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