原題:Jour de Fete

1949年/フランス/モノクロ/70分/ 配給:日本コロムビア

2014年4月26日公開

(C)Les Films de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

公開初日 2014/04/26

配給会社名 0176

解説


村にはまた祭りの季節が巡り、興行師のトレーラーが荷台に回転木馬を満載して、広場にやってくる。祭りの準備に村は大わらわ。のっぽでお人好しの郵便配達フランソワも、仕事もそこそこに手伝いに奔走する。祭りの日、テント映画館で「アメリカ式郵便配達」の映画を観て、皆にも囃し立てられ一念奮起、翌日から「アメリカ式」なるスピード郵便配達を実行し始める。やがて彼はトンチンカンな方向に逸脱、ついには自転車ごと川に突っ込んでしまう。濡れ鼠になったフランソワはのんびり配達のよさをしみじみ悟る。
『郵便配達の学校』で、評判を呼んだ人気者の郵便配達フランソワを主人公にして、ついに実現したタチ念願の長編監督第一作。製作は『左側に気をつけろ』以来のフレッド・オラン「キャディ・フィルム」。フランス映画史に忽然と現れた本格的ドタバタ喜劇に、一躍タチの名は世界に轟くことになる。撮影は、47年フランス中部のアンドル県サント=セヴェール村で五月半ばから九月まで続けられ、残りはパリ近郊のスタジオなどで撮影された.一部のプロ俳優を除くと、多くは実際にその村に住んでいる人々に出演してもらっている。その意味ではまったく同時代のイタリアのネオリアリズモと並行する試みといえよう。無声喜劇を思わせはするが、タチの資質は身体的運動をロング・ショットで捉える視覚性と音の組み合わせの面白さに存するのであり、実際見えない蜂に襲われるギャグなど秀逸である。同時に冒頭とラストの木馬を追いかける少年を捉えた後退移動に漂う抒情性もタチ特有のものであろう。タチ自身自己の原点を確かめるかのように少なくとも毎年一回はこの村で上映会を開いていたようだが、87年には『のんき大将』撮影40周年のお祝いも行われ、オリジナル版が満員の観客の前で上映されたという。郵便局では郵便配達フランソワの消印や絵はがき、封筒などが作られるほどのお祭りであった。

撮影期間:1947年5月13日〜47年11月15日
エスクァイアマガジンジャパン刊 『E/Mブックス4:ジャック・タチ』より

ストーリー

スタッフ

監督:ジャック・タチ
製作:フレッド・オラン
脚本:ジャック・タチ、アンリ・マルケ、ルネ・ウィラー
撮影:ャック・メルカントン
音楽:ジャン・ヤトブ

キャスト

ジャック・タチ
ギイ・ドゥコンブル
ポール・フランクール
サンタ・レッリ

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