首輪をはめたら、「自由」になれた。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014正式出品

2013年/日本/カラー/72分/ 配給:映画美学校

2014年3月22日よりユーロスペースにて公開!以降、大阪・第七藝術劇場他全国順次公開

(C)2013 THE FILM SCHOOL OF TOKYO

公開初日 2014/03/22

配給会社名 0218

解説


愛は誰も愛せない。
向き合う事を知らない若い男女。恋愛でも友情でもなく成立する異常な関係が、二人を「自由」に、そして孤独にしていく……。

目の前の物に満足し、信じて待つ「イヌ」。その目をみつめて可愛がり、惜しみなく与える「飼い主」。男女がセックスを介在させず肉体関係を結べるもの、それは「イヌ」「飼い主」の関係になる事だけかもしれない。
仕事や恋人との生活において選択する事に疲れている編集者の響子はある日、クレーマーや上司に簡単に土下座をする男・西森と出会う。プライドもやる気もない西森の、無欲な「イヌ」の目に興味を持つ響子。出来心から訪れた西森の家で、二人はおかしな「イヌ」と「飼い主」という遊びを始める。「イヌ」としての盲目的な生活に浸る響子と、その姿に安らぎ「飼い主」になる西森。ほの暗い家の中で、決して交わることのない身勝手な愛を垂れ流す二人の遊びはどこへ向かうのだろうか。

次代を担う若き才能×孤高の映画作家・万田邦敏。
運命を変貌させる異世代の邂逅!

『UNLOVED』(02)、『接吻』(08)で国内外に衝撃を与えた映画作家・万田邦敏監督が5年の沈黙を破り、放つ最新作『イヌミチ』は、個性的で精力的な映画監督を輩出し続けている映画美学校のフィクション、アクターズ、脚本の3コースによるコラボレーション作品である。
第一線で活躍する高橋洋、三宅隆太、村井さだゆき三人の講師陣が揃って太鼓判を押した伊藤理絵によるリアルな女性心理が描かれた独創的なシナリオに、響子役の永山由里恵、西森役の矢野昌幸らがみずみずしくも大胆で躍動する演技と表情で挑み、そして映画に対し熱い血潮を滾らせるフィクション・コース15期生がスタッフとして現場を支える。これからの映画を担う若い世代の感性と万田監督の鋭い演出が混じり合うことにより、『イヌミチ』は現代の若者の孤独と倒錯した愛を描いた、新しい万田邦敏作品としてここに誕生した。
カンヌ受賞歴もある世界に新作が待たれる万田邦敏が、次世代を担う若手映画人と作り上げた『イヌミチ』。万田映画の“今”が詰まった本作をぜひ体感していただきたい。

ストーリー



イヌって、なんか楽そう…。

出勤途中にガードレールにつながれる犬を見て「ふん」と鼻を鳴らす響子はブライダル雑誌の出版社に勤めるアラサーの編集者。使えない部下に囲まれ、仕事が積み重なっていく毎日にうんざりしていた。
仕事の合間に微妙なフリーカメラマンから交際を迫られてもピンとこない。来るはずの生理も来ない。長く同棲中の恋人からは籍を入れないかと言われるが、それも心に響かない。うんざりすることが続くなか、携帯電話まで壊れてしまう。

出向いた携帯ショップで、響子はクレーマーの客に怒鳴りつけられている店員の男・西森に出会う。簡単に客に土下座をする西森が目に留り響子は携帯を選んでもらうが、決めた理由を尋ねる響子に西森は「理由なんてねーよ」と言い放つ。

相変わらずの忙しなさにぐったりした帰り道、響子は上司に土下座をさせられている西森を偶然見つけ、飲みに誘う。西森の家で酔った響子は、西森の空洞のような目にプライドのなさと無気力さを感じてつっかかるが、やはり西森は「目の前に与えられたもので満足しとけ」と言うのだった。ふと思い付いたように、犬になる催眠術をかける西森に響子は犬のふりをして応える。響子はその日、西森の家で眠りについた。
翌朝、起こそうとする西森に響子は「ワン」と答え、部屋の中を四つん這いで歩き回る。響子は会社に行くのをやめ、犬のフリを始めたのだ。最初は驚く西森だがすぐに響子を自分の飼い犬=ポチとして受け入れる。
餌を与え、遊び、じゃれあう。

犬としての盲目的な生活に浸る響子と、その姿に安らぐ西森。
二人は、人間同士の犬と飼い主というおかしな遊びに没頭していくが……。

スタッフ

監督:万田邦敏
脚本:伊藤理絵(第1期高等科修了生)
撮影:山田達也
照明:玉川直人
録音・整音・効果:臼井勝
美術:萩原周平、赤松直明、鈴木知史
衣装:松岡智子
編集:万田邦敏
音楽:齋藤浩太、下社敦郎
音楽監修:長嶌寛幸
助監督:菊地健雄
制作:大野敦子
カラリスト:田巻源太
Bカメラ撮影:星野洋行
脚本監修:高橋洋
脚本選考:村井さだゆき、三宅隆太

キャスト

永山由里恵
矢野昌幸
小田篤
小田原直也
古屋利雄
茶円茜
古内啓子
中川ゆかり
古川博巳
柏原隆介
兵頭公美

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