観察映画第5弾

2013年/日本・米国/2時間29分/HD/ 配給・宣伝:東風

2013年7月6日、緊急公開決定!! シアター・イメージフォーラム 他全国順次公開

(C)2013 Laboratory X,Inc.

公開初日 2013/07/06

配給会社名 1094

解説


選挙費用総額8万4720円。スローガンは脱原発。
「普通の主夫」山さんが、怒りの再出馬!

舞台は、東日本大震災直後、2011年4月1日に告示された川崎市議会選挙。震災で実施が危ぶまれた統一地方選挙だ。
その選挙に、映画『選挙』(07年)の主人公、「山さん」こと山内和彦が、完全無所属で出馬した。選挙区は前回と同じ宮前区。スローガンは「脱原発」だ。自粛ムードと原発「安全」報道の中、候補者たちは原発問題を積極的に取り上げようとしない。小さな息子のいる山さんはその状況に怒りを感じ、急遽、立候補を決意したのだ。
映画『選挙』で描かれた05年の補欠選挙では、山さんは小泉自民党公認の公募候補だった。党が誇る強固な組織力と徹底的なドブ板戦で、初当選した。しかし、07年の統一地方選挙では自民党の公認を得られず不出馬。そのため山さんはこの4年間、政治からは遠ざかり、主夫として子育てに従事していた。そこに降ってわいた選挙戦なのだ。
組織なし、カネなし、看板なし。準備もなし。14人の候補者のうち、当選するのはわずか9人という激戦区。だが、前回のカネのかかるドブ板選挙の反省から、山さんは選挙カーや事務所を使わず、タスキや握手も封印。選挙の総予算は、ポスターとハガキの印刷代として8万4720円のみ。
果たして、ないないづくしの「普通の主夫」山さんに、勝ち目はあるのか?

「震災後ニッポンのわたしたち」と
巻き込まれる「観察映画」

監督はもちろん、『選挙』で鮮烈なデビューを果たし、『精神』『Peace』『演劇1・2』など、次々に「観察映画」の傑作を繰り出してきた、想田和弘だ。これまでの観察映画同様、ナレーションやテロップによる説明やBGMを使わず、事前のリサーチや台本を排し、行き当たりばったりで撮影した。
そして、そのカメラに映ったものは、放射能におびえながらも整然と機械的に営まれる日本的日常。祖国の大ピンチに際しても政策論争が起きず、相も変わらず繰り広げられるお馴染みの選挙風景。そして、そんな政治に関心を持てぬまま代表を選ぶ「わたしたち」の姿だ。
主夫の山さんが丸腰で立ち向かう選挙戦から、ニッポンの民主主義の姿が否応なく浮き彫りになっていく。
『選挙』では第三者然としていた想田のカメラは、次第にその「状況」に巻き込まれていく。撮る者と撮られる者の摩擦が次第に高まり、やがて最高潮に達する。肖像権とは。表現の自由とは。ドキュメンタリー作家の倫理とは。観察映画のカメラは、もはや単なる傍観者ではいられないのだ。
選挙イヤーの日本。東日本大震災とは何だったのか?民主主義とは何か?そして、わたしたち日本人は、いったいどこへ行こうとしているのか?
想田観察映画が、再び世界に問いかける!

ストーリー







スタッフ

監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子

キャスト

山内和彦

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