原題:TABU

世界の批評家たちを唸らせた俊英ミゲル・ゴメスが描く ある老婆の現在の虚無感と過去の情熱的な記憶を辿る、上質なメロドラマ

第62 回ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞/国際批評家賞(FIPRESCI) 第13 回ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア国際映画祭観􁐈賞/監督賞 2012 パリ映画祭審査員特別賞受賞/2012 ランサローテ映画祭最優秀作品賞 2012Auteur 映画祭グランプリ受賞/2012 ヘント映画祭最優秀作品賞 2012 カルタヘナ国際映画祭グランプリ受賞 タイムアウト・アワード2012 ベストポルトガル映画 仏カイエ・ドゥ・シネマ2012 ベストテン第8 位 英SIGHT&SOUND2012 ベストテン第2 位

2012年 / 118 分 / モノクロ / スタンダード / 35 ㎜ / ポルトガル=ドイツ=ブラジル=フランス合作 / ポルトガル語 / 字幕翻訳:西山敦子】 提供:新日本映画社 配給・宣伝エスパース・サロウ

2013年7月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

©O SOM E A FÚRIA, KOMPLIZEN FILM, GULLANE, SHELLAC SUD 2012

公開初日 2013/07/13

配給会社名 0087

解説


世界の観􁐈&批評家から絶賛の声!今ヨーロッパで最も注目されているポルトガルの俊英ミゲル・ゴメス監督が渇いた現代に贈る、去りし日の情熱

『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』のペドロ・コスタ監督に“ポルトガルで今最も注目すべき監督”とその才能を認められ、本作で、世界的な権威である仏誌「カイエ・デュ・シネマ」や英誌「サイト・アンド・サウンド」の2012年映画ベスト10入りを果たしたミゲル・ゴメス。前作『私たちの好きな八月』で世界の批評家たちを唸らせた俊英は、ある老婆の現在の虚無感と過去の情熱的な記憶を辿り、上質なメロドラマを完成させた。
現代と過去、無機質感の漂うポルトガルの都市と冒険的な雄壮さに満ちたコロニアル時代のアフリカ、そして今目の前にあるものと眩い記憶。対比するものがそれぞれ持つ空気感を表現するため、35㎜と16㎜のフィルムを併用するなど、細部に至るまで様々な映像技法を駆使し、ミゲル・ゴメスは情感溢れる傑作を作り上げた。こだわり抜いた映像が胸を締め付ける。

60年代を彩った名曲によって綴られるコロニアル時代のアフリカ−熱き恋の物語

ザ・ロネッツの「あたしのベビー(Be My Baby)」「ベビー・アイ・ラヴ・ユー」といった色あせない永遠の名曲によって綴られる本作の恋物語は、過ぎ去った時の話でありながら、音楽同様に色あせず、まるで現在進行形のように鮮やかに現代に甦る。本作は、􀼢に過去を懐かしむのではなく、珠玉の想い出をもう一度体験したかのような感動を、観る者に沸き起こさせる。

ストーリー












第一部「楽園の喪失」
ピラールは定年後の数年間、世界を真っ当にしようとしたり、他人の罪に向き合ったりして、過ごしているが、ここ最近はそれによってストレスが溜まっている。平和の祈りに参加したり、カトリックの社会活動団体に協力したりする彼女はリスボンでのキリスト教集会のためにやってきた若いポーランド人女性を家に宿泊させようとして、迎えにいった空港で、泊まるのを拒まれたり、家に遊びにきた友人に気を使って彼女が描いた醜い絵を掛けたり下したりするのだった。
彼女はまた、孤独な隣人・アウロラに悩まされている。アウロラは短気でエキセントリックな80代の老女だが、お金ができればカジノへ入り浸り、会ってはくれない娘の話を常にしてくるのだ。抗鬱剤の後遺症を持ち、カーボ・ベルデ出身のメイドのサンタが自分にヴードゥーの呪いをかけていると疑っている。サンタは、ほとんど喋らず、命令に従い、他人には干渉すべきではないと考えている。
ある時、病に倒れたアウロラは、ピラールとサンタに謎のお願いをし、二人はそれを叶えるために奔走する。既に長くは生きられないことを悟ったアウロラは、消息不明のベントゥーラという男に会いたいと言い出したのだ。ピラールとサンタは彼が生きていることを知るが、彼はもう正気ではなかった。ベントゥーラとアウロラには、ある約束があったのだ。それは、ポルトガル植民地戦争が始まって間もない50年前に起きたこと。彼は語り始める。「アウロラはタブー山麓に農場を持っていた…」

第二部「楽園」
アウロラの父親は、アフリカで事業を起こそうとポルトガルを出てタブー山麓にやってきたが、若くして脳卒中に倒れた。母親は彼女を産んで直ぐに他界していた。一人残った彼女は、お手伝いと家庭教師と共に暮らし、夢見がちな毎日を過ごしていた。大学の卒業パーティーで夫と出会い結婚、何不自由ない幸せな生活を送っていた。
しかしある日、流れ者的にアフリカにやってきたベントゥーラと出会うと、彼女の心の奥底にあった冒険心の炎が燃え上がる。またベントゥーラも一目で彼女の魅力に惹かれ、夫がいる彼女の虜になってしまう。こうして、どうにもならない情熱にせき立てられ、禁断の物語が幕を開ける…。

スタッフ

監督・脚本・編集:ミゲル・ゴメス
共同脚本:マリアナ・リカルド
撮影:ルイ・ポッサス
音楽:ヴァスコ・ピメンテ
衣装:シルビア・グラボウスキ
編集:テルモ・シューロ
製作:サンドロ・アギラール、ルイス・ウルバノ

キャスト

テレーザ・マドルガーダ
ラウラ・ソベラル
アナ・モレイラ
エンリケ・エスピリト・サント
カルロト・コタ
イザベル・カルドーゾ
イヴォ・ミュラー
マヌエル・メスキタ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す