コッホ先生と僕らの革命
原題:Lessons of a dream
自らを犠牲にしてまで真の教育を授けようとする教師と、 心を閉ざして生きてきた少年たちの、感動の実話。
2011年/ドイツ映画/114分/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/字幕翻訳:吉川美奈子 配給:ギャガ
2012年9月15日よりTOHOシネマズ・シャンテほか全国順次ロードショー
(c)2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION
公開初日 2012/09/15
配給会社名 0025
解説
ブラジル、イタリアに続き、ワールドカップ優勝3回を誇り、FIFAランキングでは常に上位をキープ。世界を代表するサッカー強豪国として誰もが認めるドイツ。しかし19世紀末、帝国主義下のドイツでは反英感情が根強く、イギリスで生まれたサッカーは“反社会的”なものとされていた。そんな中、地方都市の名門校にイギリスからドイツ初の英語教師が赴任する。コンラート・コッホ、後に<ドイツ・サッカーの父>と呼ばれる実在の人物である。
コッホは、イギリス=英語に対する生徒たちの強い偏見と無関心さを見て、授業にサッカーをとりいれる。サッカー用語を通じて英語を教え、国籍や階級に対する生徒たちの差別意識を正すため、敵味方なく公平に敬意を払う“フェアプレイ”の精神や、仲間を思いやる“チームプレイ”の大切さを教え、生徒たちの自立と成長を促していく。外の世界を知らぬまま、外の世界を知らぬまま抑圧された日常に疑問を持つことなく過ごしていた生徒たちも、生まれて初めてゲームスポーツに触れることで心身を解放され、徐々にサッカーの虜になっていく。そして、戸惑いながらも、自らの意志を持ち、それぞれに選んだ道を歩み始めていく。
ところが、コッホの型破りな教育は型破りな教育は周囲の反感を買い、規律と慣習のみを信じる教師や親、地元の名士たちはコッホを学校から排除しようとさまざまな圧力をかけてくる。その圧力を跳ね返し続けていたコッホも、生徒を守るため、ついには身を引く決意を迫られる。だがその時、生徒たち自らが立ち上がった。
本作は、心を閉ざして生きてきた少年たちが、自分を犠牲にしてまで真の教育を授けようとする教師の熱意に触れ、夢と勇気と笑顔を取り戻すまでの成長を描いた感動の実話である。因習にとらわれず、改革を怖れないコッホの真っ直ぐな生き方は、ともすれば日常の惰性に流され、あきらめることに慣れてしまった現代人の心に爽やかな感動を呼び起こす。また、環境や立場の異なる少年たちが、それぞれの自我や才能に目覚め、自らの足で人生を切り開いていく成長物語は、時代を超える深い共感を誘って、見終えた後の余韻が清々しい。
コンラート・コッホに扮するのは、『グッバイ、レーニン!』で注目された若手演技派ダニエル・ブリュール。ブルクハルト・クラウスナー『愛を読むひと』、ユストゥス・フォン・ドーナニー『es [エス]』、トマス・ティーマ『善き人のためのソナタ』らドイツ映画に欠かせない実力派俳優が脇を固め、何より、少年たちの個性を生かした伸びやかな演技と表情がいつまでも忘れられない感動を残す。
多彩なキャストによる確かな演技力をはじめ、人間愛に満ちたドラマ構成、さりげなく散りばめられた知的なユーモア、胸に響く音楽と19世紀末ドイツの美しい色彩と空気感は、本作を単なる学園ドラマやスポーツ映画のジャンルにとどめおかない。間違いなくヨーロッパを代表する名作映画の系譜に連なる作品と言えるだろう。ドイツ・サッカー誕生の知られざる実話を縦軸にしながらも、大人の審美眼にかなう数々の映画的魅力を横軸に織り込んだ、いままでにない上質なヒューマンドラマの誕生である。
ストーリー
第一次大戦前の帝国主義ドイツでは、反英感情高まる中、イギリス生まれのサッカーは“反社会的”なものとされていた。そんな中、名門校にイギリスからドイツ初の英語教師コンラート・コッホが赴任してきた。
生徒たちのイギリス=英語に対する強い偏見を払拭するため、コッホは授業にサッカーをとりいれる。子供たちは戸惑いながらも、どんどんサッカーの虜になっていく。しかしコッホのその型破りな授業は、慣習を重んじる大人たちを敵に回すこととなるが、そんな大人たちに対し、それまで意思を持つことを許されなかった子供たちが自ら立ち上がった—
スタッフ
監督/セバスチャン・グロブラー
脚本/フィリップ・ロス、ヨハンナ・シュトゥットゥマン
原案/セバスチャン・グロブラー、ラウル・ライネルト
製作/アナトール・ニッチケ(DEUTSCHFILM)、ラウル・ライネルト(CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT)
共同製作/ヘルゲ・サッセ(SENATOR FILM)、マシアス・ウェンドランド&フェリックス・ウェンドランド(RIALTO FILM)、
H.-W. ユルゲン(ARD DEGETO)
撮影/マルティン・ランガー
編集/ディリク・グラウ
美術/トーマス・フロイデンタール
衣装/モニカ・ジェイコブス
音楽/インゴ・ルードウィヒ・フレンゼル
キャスト
コンラート・コッホ/ダニエル・ブリュール
グスタフ・メアフェルト(校長)/ブルクハルト・クラウスナー
クララ・ボルンシュテット(ヨストの母親)/カトリン・フォン・シュタインブルク
リヒャルト・アルトゥング(フェリックスの父親)/ユストゥス・フォン・ドーナニー
シュリッカー・シニア(スポーツ用品の製造業者)/アクセル・プラール
ドクター・イェッセン(体育教師)/ユルゲン・トンケル
ドクター・ローマン・ボッシュ(歴史学教師)/トマス・ティーマ
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