原題:Le cose che restano

6時間半にわたって、イタリアのある家族の〈今〉を紡ぎ出す感動作 傑作『輝ける青春』に続く、イタリア大河ドラマの誕生!

2010年/イタリア・フランス合作/399分/ステレオ/字幕:岡本太郎 後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館 提供:チャイルド・フィルム、ツイン、朝日新聞社 配給:チャイルド・フィルム

2012年7月21日(土)より岩波ホールにて公開

公開初日 2012/07/21

配給会社名 1302

解説


一組の家族の離別と再生を通して描く、決して変わらないものとは──?

 ローマに暮らすジョルダーニ家は、まわりからは幸せな家族に見えた。技術者の父は一家を養い、元医師の母は子育てのために仕事を辞め、心優しい長男アンドレアは外務省に勤め世界各地を回っている。心理学者でしっかり者の長女ノラは結婚して独立し、待望の第一子を妊娠中だ。才能に恵まれた次男ニーノは大学で建築を学び、家族の愛を一身に浴びる三男ロレンツォは高校生活を謳歌していた。だが、それぞれが心に秘めていた問題が、ロレンツォの突然の事故死をきっかけに露呈していく。母は精神のバランスを崩して入院し、実は不倫していた父は、イランでの仕事を理由に、愛人とも別れて逃げるように家を出る。子供たちも様々な困難と向き合うことになり、その過程で境遇も考え方も全く違う人々と出会う。娘を探しに来た不法移民の女性、過去の秘密を抱えた不治の病のフランス人、戦場で婚約者の記憶さえ失った大尉……。彼らは空き家同然になっていた家に集い、新たな絆を結び始める。
一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく。ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、今や私たちは未来に向かって、さらに開かれた社会への認識を必要とされているのだろう。
6時間半をかけて丹念に紡ぎ出されるのは、彼らの葛藤、愛と諍い、別れと出逢い。この深く長大な時の流れは、揺れ動く時代を見つめ、人間性の豊かさと、姿を変えながらも家族の普遍性を確認する、現代人に贈られたかけがえのない時間なのだ。

イタリアのエンターテインメントを担う一流スタッフ・キャストが集結

イタリアが誇る一流のスタッフと新しい才能が顔をそろえた。脚本は、第56回カンヌ国際映画祭・ある視点部門グランプリに輝き、日本でも2005年に公開されて熱い支持を集めた『輝ける青春』のサンドロ・ペトラリアとステファノ・ルッリ。『家の鍵』、『湖のほとりで』などでも高く評価されているイタリアを代表する脚本家だ。親の代、自分たちの時代、そして子供たちの今と、『輝ける青春』に続く家族を描いた三部作の、これが最終章となる。プロデューサーは、『輝ける青春』のアンジェロ・バルバガッロ。彼らから、この壮大な物語を託されたのは、TVシリーズの演出で高く評価されているジャンルカ・マリア・タヴァレッリ監督。人々の暮らしが息づくローマの街を活き活きと切り取った撮影監督は、『ペッピーノの百歩』でイタリア・アカデミー賞にノミネートされ、『輝ける青春』も手がけたロベルト・フォルツァ。
父を演じるのは、『あしたのパスタはアルデンテ』のエンニオ・ファンタスティキーニ。母には、『子供は何でも知っている』のダニエラ・ジョルダーノ。長男アンドレアには、『007/カジノロワイヤル』でハリウッドデビューも果たしたクラウディオ・サンタマリア。二男ニーノには『ドン・ジョヴァンニ天才劇作家とモーツァルトの出逢い』のロレンツォ・バルドゥッチ。長女ノラには、歌手としても活躍するパオラ・コルテッレージ。味わい深い演技で魅了するベテランから、世界にはばたく期待の若手俳優まで、イタリアを代表する俳優陣が、スクリーンに奥行きと多彩な彩りを与えた。

ストーリー


スタッフ

監督/ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ
脚本/サンドロ・ペトラリア ステファノ・ルッリ
撮影監督/ロベルト・フォルツァ
美術/ソニア・ペン
衣装/クラウディオ・コルダーロ
音響/レーモ・ウゴリネッリ、フルジェンツィオ・チェッコン、アレッサンドロ・パルメリーニ
編集/アレッサンドロ・ヘフラー
音楽/マルコ・ベッタ
製作総指揮/ガエターノ・ダニエレ
製作/(ライ)ファブリツィオ・ザッピ
製作/ライ・フィクション
共同製作/フランス・テレビジョン、MFP
制作/アンジェロ・バルバガッロ(BiBi Film TV)

キャスト

ノラ/パオラ・コルッテレージ
アンドレア/クラウディオ・サンタマリア
ニーノ/ロレンツォ・バルドゥッチ
ピエトロ/エンニオ・ファンタスティキーニ
フランチェスカ/アントニア・リスコヴァ
アリナ/レイラ・ベクチ
シャーバ/ファリダ・ラウアッジ
アニタ/ダニエラ・ジョルダーノ
ロレンツォ/アレッサンドロ・スペルドゥティ
ヴァレンティーナ/ヴァレンティーナ・ダゴスティーノ
ヴィットリオ・ブラージ大尉/エンリコ・ロッカフォルテ
アルベルト/マウリーリオ・レト
リラ/カレン・チャウロ
ニコライ教授/ヴィンチェンツォ・アマート
ミシェル/ティエリー・ヌーヴィック
カタルド刑事/フランチェスコ・シャンナ

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