シネマ歌舞伎『女殺油地獄』
2011年/日本/カラー/??分/ 配給:松竹
2011年6月18日(土)東劇・ミッドランドスクエアシネマ先行公開 6月25日(土)全国公開
(c)松竹株式会社
公開初日 2011/06/18
配給会社名 0003
解説
題名に“油地獄”とある通り、借金に追いつめられた与兵衛が衝動的にお吉を殺害する場面での、油まみれになりながらの立廻りは、大きな見せ場となっています。
片岡仁左衛門が1964年に初演し(当時 片岡孝夫)、出世作となった河内屋与兵衛を勤め、子・孝太郎と孫・千之助との親子三代での共演も話題を呼んだ、歌舞伎座さよなら公演の名舞台です。
■シネマ歌舞伎とは?
歌舞伎の舞台作品をHD高性能カメラで撮影し、デジタル上映する新しい歌舞伎観劇のスタイルです。高精細な映像と臨場感あふれる音響で、歌舞伎の美と迫力をお楽しみいただけます。
◎400年以上の歴史を持つ歌舞伎とデジタルシネマの融合
作品を追うごとに固定ファンをつかみながら上映を重ねているシネマ歌舞伎は、30万人以上を動員(映画館での動員のみ)しています! 400年以上も歴史のある歌舞伎とデジタルシネマの融合に、多くの人が惹きつけられています。
◎歌舞伎の世界を、存分に楽しませる魅せ方!
シネマ歌舞伎の醍醐味は、生の歌舞伎では見ることができない役者の表情、息遣い、指先の神経まで感じる舞踊を、大画面で楽しむことです。生でみた舞台を、もう一度シネマ歌舞伎で観る方も多く、生の歌舞伎とは一味違う新たな魅力を提供していると言えます。また、映画と同じ感覚でインターネットを使い簡単にチケットを購入できるなど、2000円という低料金で気軽に歌舞伎を楽しむことが可能になり新たな顧客を獲得しています。
ストーリー
300年を経て現代に通じる、若者の孤独と狂気を描いた、美しき地獄絵。
近松門左衛門が1709年に書き下ろした世話浄瑠璃で、歌舞伎としては1909年に二代目實川延若が初演しました。
複雑な家庭環境により荒んだ生活を送る大阪天満の油屋河内屋の息子・与兵衛の哀感と狂気、同業の豊嶋屋七左衛門の女房・お吉の与兵衛への思いやり、与兵衛を勘当するも心配でならない継父・徳兵衛と実母・おさわの情愛が、近松の筆によって巧みに描写されています。
放蕩者の与兵衛は、店の有り金を持出しては馴染の芸妓小菊に入れあげている。
金に困った与兵衛は、徳兵衛に金策を断られるや逆上して家族に暴力を振るう。見かねた母・おさわが勘当を迫ると自棄を起こして家を飛び出すのだが、借りた金の返済は迫り、途方に暮れる。一方、徳兵衛とおさわはお吉を訪ね、与兵衛を家に帰るよう諭してくれと涙ながらに頼み、銭を預けて帰って行った。このやりとりを物陰で密かに聞いていた与兵衛は、その親心に涙を流し、銭を受け取る。しかし借金額には程遠い為、お吉に借金を申し出るのだが、断固として拒絶されてしまう…。
スタッフ
作:近松門左衛門
装置:長谷川勘兵衞
照明:池田智哉
(平成21年6月 歌舞伎座公演)
キャスト
河内屋与兵衛;片岡仁左衛門
豊嶋屋お吉;片岡孝太郎
山本森右衛門;坂東彌十郎
娘お光;片岡千之助
小栗八弥;坂東新悟
妹おかち;中村梅枝
刷毛の弥五郎;片岡市蔵
皆朱の善兵衛;市川右之助
兄太兵衛;大谷友右衛門
父徳兵衛;中村歌六
芸者小菊
母おさわ
豊嶋屋七左衛門;中村梅玉
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