原題:L'uomo che verrà / Giorgio Diritti

光のように 歌があらわれる——

2009年ローマ国際映画祭・審査員賞/観客賞受賞

2009年/イタリア/イタリア語/35mm/カラー/シネスコ/ドルビー・デジタル/117分 日本語字幕:岡本太郎 配給:アルシネテラン

2011年10月22日(土)より岩波ホール他にて順次公開

ARANCIAFILM2009

公開初日 2011/10/22

配給会社名 0013

解説


イタリア・アカデミー賞16部門ノミネート、主要3部門受賞!各国映画祭29部門受賞!!

2010年、イタリアのオスカーといわれているダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、並みいる話題作をおさえて、第二次世界大戦中の歴史的事件“マルザボットの虐殺”を少女の眼差しでとらえた本作が作品賞を受賞した。
題名の“やがて来たる者”とは、未来に生きる者を意味する。本作には、今もなお、アフガニスタン等、世界中で絶え間なく続いている戦争の悲劇にたいして、このような過ちを二度と繰り返してはならない、という製作者たちの未来への願いがこめられている。
戦争と平和という普遍的なテーマと、人間への深い洞察。そして山間に生きる人々の素朴な暮らしや、季節に彩られる風景が丹念に紡がれた味わい深い映像美。『やがて来たる者へ』は数多くの映画祭を席巻し、2010年のイタリア映画を代表する一本となった。

監督はジョルジョ・ディリッティ。ドキュメンタリーの出身であり、エルマンノ・オルミ監督(『木靴の樹』『ポー川のひかり』)と仕事をしていた彼は、リアリズムを重視し、できる限り史実に近づけるべく徹底的なリサーチを行った。キャストはほとんどが地元を中心に選びだされた非職業俳優で、アルバ・ロルヴァケルやマヤ・サンサといった知名度の高い女優には方言を話させた。家や衣装、家畜に至るまで、できる限り当時の生活を忠実に再現した。そしてディリッティ監督が歴史の目撃者に選んだのは、口をきかない8歳の少女、マルティーナ。彼女の幼い瞳に映るのは、敵味方に関係なく、子供たちを育て、恋をし、ごく普通の生活を送っていたのに、戦争という時代の奔流に呑みこまれていった人々の姿。ラストシーンにおけるマルティーナは観る者の心を揺さぶる。まだこの世界に希望があることを確信させるのだ。

ストーリー

にも戦争の影が徐々に迫ってきていた。両親や親戚と暮らす8歳のマルティーナは、大所帯の農家の一人娘。生まれたばかりの弟を自分の腕のなかで亡くして以来、口をきかなくなっていた。ある日、母のレナはふたたび妊娠し、マルティーナと家族は新しい子の誕生を待ち望むようになった。戦況がいよいよ悪化し、ドイツ軍が出入りするなか、地元の若者たちは密かにパルチザンとして抵抗を続ける。幼いマルティーナにはどちらが敵で、どちらが味方かよくわからない。そして両者の緊張の高まるなか、44年9月29日、ドイツ軍がパルチザンを掃討する作戦を開始する——。

スタッフ

監督・原案・脚本・編集・製作:ジョルジョ・ディリッティ
脚本:ジョヴァンニ・ガラヴォッティ、タニア・ペドローニ
撮影監督:パオロ・マルゾーニ
美術:ジャンカルロ・バーシリ
衣装:リア・フランチェスカ・モランディーニ
音楽:マルコ・ビスカリーニ、ダニエレ・フルラーティ
製作:シモーネ・バキーニ 

キャスト

アルバ・ロルヴァケル(『ボローニャの夕暮れ』)
マヤ・サンサ(『輝ける青春』『夜よ、こんにちは』)

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