2009/108分/日本/カラー/16:9 製作・配給:銀影社 宣伝・配給協力:S.I.G.

2009年11月7日よりアップリンクXにてレイト&イブニングロードショー決定!

公開初日 2009/11/07

配給会社名 1107

解説


『天使の楽園』が国内外の映画祭で絶賛された鈴木章浩が8年の年月を経て産み落とした本作は、もうひとつの愛のかたちを描く、珠玉のオムニバス。
主役の三人を熱演するのは、小劇場でキャリアを積み、CMナレーションでも高い評価を得る岩元英理、小劇場を中心に活躍する若手の注目株・佐伯佳奈杷、声優として活躍する奥真紀子。それぞれの個性と役柄が溶け合ったその存在感は、新しい世界観を持った物語を、切なくリアルに浮かび上がらせている。脇を固めるのは、アングラ演劇界の異才として知られ、CMのナレーターとしても 人気の個性派・田中冬星をはじめ、エレベーター企画公演でおなじみの土本ひろき、天真爛漫な魅力を持つアイドル・持田茜、『十年愛』で注目を浴びた末野卓磨ら個性的な面々。映画初出演となる北澤彰斗、中嶋たまみもフレッシュな魅力 を振りまいている。 サウンド・トラックはベーシスト、コンポーザー、プロデューサーとして幅広い活動を行う上條高史。キャリアを感じさせる楽曲は、ノスタルジックな叙情からクールなイメージまで、多彩な表情を映画に与えている。また、挿入曲として使用されるのは、国内外で高い評価を受ける、エレクトロニカ/テクノ・ミュージックの数々。kashiwa daisuke、suzukiski、INNER SCIENCE、tanaka scat Le Méprisの音楽が生み出す新しい風景が “今”を静かに浮かび上がらせている。
また、伝説のアート・テロリスト集団『ゼロ次元』のパフォーマンス、世界的注目を集める中村智道のアニメーションなど現代アートの効果的な引用も見逃せない。

ストーリー



 『ルナの子供』は“子供の生まれない関係”についての物語。語られない秘密と語ることのない夢の物語。そして、今を受け入れ、今、ここにいる自分の存在を許すための物語である。

余命わずかの男と出会い、堕胎した過去をよみがえらせる女、傷つくのを恐れて目の前の愛を受け入れられないレズビアンの美月、セックスを求められないで愛されたいと望んでいる主婦ヒカリ。交わることのない三つの物語は、彼らが見上げる月によって結び付けられ、ひとつの世界を形作る。

 『ルナ』。ラテン語ではルーナ。ローマ神話に登場する月の女神。使徒ルナは夜の守護神。最低限の明かりを用意し、眠りを妨げず、また安全な夜道を照らすのが彼女の役割だ。主から秘密と守護を命じられたルナは、夜に生きる者たちをやさしく見守る。夜はすべてを覆い、彼らにやすらぎと休息を与える。

また、ルナは錬金術においては、銀と月を同時に象徴する女性原理。『ルナの子供』は、世界を支配する男性原理とは別の場所から、この世界を語り始めようとする試みでもある。昼と夜が反転し、日常の裏に隠された秘密や夢が、柔らかな午後の光の中にゆっくりと浮かび上がってくるような…『ルナの子供』は、そんな映画だ。

 ここに書かれた物語は、とりあえずの始まり。この物語の世界に誰かが現われ、そこで生き始めた時に本当の物語は始まる。誰かの現実がこの物語と触れ合う時、もうひとつの現実が静かに立ち上がってくる。その過程がもうひとつの世界を形作ってゆく。そこに残された時間の集積が、『ルナの子供』である。

 今、世界は存在している。そして『ルナの子供』という映画も、もう始まっている。

スタッフ

エグゼクティヴ・プロデューサー:田中冬星
プロデューサー:田中慶子
監督・脚本・編集:鈴木章浩
制作・照明:宮下昇
撮影:河原塚毅 藤井道人 
制作進行:大内 伸悟 
音楽・MA:北野雄二
サウンド・トラック:上條貴史
録音:斎木琢磨 吉方淳二
助監督:片山昌志
照明助手:長嶋宏晃 
プロダクション・マネージャー:星由美子
劇中使用アニメーション:中村智道 「ぼくのまち」
ヘアメイク:森美沙子 橋本京子 奥山明子
スチール:中野愛子 
映像協力:ゼロ次元
編集協力:タカシトシコ

キャスト

《彼女の物語》
佐伯佳奈杷、田中冬星、
《美月の物語》
奥真紀子、中嶋たまみ、持田茜、末野卓磨、沼尾義彦、水島文夫、
《ヒカリの物語》
岩元英理、北澤彰斗、土本ひろき、伊澤恵美子、長友達也、青戸昭彦、土屋知里、高橋愛来、
高橋凛、黒岩アキラ

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す