2009年/日本/カラー/HD/119min./ 配給:東京芸術大学大学院映像研究科

2009年6月27日(土)〜7月3日(金)渋谷・ユーロスペース(レイトショー)にて上映

公開初日 2009/06/27

公開終了日 2009/07/03

配給会社名 0842

解説


東京芸術大学大学院映像研究科は、これまで100年を越える東京芸術大学の歴史の中で、美術学部・音楽学部ともに独立した全く新しい大学院として、北野武・黒沢清らの教授を迎え2005年4月に発足しました。
監督・脚本・製作・撮影・美術・録音・編集の各専門分野を実践的に学んだ第三期生が、今年2009年3月に2年間の修士課程を修了いたしました。
本作品は、東京芸術大学大学院映像研究科修了制作作品として製作されました。カリキュラムは実作を重んじるため大学院としては異例といえるほど、2年間間断なく映画制作が続けられました。修了制作は悶え苦しみながら制作を続けた成果が発揮されています。
全5作品となりますがそれぞれに強烈な個性がみなぎっております。
共通しているのは、どの作品も、劇映画をつくるということに真正面から向き合っていることです。そこがこれまで美術大学などで制作されてきた学生映画との最も大きな違いです。これまで膨大に生み出された映画たちと向き合いつつ、それでもなおわれわれは映画を作り続けるのだという気概を胸に映画の海に飛び込みました。
今回上映される修了作品たちはその出発点として生まれたものです。

■コメント【映画専攻教授 黒沢清より】
目指す方向のまったく違う5本の作品が、一斉に世に放たれようとしている。5本が5本とも、感動的なまでにばらばらだ。唯一共通なのは、幸福と不幸とが分厚い層のように重なった物語を持ち、丁寧と乱暴とを大きな振幅で繰り返す技術によって撮影され、そして主人公がそれぞれに異なったありようで5人とも狂っているという点だが、それにしても20代後半の若者にこんな重苦しく、頑固で反抗的で、一筋縄ではいかぬ映画を作ることが可能なのだろうか。しかも5通りも。私は今でも信じられない。が、もしこれが彼らの当然の実力だったとしたら、今日本映画の片隅で何か革命的な変化がおきつつあるのかもしれない。         

黒沢 清

ストーリー


真山クロシは14歳。母・波子と二人暮らし。クロシがこの町にやって来たのは、まだ0歳の時。でもクロシは全部覚えている。母に抱かれバスに乗ったこと、老女に言葉をもらったこと、詩人との出会い…。誕生日も近いある日の夜、突然“父”が現れる。その言い分とは「15歳になるまでは波子と、15歳になってからは僕がクロシと暮らす約束になっていた」というものだった。クロシ、家族、周囲の人々、すべてが少しずつ変化し始める。

スタッフ

監督:遠山智子
脚本:澤井香織

キャスト

泉澤祐希
片岡礼子
品川徹
長谷川朝晴
韓英恵

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