マリア・カラスの真実
原題:Callas Assoluta
2007年/フランス/カラー/98分/ 配給:セテラ・インターナショナル
2009年3月28日、ユーロスペースにてロードショー
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公開初日 2009/03/28
配給会社名 0117
解説
マリア・カラス。オペラファンでなくても、一度はその名を聞いたことがあるであろう20世紀最高の歌姫〈ディーヴァ〉。華やかな名声とスキャンダラスな伝説に彩られたオペラ歌手。「カラスの生涯には、どの時代を切り取っても目が眩むほど激しい感動がある」、と本作の監督フィリップ・コーリーが言うように、歌声の裏の壮絶な人生は、凡百の映画よりも劇的である。独特の特徴ある声を生かした歌唱は卓越した技術だけでなく、役の内面に深く踏み込んだ表現で際立っていた。
その生い立ちから成功をつかむまで、オペラ界のディーヴァとして君臨する栄光の時代、個性的な美貌とファッション、ゴシップの数々、そして晩年の孤独な最期まで。本作は、まさに当たり役トスカの歌のように〈歌に生き、恋に生き〉たカラスのすべてを知ることが出来る真実のドキュメンタリーである。
この映画が今までに数多く作られたカラスのドキュメンタリーと決定的に違っているのは、カラスを“無敵なようでいて、実はガラスのようにもろく壊れやすい一人の女性”として描いていることだ。監督は、カラスを知る関係者のインタビュー証言集ではなく、アーカイブ映像を交えながら、本人の生の言葉などで、その足跡をたどり構成する手法を取った。観客が53年の波瀾万丈の生涯を送ったカラスの内面に触れ、何かを感じ取り、カラスという女性をより知ってほしい、という願いを込めたのだという。
カラスの人生を彩る人物たち。彼女を見出した名指揮者セラフィン、監督ヴィスコンティ、パゾリーニ、グレース・ケリー、カラヤン、海運王オナシスらも、次々に画面に登場。数々の名場面の舞台衣装、もちろん《トスカ》《ノルマ》《カルメン》などの20曲以上の歌声も、貴重な舞台映像と共に堪能することができる。
カラスほどの卓越した歌唱と個性、そしてその生き方そのものがオペラのようにドラマチックな歌手はカラス以前にも以後にも現れない。歌が上手い歌手はいくらでもいるが、その生き方までもが、オペラのように劇的なヒロインとなりうるのは、カラスしかいないのだ。その歌声はダイヤモンドのように輝きを失わず、ギリシャ悲劇さながらの人生が、彼女をより伝説化させるのである。
本作は2007年9月16日のマリア・カラス没後30年目にミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座で、ガラが上映された。エンドクレジットが上がっても観客はしばらく席を立てなかった…。
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