原題:Vinicius

情熱は色褪せない

2006年 サンセバスチャン映画祭特別上映作品 2006年 ブラジル外国人記者協会賞/最優秀ドキュメンタリー賞 2007年 ブラジリアン・シネマ・グランプリ/最優秀ドキュメンタリー賞 2007年 ワシントンDC国際映画祭/最優秀音楽賞受賞

2005年ブラジル映画/ポルトガル語/122分/カラー/1:1.85アメリカンヴィスタ/ドルビーSR・ドルビーSRD/製作:1001フィルムズ 日本語字幕翻訳:松岡葉子、字幕監修:國安真奈 配給:ツイン

2009年4月18日、渋谷シアターTSUTAYAほか全国順次ロードショー 

(C)1001 Filmes Ltda.2005

公開初日 2009/04/18

配給会社名 0251

解説


ヴィニシウス・ヂ・モライス。
日常生活を歌い上げる達人にして、400篇以上の詩と400曲以上の歌詞の作者であるこの英邁な詩人が、ミゲル・ファリアJr.の監督、スザーナ・ヂ・モライスの制作するドキュメンタリーで現代に蘇った。

ヴィニシウスは多面的な創造者である。戯曲作家、詩人、ブラジル大衆音楽を代表するアーティストたちの共作者であるのに加え、ブラジルの文化史上に大きな足跡を残した。そんな彼の生涯と作品を賛美するにあたり、ミゲル・ファリアJr.監督は、共作者、シンガー、友人など、これ以上は望みようのないキャストを揃えた。また、ヴィニシウスの愉快で素朴な人柄、その自然さ、ユーモア、自由な言動を思い出させる貴重な記録映像も集めている。そう、バールのテーブルで会話する彼の映像も、ヴィニシウス本人がそうしたいと望んだであろう通りに、収録されている。

『ヴィニシウス−愛とボサノヴァの日々−』は、シコ・ブアルキ、フェヘイラ・グラール、カルロス・リラ、カエターノ・ヴェローゾ、マリア・ベターニア、トッキーニョらの証言を紹介している。また、アドリアーナ・カルカニョート、オリヴィア・バイントン、マリアナ・ヂ・モライス、マルチナーリアならびにモニカ・サルマーゾがもっとも著名な作品を歌う。これらを織り交ぜるようにして、ヴィニシウスを偲ぶ舞台で演じるカミーラ・モルガードとヒカルド・ブラが、詩人の愛した恋の情熱、友情、喜び、美しさ、繊細さや許しといったテーマについて、テキストや詩を紹介していく。

さらに『ヴィニシウス−愛とボサノヴァの日々−』では、アロルド・コスタ監督作品『芝生のピッチPista de Grama』で「あなたがいなければ私は存在しないEu não existo sem você」を歌うエリゼッチ・カルドーゾと、その伴奏をするジョアン・ジルベルトの大変稀少な映像も、詩人の人生と作品を紹介するのに一役買っている。未公開映像や画像が、詩人の生まれた1913年以降のリオデジャネイロ市の変遷を物語る。1913年当時、リオ市の人口は僅か100万人で、フランス文化の影響を非常に強く受けており、イパネマやレブロンといった著名なビーチは、ただの無人の砂浜だった。50年代になると、当時はまだ首都だったこの町は、音楽や映画、演劇やファッションや人々の言動にも影響を及ぼした一連の変化にさらされることになる。自ら曲を書き、ボサノヴァの創始者の一人でもあった詩人で外交官のヴィニシウスは、この新たな時代におおいて、人々が常に注目する存在となった。そして60年代には、彼が作詞した「イパネマの娘」が、リオの一地区を離れて世界中で演奏される曲となる。80年に亡くなるまで、ヴィニシウスは精力的に人生と、彼の生まれ故郷の変化とを生きた。

ストーリー

ヴィニシウス・ヂ・モライスは1913年リオデジャネイロの中流家庭に生まれ、リオ市が経ることになる重要な変化の証人であると同時に中心人物ともなり、20世紀におけるブラジル文化シーンを代表するもっともオリジナルかつ豊かな巡歴を辿った。大学で法律を修めた彼は、正統派の詩人であり、外交官であり、戯曲や映画評を書き、後にはポピュラー音楽にアプローチするようになった。 革新的で、ボーダーというものに頓着しなかったヴィニシウスは、1956年になると学識派の文化と大衆文化を戯曲『オルフェウ・ダ・コンセイサォンOrfeu da Conceição』で融合して見せた。この戯曲はマルセル・カミュの監督によって映画『黒いオルフェ』に翻案され、1959年のカンヌ映画祭特別賞とオスカーの最優秀外国映画賞を受賞している。リオの市立歌劇場で上演された戯曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンとの共作活動の始まりを告げるものでもあった。2人は1958年、ジョアン・ジルベルトをギターに迎えて「想いあふれて」を発表する。ボサノヴァの夜明けだった。 ヴィニシウスは、レッテルや方程式にも反発した。アフロ・サンバといったさまざまな新しい音楽スタイルを発明している。カルロス・リラ、シコ・ブアルキ、エドゥ・ロボ、トッキーニョ、バーデン・パウエルなどの共作者を得た彼は、ブラジルを代表するポピュラー音楽の作詞家となった。トム・ジョビンとの共作で、ヴィニシウスが歌詞を書いた「イパネマの娘Garota de Ipanema」は、発表以来、世界でもっとも演奏されている曲のひとつに数えられている。彼らの活動がいかに卓越したものであったかは、「もし皆があなたと同じだったなら」「あなたを愛してしまう」「あなたがいなければ私は存在しない」「想いあふれて」「インセンサテス」といった曲が示している。作詞家と詩人としてのヴィニシウスは、日常を、永遠の情熱の炎と幸福の追求に彩られた、創造の源泉として捉えていた。 しかし、彼の軌跡は、その膨大だった創造活動分野に留まらなかった。私生活では数多くの恋をし、9度の結婚を経験し、長年の友情にも恵まれていた。作中ではこの一面も、記録映像やシコ、カエターノ、アントニオ・カンヂドといった友人たち、家族の証言をもって浮き彫りにされている。 ヴィニシウスは1980年に亡くなり、あとには12冊の著作と詩集にまとめられた400篇の詩、そして400篇近い歌詞が遺された。 それから28年。映画『ヴィニシウス−愛とボサノヴァの日々−』は、彼の詩、音楽、作品、そして人生が今もなお眩しく輝いていることをそっと語ってくれる。

スタッフ

監督:ミゲル・ファリアJr. 脚本:ミゲル・ファリアJr.、ヂアナ・ヴァスコンセロス 製作:ミゲル・ファリアJr.、スサーナ・ヂ・モライス 協力:エウカナアン・フェハス 最終版テキスト:エーリキ・ネポムセーノ 撮影:ラウロ・エスコレル 音楽監督:ルイス・クラウヂオ・ハモス 美術監督:マルコス・フラクスマン 衣裳:マリリア・カルネイロ 編集:ヂアナ・ヴァスコンセロス 録音:ブルーノ・フェルナンデス 音声編集:ミリアン・ビッデマン ポスト・プロダクション:マルセロ・ペドラッツィ エグゼクティヴ・プロデューサー:テレーザ・ゴンザレス 司会: カミーラ・モルガード、ヒカルド・ブラ ゲスト演奏者 ヘナート・ブラス ヤマンドゥ・コスタ アドリアーナ・カルカニョート オリヴィア・バイントン モニカ・サルマーゾ マリアナ・ヂ・モライス セルジオ・カッシアーノ ゼカ・パゴヂーニョ MSボン、ネーゴ・ジェフィ、ルロイ マルチナーリア

キャスト

アントニオ・カルロス・ジョビン ジョアン・ジルベルト バーデン・パウエル アントニオ・カンヂド カエターノ・ヴェローゾ カルロス・リラ カルリーニョス・ヴェルゲイロ シコ・ブアルキ フェヘイラ・グラール エドゥ・ロボ フランシス・ハイミ ジョルジアーナ・ヂ・モライス ジルベルト・ジル ルシアーナ・ヂ・モライス マリア・ベターニア マリア・ヂ・モライス ミウーシャ スザーナ・モライス トニア・カヘーロ トッキーニョ

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