ロックンロール★ダイエット！

ハートに火をつけて、魂まで燃やせ！ダイエットはロックンロールだ!!

あのエルヴィス・プレスリーも、「ザ・ドアーズ」のジム・モリソンもなし得なかった夢に、今、一人の男が挑む。それはずばりダイエット！でも、ビリー隊長もアブシェイプもいらねぇ。必要なのは、ロックな魂のみ！それが『ロックンロール★ダイエット！』だ。「レッド・ツェッペリン」や「ポリス」など往年のロックバンドが続々、再結成すれば、宮藤官九郎監督の映画『少年メリケンサック』（来年公開）ではおじさんパンクバンドが大暴れし、あの「渡る世間は鬼ばかり」でも角野卓造らが劇中でバンドを結成するなど、世はちょっとした“おやじバンド”ブーム。しかし、親父がロックでダイエットとは、これいかに!?　
　
だがこれが、実現可能なのだ。原作の「ロックンロール・ダイエット」は、約半年で１５キロの減量に成功したコラムニスト・中丸謙一朗自身の実録ダイエット本。ロックバカを自称する著者は、太った自分が「“ロック”ではない」との思いから一念発起。退廃的な“ロックンロール”と健康志向の“ダイエット”、その矛盾を生きながら独自の哲学とメソッドを生み出した。それは、ロックもダイエットも日々そうなっていこうという “アティチュード（態度）”の問題だということ。そう、ダイエットは正真正銘ロックなのだ!? 本作は、そのスピリットを継承し、創作された異色ダイエット・ムービーであり、親父たちに捧げる応援歌だ。
　
主人公は、 “ガンさん”こと江口厳、42歳。かつてはロックン・ローラーとしてバリバリに青春していたガンさんだが、家族に囲まれながら居酒屋を経営し、今ではジャージ愛用のメタボ親父。年ごろの娘からは「みっともないお腹」とさげすまれ、愛しい妻は「10㎏減量しなきゃ戻らない」と家出してしまった。のっぴきならない状況に陥ったガンさんは納戸の奥にしまいこんでいた革パンを引っ張り出し、己のプライドとロック魂を懸けてダイエットに挑戦する。やるぜ、健康増進法！目指すは、ミック・ジャガーのボディだ!?
　
この熱き男・ガンさんを演じられるのはこの人しかいない！と、プロデューサーからラブコールを受けて立ったのは俳優・嶋大輔。’80年代にロックン・ローラーとして活躍し、名曲「男の勲章」で全国のヤンキーたちにツッパリ道を叩き込んだ嶋だが、最近は某人気バラエティ番組で“メタボ王子”“イベリコ王子”なる有り難くない異名を頂戴している。『木更津キャッツアイ』シリーズでの本人を思わせるキャラクターも記憶に新しく、10代・20代に支持層を広げている嶋だが、今回は「同時代を生きたお父さんたちに勇気を与えたい」と、一度は封印したリーゼントを解禁。スクリーン初主演を飾る。
　
ガンさんの妻・弘子役は、「３年Ｂ組金八先生」（79）で迫力のツッパリを演じ、嶋同様にオーバー40歳世代から熱い支持を受ける三原じゅん子。ガンさんを叱咤激励する謎のロック娘・奈々には、テレビ朝日系「忍風戦隊ハリケンジャー」でブレイクし、avex所属アーティストとして活躍する女優・長澤奈央。ガンさんの愛娘、長女なるみに「セブンティーン」専属モデルの波留（はる）、次女ひかりにジュニア・アイドルの紗綾（さあや）が扮し、おやじ映画に彩りを加える。そして監督は、邦画界を席巻している大阪芸大出身で、映画『プウテンノツキ』（01）、『ピーカン夫婦』（05）、『転生　TENSEI』（06）の元木隆史。その『ピーカン夫婦』で主演し、友人・山下敦弘監督作品の常連俳優でもある山本剛史が、ウサン臭い音楽業界人役で出演し、映画ファンのツボを刺激する。
　
なお嶋は、ガンさんよろしく、映画公開までに10kgのダイエットを宣言。リアル・ダイエットムービーとなるのか!?　Don’t miss it!