原題:Things We Lost In The Fire

2007年/アメリカ/カラー/119分/ 配給:角川映画、角川エンタテインメント

2010年07月23日よりDVDリリース 2009年01月09日よりDVDリリース 3月29日(土)より、恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町一丁目ほか全国ロードショー

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公開初日 2008/03/29

配給会社名 0058/0612

解説





「喪失」と「再生」をテーマに、男女の心の機微を繊細に描いた人間ドラマ。

主演はアカデミー主演女優賞を獲得したハル・ベリー。喪失感にさいなまれもがき苦しむ未亡人、オードリーを熱演している。共演はアカデミー助演男優賞を受賞したベニチオ・デル・トロ。監督は『アフター・ウェディング』で2007年度アカデミー外国語映画賞にノミネートされている、デンマーク出身、スサンネ・ビア。

ストーリー







<プロローグ>
プールの側にいる父親と息子。プールの水が緑色だという息子に父親は「緑ではなく蛍光だよ」と教える。蛍光って何?と聞き返す息子に「内から光放つもの」と答える父親。

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10歳の娘ハーパー(アレクシス・リュウェリン)と6歳の息子ドーリー(マイカ・ベリー)の二人の子供に恵まれ幸せな結婚生活を送っているオードリーとブライアン夫妻(ハル・ベリーとデヴィッド・ドゥカヴニー)。一方、弁護士だが、ヘロイン依存のために堕落した人生を送っているブライアンの親友、ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)。ジェリーの自滅的な行動にあきれて誰もが見放す中、ブライアンだけは彼を見放さず面倒を見ていた。ジェリーと仲良くするブライアンの行動をなかなか理解できないオードリーはやり場のない苛立ちと不安から、ジェリーを嫌い、避けてきた。

ある晩、地元警察が届けにきた知らせにオードリーは崩れ落ちる。愛する夫が、たまたま目撃した夫婦喧嘩の仲裁をして、逆上した夫に射殺されたというのだ。

ブライアンの葬式の日。夫への思いと、彼が大事にしてきた友情を無視してはいけないと思い、オードリーはドラッグでぼろぼろのジェリーを呼ぶ。参列客が帰った後、遺族とジェリーが同じテーブルにつき、昔話に花を咲かせていた。そこでオードリーは、ジェリーが妻の自分でさえ知らないブライアンの一面を知っていると知り、同じくらいブライアンを理解し、愛していたかもしれない唯一の存在、ジェリーに心を開き始める。

しかし、オードリーは夫を亡くした苦しみから、つい子供に八つ当たりをし自己嫌悪に陥るという悪循環にはまってしまう。そして彼女から次第に子供たちの心が離れてゆく。

壊れかかった家族の絆をもとに戻すため、また夫の死から立ち直るため、オードリーはクリニックで清掃夫として働いているジェリーを訪ね、一緒に住むことを提案する。
自分のことを哀れにんでの提案かと思ったジェリーは、同情はいらないと断る。オードリーは「同情じゃない。私を助けてほしいの」と懇願する。

オードリーの要求を受け入れ、離れの客室に住み始めたジェリーはこれをきっかけにヘロインを絶つべく、NA(匿名断薬会)にも通い始める。また、いつしか子供たちの父親代わりにして友達という重要な役割も担うようになっていった。

ある日、ハーパーが通う学校から彼女が登校していないという連絡があり、オードリーはパニックに陥る。思い当たる場所があるということで、ジェリーが白黒映画を上映している古い映画館に行くと、そこにハーパーがいた。オードリーに何故ハーパーの居場所がわかったのかと尋ねられたジェリーは「生前ブライアンから聞いていたから」と答える。オードリーは、自分よりも子供たちのことを知っているジェリーに苛立ちを感じるようになる。
次第に子供たちが自分よりもジェリーを慕う姿を見て、オードリーは嫉妬と不安から、思わずジェリーに家から出て行くように言い放ってしまう。

その晩、寝静まった母屋の食器棚からジェリーが銀食器を盗み出すところを目撃するハーパー。食器を売ってヘロインを買うお金に当てるのかと言及するハーパーにジェリーは何も答えず、そのままハーパーを寝かしつかせ、姿をくらます。

ジェリーが姿を消してからしばらくして、オードリーのもとに一本の電話が入る。ジェリーとNAで一緒だったケリーという女性からだった。最近彼の姿を見ないという。オードリーはジェリーがまたヘロインに手を出したと確信し、彼を探しに麻薬常習者が集まる区域に行く。

オードリーが思ったとおり、ジェリーはヘロインですっかり廃人のようになっていた。オードリーは彼を家に連れ帰り、ケリーの協力のもとヘロインを絶つため連日看病を続ける。オードリーのおかげでヘロイン中毒を克服したジェリーはまたオードリー一家との共同生活を始める。

そんなある晩、オードリーはケリーを夕食に招待する。ケリーがオードリーの亡き夫ブライアンの思い出話をいろいろと質問しているうちに、オードリーはガレージで起こった火事の話をはじめた。
「漏電で起こったガレージの火事で多くのものを失ったわ。子供服、思い出の写真、重要な書類・・・・でもブライアンにその話をしたとき、彼は『失ったものはただの”もの”でしかない、それでもまだお互いがいるじゃないか』と言ったのよ。」
その夜、オードリーは最愛の夫を失ったと改めて気づき、ジェリーの前で初めて感情を露わにし、泣き崩れるのだった。

ジェリーはオードリーの薦めでリハビリセンターに入り、更正することを決心する。
ジェリーとの別れを嫌がり部屋に籠もるハーパーに、ジェリーは「戻ってきたら一生の友達でいるから」と別れの挨拶をし、旅立つ。

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<エピローグ>
リハビリセンターのジェリー。ヘロインを絶ってからやっと39日が経った。毎晩うなされる悪夢をグループセッションで語っている。が、彼には夢がある。またオードリーの家族と普通の生活を送る夢だ。

スタッフ

監督:スサンネ・ビア
製作:サム・メンデス、サム・マーサー
脚本・製作総指揮:アラン・ローブ
製作総指揮:ピッパ・ハリス
撮影:トム・スターン
プロダクションデザイン :リチャード・シャーマン
編集:ペルニラ・ベック・クリステンセン、ブルース・キャノン
衣装デザイン:カレン・マシューズ
テーマ曲:グスターボ・サンタオラヤ
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
音楽スーパーバイザー:スーザン・ジェイコブス

キャスト

ハル・ベリー
ベニチオ・デル・トロ
デヴィッド・ドゥカヴニー
アリソン・ローマン
オマー・ベンソン・ミラー
ジョン・キャロル・リンチ

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