原題:Sleuth

2007年/イギリス・アメリカ/カラー/89分/
配給:ハピネット

2008年08月29日よりDVDリリース
2007年3月8日よりシネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国順次ロードショー

(c)MRC II Distribution Company LP

公開初日 2008/03/08

配給会社名 0187

解説


男の嫉妬は 世界を滅ぼす。

アンドリュー・ワイク
初老の推理小説家。
スタイルにこだわる知性的な紳士。
尊大で無慈悲。

マイロ・ティンドル
若い俳優。
女はもちろん、男も惑わす美貌の持ち主。
野卑にして繊細。

エゴ、プライド、そして嫉妬。
ひとりの女を巡って、
ふたりの男の 高貴で不健全なゲームが始まる…

スルース それは 知性と理性が勝敗を決める 究極のゲーム

ロンドン郊外にあるベストセラー推理作家アンドリュー・ワイクの瀟洒な邸宅に、招かれたのか、押しかけたのか、マイロ・ティンドルと名乗る若い男が現れた。彼らの関係は“夫 VS 妻の浮気相手”。
作家が、若い男に持ちかける。「妻が欲しいなら、私の提案に乗らないか?」
それは、ひとりの女をめぐって、ふたりの男が挑発し合う、高貴で不健全なゲームの幕開けだった。罠を仕掛け合い、ワンシーンごとに取って替わられる主導権。息つく暇もない89分。ラストシーンで微笑むのは、果たしてどちらか?

お気をつけあれ! そのひと言には100通りの意味がある…

アカデミー賞4候補に上った傑作ミステリー「探偵<スルース>」(’72)が、設定はそのままに、全く新しいアプローチで甦りました。キャラクターに、より複雑さと陰影が増した脚本は、ノーベル文学賞作家ハロルド・ピンターの手によるもの。セリフのひと言ひと言、行動のひとつひとつが、本心か策略か? 嘘か真実か? 観る者を混乱させ、だまし絵の世界へ誘います。監督は「魔笛」のケネス・ブラナー。巧妙な演出と意匠を凝らした画作りで、ヴィヴィッドな「スルース」がここに誕生しました。

ジュードの妖しさ VS マイケル・ケインの怪しさ の 危うい対決! 

本作最大の見どころは、それぞれの世代を代表する英国の二大俳優、マイケル・ケインとジュード・ロウの火花を散らす演技合戦。プロデューサーを兼ねるロウの熱烈なオファーを受け、72年版でローレンス・オリヴィエが演じた作家役を新たな解釈を加えてケインが熱演すれば、ロウは、かつてケインが演じた若い男役にまわり、女性はもちろん、男性をも魅了する妖しさと美しさで対抗。男のエゴとプライドを激しくぶつけ合うバトルは、思いもよらぬ方向に展開していきます…。

ストーリー





監視カメラが作動し、正面ゲートを抜け、長いドアウェイを走る中古のシトロエンを捉える。ここは、ベストセラー推理小説家 アンドリュー・ワイクのロンドン郊外の邸宅だ。エントランス前に横付けされたワイクの新車のベンツの隣に、シトロエンを止めた若い男は、ベルを鳴らした。
「マイロ・ティンドルです」、「会えて嬉しいよ」。若い男は邸内に招き入れられた。
ジョージア王朝風の外観とは全く異なり、中はモダンなデザインの粋を集めた、現代アート・ギャラリーのような趣だ。
「誰がインテリアをデザインしたか知ってるかね?」、「あなたの奥さんですよね」

「マイロ・ティンドル…。珍しい名前だな」、「父がイタリア人なので」。
ウォッカとスコッチで乾杯し、館内を得意顔で案内するワイク。ドア、ライティング、警備システム、館内のほとんどが、ワイクの手の中の小さなリモコンひとつで、管理されているのだった。
「本題に入りましょう。なぜ奥さんと離婚しないのです?」。ワイクの妻マギーは、若いティンドルと浮気をしており、ティンドルは、ワイクにマギーとの離婚を合意してもらうため、屋敷を訪れたのだ。
「ところで君の仕事は?」、「俳優です」。「どんな役を?」、「今は失業中です」。「そんな君に、贅沢な妻を満足させてあげられるのかな?」。ハンサムなこの若い男の要求を、すんなり満たしてやる義理はない。「君に提案がある」。ワイクは用意していたアイデアを切り出した…。

FIRST SET

ワイクの計画はこうだ。ティンドルに、外部から侵入した泥棒役を演じてもらい、二階の隠し金庫にある100万ポンドは下らない高価なネックレスを盗んでもらう。それを海外に売り払えば、ティンドルには今後マギーに贅沢をさせられるだけの現金が、ワイクには宝石に掛けた多額の保険金が転がり込む、という算段だ。
「罠だ。盗みに入らせて、僕を警察に売る気だろ」、「まさか。私も妻とは別れたいんだ。正直に言おう。私も実は金が必要だ。これは取引だ」。

ワイクの巧妙な話術に、その気になったティンドルは、ワイクの練ったシナリオの通り、外に出た。ハシゴをかけ屋上まで上り、天窓を破り邸内に侵入。一方のワイクは、優雅に室内のデザインチェアに横たわり、監視カメラが映し出すティンドルの一連の動きを、冷たい笑みを浮かべながら、眺めていた。
「次だ。金庫はどこにある?」、すっかりワイクの意のままに泥棒役を演じるティンドル。「まあ待て」。ワイクが銃を取り出した。“泥棒に銃を向けられた家主が、脅迫されながら金庫を開け、宝石を取り出す”、という流れを、実際にティンドルに銃口を向けながら指示するワイク。「なんて美しい…」、100万ポンドのネックレスを手にするティンドル。「さあ、ここからが本物のゲームだ」。ワイクはティンドルに向けた銃口を下ろそうとしない…。
「宝石泥棒の話は終りだ。私が本気で、宝石も妻も君に渡すと思ったのかい?」。
ワイクは、ティンドルに向けて引き金を引いた。

SECOND SET

昼下がり。書斎でテレビを観ながら、くつろぐワイクの姿があった。画面には自身の小説をドラマ化したテレビムービーが映し出されている。
警備システム作動—。監視カメラが、予期せぬ客の訪問を知らせた。やって来たのは、不精髭をたくわえ、でっぷりとした腹に安物の皮のジャケットを羽織ったブラックと名乗る刑事。三日前に姿を消した男の行方を捜している、という。

「マイロ・ティンドルという男が、あんたに会いに行く、と言い残して姿を消した」。
「知らない名前だな」とワイク。「この家から銃声が聞こえた、という情報もある」。
馬鹿げている、と、始めは取り合わないワイクだったが、「あんたの奥さん、他の男と浮気してるだろ」と、いきなり指摘され、“金曜日の午後6時半に来てくれ”というワイク自身が書いたメモを提示されるにいたり、しぶしぶティンドルの訪問を認めた。
「あんたは、人を殺しかねないと言ってたぜ」。刑事は、ワイクの妻マギーにも会ってきた、という。「殺してはいない。空砲を撃って屈辱を与えただけだ。気絶したが、目を覚まして帰っていったよ」、必死に抗弁するワイク。「いや、そうじゃないだろ。じゃ、この血は何だ?」、カーペットの染みを指す刑事。ティンドルのものと思われる服一式も見つかった。
「さあ、死体はどこへやった?」。刑事に羽交い絞めにされ、追い詰められるワイク。「いいざまだな。ぶるぶる震えてるぜ」。

【ここから先は、本編をご覧になってからお読みください】

ワイクの背後で、刑事がコンタクト・レンズ、かつら、髭を次々と外していき、ティンドルが姿を現した。刑事はティンドルの変装だったのだ!
「これで1対1だな。天才的だ」。血痕や証拠品を事前に仕込み、完璧な変装で騙したティンドルに、ワイクは称賛の言葉を贈り、素直に負けを認めるが、ティンドルはそうは思わない。第一セットはティンドルの完敗。しかし第二セット、ティンドルは三ゲームを先取した程度、まだ勝負はついていない、というのだ。「あんたは僕みたいな死の恐怖を、まだ味わっていない」。ワイクに脅され、命乞いをし、空砲を撃たれ気絶した屈辱の一夜には、まだまだ程遠い。ティンドルは、銃を手にしてした。

FINAL SET

ワイクに銃口を向けながら、ティンドルは“宝石泥棒”を、今度はワイクに再現させる。より暴力的に。「この宝石で、何をするか知りたいか?」。ネックレス、イヤリング、ブレスレットをワイクに着け、「とても魅力的だ」とからかい、ネックレスで首を締め付けるティンドル。鏡の中には、滑稽なワイクの姿があった。
「その宝石で、好きなだけ遊んでればいい」。ティンドルはワイクを突き放す。ティンドルの目的は、宝石ではなかった。ワイクに屈辱を与えたかっただけなのだ。
「これで二セット目は終了だ。三セット目は、どちらが取るかな?」

「君を興奮させる、新たな提案があるんだが」。ワイクが、ティンドルに持ちかける。
それは、形勢逆転を狙った、あまりにも奇妙な申し入れだった。
ふたりの男のゲームは、予想外のクライマックスを迎えようとしていた…。

スタッフ

監督:ケネス・ブラナー
製作:ケネス・ブラナー
   サイモン・ハーフォン
   ジュード・ロウ
   サイモン・モーズリー
   マリオン・ピロウスキー
   トム・スターンバーグ
原作戯曲:アンソニー・シェイファー
脚本:ハロルド・ピンター
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
プロダクションデザイン:ティム・ハーヴェイ
衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン
編集:ニール・ファレル
音楽:パトリック・ドイル
装置:セリア・ボバック

キャスト

マイケル・ケイン
ジュード・ロウ

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