うちのこと幸せにしてくれて、ありがとう。

2008年/日本/カラー/105分/ 配給:ビターズ・エンド

2009年05月22日よりDVDリリース 2008年11月8日(土)より、シネマスクエアとうきゅう他全国順次公開

(C)2008「秋深き」製作委員会

公開初日 2008/11/08

配給会社名 0071

解説


今だから伝えたい!男と女が一緒に生きることの素晴しさ
人と人との結びつきが希薄になり、孤独と隣り合わせに生きる毎日。人心を不安に陥れる事件が起こり、混迷を深める社会。今ほど、“愛”や“友情”が心から求められている時代はないかもしれない。
この映画は、一途に愛を貫く平凡な中学校教師と、ぬぐいきれない過去を引きずりながらも、ありったけの母性で男の愛を受けとめる女の、滑稽で可笑しくも、悲しいまでに美しいラブストーリー。
不器用な生き方しかできない“日本一の純情夫婦”が奏でる恋物語は、人生の切なさ、日々の営みの尊さ、人情のあたたかさ、そして愛なくしては生きられない人間の性(さが)を優しく私たちに伝えてくれます。

八嶋智人、佐藤江梨子が何と夫婦に!!2人の熱演が観るものを笑いと涙の渦に!
可笑しくて、泣けて、心温まる2人を演じるのは、本作が映画初主演の八嶋智人と、夫婦役初挑戦の佐藤江梨子。これまでの映画やドラマで見せる役どころやバラエティ番組でのコミカルな味わいとは打って変わり、少年のような無垢さを秘め一途に女を愛する中学校教師・寺田を、舞台で鍛えた確かな演技力で披露する八嶋智人。そして、男を温かく包む母性を兼ね備えつつも、過去に曰くのあるヒロインを、達者な関西弁と圧倒的な肉体感で演じた佐藤江梨子。外見やキャラクターが絶妙な好対照を見せる2人が、お決まりのラブストーリーを見事に打ち破り、リアルでありながらどこかメルヘンを感じさせる愛のドラマを見事に演じている。そして、2人を取り巻く登場人物たちも個性的な面々が集結。ささくれ立った男の色気と得体の知れない雰囲気で主人公・寺田と奇妙な友情を結ぶ、“インケツの松”を佐藤浩市が演じる他、赤井英和、渋谷天外、山田スミ子といった関西の舞台・映画を代表する名優たちが勢ぞろいで、浪速の市井に息づく厚い人情を見事に再現。本作を単なるラブストーリーではない、人間ドラマとして観る者の心を熱くしてくれます。

昭和の文豪オダサクの名作が、現代の大阪によみがえる!
森繁久彌、淡島千影のコンビで映画化もされた名作「夫婦善哉」で文壇に華々しくデビューした昭和の文豪、織田作之助(通称オダサク)の短編をもとにした本作。1940年代に発表された小説を、作者のスピリットはそのままに現代へと舞台を移し変えたのは、「天使のはらわた・赤い淫画」(81)、「人魚伝説」(84)、「ハサミ男」(04)の鬼才監督:池田敏春。浪速情緒たっぷりの脚本は「ガキ帝国」(81)、「TATOO〈刺青〉あり」(82)などの西岡琢也。さらに音楽は、日本を代表するサックスプレイヤーで、「マルサの女」(87)を始めとした数々のサントラで有名な本多俊之が担当。主題歌も関西出身の若手シンガーソングライター奥村初音がドラマチックに歌い上げます。日本映画の面白さを骨の髄まで知り尽くした実力派のスタッフが作り上げた、情が熱くてけったいなメイド・イン・大阪の恋物語。ほんまにええ話です!!

ストーリー

中学校教師の寺田悟は、仏具屋を営む実家で両親と暮らしている。見合い話には目もくれず、今夜も大阪・北新地のクラブへいそいそと出かけていく。店のホステス、川尻一代に想いを寄せているのだ。一代の方も、酒も飲めないのに足しげく通っている寺田にまんざらでもない様子。

ある晩、寺田は重大な決意を胸に秘め、店を終えて帰る一代を待ち伏せる。帰り際、客の男に執拗に迫られている一代を助けることすら出来ず、彼女に責められる寺田だったが、意を決して一代にプロポーズする。一代は寺田の申し出を受け入れた。

無理やり見合いをさせられたことをきっかけに家を飛び出した寺田と、孤独を恐れ幸せを夢見る一代の新婚生活が始まる。2人の愛の日々。しかし生活を重ねるにつれて見えてくる一代の過去の男性遍歴に、寺田の嫉妬は勝手にエスカレートしていく。そしてある日、一代は「おっぱいが痛い」と言い出し、病院へ。彼女が留守の折、寺田は一代宛に届いた葉書を何気なく見てしまう。それは、知らない男からの逢引の誘いをにおわせる文面だった。

葉書に記された待ち合わせ場所の園田競馬場へ1人で向かう寺田。競馬経験のない寺田だが、レース場で「1−4!カズヨ!来い!」と叫ぶ“インケツの松”と呼ばれる男に出会う。寺田は松を尾行し、松の宿泊するホテルや銭湯まで追いかける。裸の松の背に刻まれた「一」の文字。もしや“一代”の“一”ではないかと、疑いを深める寺田。そのうち尾行していることを咎められ松と話をすることになるが、どうやら一代とは無関係だと分かり一安心。

家に帰った寺田に、一代は「乳がんになった」と告白。一代は寺田が大好きな「おっぱい」を切らずに治すことを決意する。寺田は一代の病気の為ならと神頼みがエスカレートして、怪しい加持祈祷にまで頼りだし、さらには120万円の壷を手に入れようとするがもうすでに金がなかった。金を手に入れるため、寺田は生徒から徴収した修学旅行費を手に園田競馬場へ向かうのだが・・・。

スタッフ

監督:池田敏春
原作:織田作之助
脚本:西岡琢也
音楽:本多俊之
プロデューサー:寺田環、葉山正人
撮影:水谷奨
照明:南所登
美術:山崎博
録音:田中喜昭
主題歌:奥村初音「モノクロの空」

キャスト

八嶋智人
佐藤江梨子
赤井英和
渋谷天外
山田スミ子
佐藤浩市

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す