ふと芽生えた幸せな生活への疑問。 心に灯った不安の火が別のわたしを目覚めさせる。

2004年/日本/カラー/43分/ 配給:プロジェクトINAZUMA

2007年6月2日(土)〜15日(金)の2週間、シネマアートン下北沢でレイトショー公開

公開初日 2007/06/02

公開終了日 2007/06/15

配給会社名 0843

解説



夫は風呂の水につかった電球を引き上げると、タオルでそっとぬぐう。まるで失われた我が子の命を悼むかのように。だが、その後、妻が淡々と語る流産に至る経緯を聞き、慄然とする……。夫の目の前で妻が未知の他者に変貌するサスペンス。「森谷司郎監督『放課後』に登場する地井武男と宮本信子の夫婦をモチーフに、夫婦であることに潜む危機を異類婚姻譚のように描きたいと思った」(大工原正樹)。

ストーリー

 内村(李鐘浩)の出張中、妻の千里(森田亜紀)が流産した。風呂の電球を替えようとしてイスから落ちてしまったのだ。退院後の千里は窓から遠くを見つめてばかりだったが、ある夜、流産するまでに起きた奇妙な出来事を語りだした。

 きっかけは夫が浮気しているという噂だった。笑って噂を打ち消す千里だったが、次の日からネコアレルギーの症状が出て息苦しくなる。マンションに猫などいるわけがないのに、一体なぜ……?

 千里は夫が誰かの部屋で猫とじゃれているのでは、と疑う。夫の会社でバイトしている文子(永井正子)や、大学時代の写真に写っている女性(藤崎ルキノ)の姿が、千里の心に不安の火を灯す。

 やがて、千里は炎を見つめていると、息苦しさがすっと消えていくことに気づく。お腹の子によくないと思いつつも、火に魅せられていく千里。「火の匂い……わたしの中のわたしの知らない匂い……」。それは彼女の中に棲む赤猫が目覚めた瞬間であった。

スタッフ

製作:映画美学校(第6期フィクション高等科製作実習作品)
製作管理・進行:山口博之
制作:岡崎健・小嶋洋平・近藤明範・中西朋暁・三好紗恵
監督:大工原正樹
脚本:井川耕一郎
撮影・照明:福沢正典
録音:臼井勝
助監督:天野隆太・外山弥呂・橋詰和幸・阿武隈川智
撮影助手:柿成大・四宮秀俊・平野晋吾・横浜聡子
照明助手:秋山恵ニ郎・江頭豊・鎌苅洋一・須賀豊・坪岳人・早瀬洋平・矢野由紀
録音助手・整音:有馬美保・伯野祥展・三好紗恵
美術:青山あゆみ・太田信裕・大川哲史・隅達昭・早瀬洋平
衣装・特殊メイク:長島良江・矢部真弓
特殊効果:粟津慶子・大門未希夫・岡田雄介・太田信裕・伯野祥展・古屋満丈・矢野由紀・横浜聡子
スクリプター:太田信裕
編集:天野隆太・大工原正樹
音楽監修:岸野雄一
音楽:伊藤慎介

キャスト

森田亜紀(千里)
李鐘浩(内村)
藤崎ルキノ(加奈子)
永井正子(文子)
高橋かすみ(叔母)
植岡喜晴(焼け跡の男)

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