モン族の少女パオの物語

緑深い山々と霧に包まれた美しい村
モン族の少女パオと二人の母の、秘められた切ない運命の物語

　ベトナム北部の山岳地帯に暮らす少数民族モン族の少女、パオ。彼女には二人の母親がいた。産みの母シムと育ての母キア。ある日キアは何も言わずに深い山の中にこつ然と姿を消す。残された父親を見かねたパオは、遠く離れて暮らす実母シムに助けを求めるため旅に出る。待ちうけていたのは、彼女の想像を超えた、大人の女としての母たちの秘密だった・・・。
　監督は、俳優出身のゴー・クアン・ハーイ（『青いパパイヤの香り』『シクロ』）。ベトナム初のインディペンデント映画となった本作で監督デビュー。パオ役のドー・ティ・ハーイ・イエン（『夏至』）は、美しいモン族の民族衣装に身を包み、恋をすることで母たちの女性としての苦悩を知って成長していく少女を瑞々しく演じている。