“たけし”が“たけし”を演じる。 “だけし”が“たけし”に出会う。

第62回ベネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

2005年/日本/カラー/107分/ 配給:松竹/オフィス北野

2006年04月07日よりDVDリリース 2005年11月5日(土)全国松竹系ほかロードショー

公開初日 2005/11/05

配給会社名 0003/0020

解説

不純物ゼロ、500%の体感”TAKESHl”映画

『TAKESHlS’』(タケシズ)の意味は.直訳通り「たけしたちの」。売れない芸人の北野と、テレビ界の大物タレントであるビートたけしが主人公。これまでの北野作品には、”生”と“死’㌧”動”と”静”など様々な対照的なものが混在してきました。本作では、虚構と現実の世界が融合し、出演した俳優たちにもさまざまな役を演じわけるという、ふり幅の広い演技を求めています。テレビでお茶の間を賑わす”ビートたけし”の、売れなかった時代の記憶、誰もがイメージしているであろう自身の姿と重層的に自已を投影させ、時には哀しげな認雁予が、時には自信に満ち溢れたビートたけしが画面に登場し、新しいTAKESHlの世界へと導きます。

北野武=ビートたけしの原点。『その男、〜』に始まる第一期北野映画の終着点でもあり.新しい北野映画の出発点であります。500%の体感”TAKESHl”映画を楽しんでください。

第62回ベネチア国際映画祭で異例、前代未聞のサプライズ上映

『HANA-Bl』や『座頭市』でも高い評価を博した、ベネチア国際映画祭。その第62回ベネチア国際映画祭で、『TAKESHlS’』は異例のサプライズ上映という形式で招待され、ワールドプレミア上映となりました。

上映の当日まで、一切知らされなかった観客は、公式上映で、場内の客電が落ち、スクリーンに突如出現した「K」のロゴと共に、割れんばかりの拍手と喝采。終映後の監督へのスタンディング・オベーションは5分間の長きに渡りました。しかし、最もサブライズしたのは、実は監督自身。密かにベネチア入りし、従業員通路を通ってホテルヘと、完全に隠密行動をとらされた監督は、「俺の方がよっぽどサプライズだ!』とコメント。プレス試写や、公式記者会見での記者の反応、海外の映画関係者、観客の反応を、一言で言うと「こんな映画観たことない!」。これはすべて監督の思惑通りで「我、奇襲二成功セリの心境」とにんまり。これまでに誰も見たことのない映画を、あなたは11月5日に体感します。

たけしが、たけしと武を演じて、『TAKESHIS’』に出会った12作品目

『その男、凶暴につき』(89)で衝撃の映画監督デビューを果たし、続く『3-4×10月』(90)、『ソナチネ』(93)の台詞や説明を思い切って省く独自の映像スタイルによって、ワールドワイドに熱狂的なファンを獲得。その後、ベネチア国際映画祭・金獅子賞を受賞した『HANA-BI』(98)、日英合作の『BROTHER』(01)など一作ごとに話題を集め、『Dolls(ドールズ》』(02)では、従来の”キタノ・ブルー”から赤を基調とした大胆な色彩美も披露しました。
そして世界各国から賞賛を浴びた、『座頭市』から2年。誰も踏み入れたことのない境地へと果敢に進み行く北野武が描くのは、たけしが、”たけし”と”武”を演じて、”TAKESHl”に出会う物語です。
『ソナチネ』(93)が完成した頃から温め続けてきたアイディアをさらに熟成させ、構想12年、12作品目にしてこの『TAKESHlS’』が完成しました。
『TAKESHIS’』だからこそ揃った充実の出演者出演者のほぼ全員が2役以上をこなすという難しい演技に挑戦。日本映画界の第一線で活躍し続け、北野作品の常連として確かな個性を発揮する大杉漣、寺島進、渡辺哲、津田寛治、芦川誠たちが、リアルな演技を要求される役から、漫画のようなユニークなキャラクターまでを北野組の常連たちが演じています。
さらに女優として新境地を開拓した京野ことみ、『HANA-BI』で妻役を演じ、北野演出に気後れしない、貫禄ある演技を披露する岸本加世子、そして圧倒的な存在感で観客を引きずり込む美輪明宏と、芸達者たちの怪演、名演も見どころのひとつです。
ビートたけしもこの映画で3役を演じています。黒髪のビートたけしと金髪の北野、そしてもうひとつは…?また、音楽は、この映画のためにジョイントしたNAGIが担当。さらには『座頭市』で存分に実力を発揮したタップダンス・ユニットのザ・ストライプス、スクラッチの名手DJHANGERなど、感性豊かな才能にも注目してください。

ストーリー

愛車のロールスロイスで移動し、常に美しい愛人が寄り添い、欲しいものば何でも手に入るリッチな生活を送っている。もっともその分だけ、日々の生活は忙しい。夢は気楽なタクシーの運転手。テレビ局では大勢の局員たちの出迎えを受け、新人売り込みの芸能事務所のマネージャーがしつこく付きまとい、人気を張り合う大物歌手からはrあの男ば、怪物よ」などと敵視されているが、傍若無人もいいとこで、付き人に怒鳴りまくっている。そんなビートたけしの姿を見つめるのば、ビートたけしが売れる前からずっと出待ちしてきた追っかけの女だ。

一方、北野武ば売れない役者。コンビニの店員をしながら、いっかぱ”ビートたけしのような存在になろう”と奮闘中・部屋の壁に『灼熱』のポスターを貼り、ビートたけしを真似して頭も金髪に染めてオーディションに通いつめるが、セリフはトチるし、演技もまともに披露できず、審査員から冷たく「はい、次の人」といわれ続けている。気落ちしてアパートに帰れば、廊下で、隣室の女がヤクザとくだらない漫才まがいの会語でいちゃついている。何もかもがうまくいかない毎日に、北野武のフラストレーションは少しづっ高まっていく。そんなある夜、北野武が見た夢の中にビートたけしが現れた。その日、テレビ局の楽屋口で会って、北野武はビートたけしにサインを貰ったのだ。夢から夢へのバームクーヘン。そしていつしかビートたけしが見る夢の中にも北野武が登場して……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
プロデューサー: 森昌行・吉田多喜男
撮影: 柳島克己
美術: 磯田典宏
音楽: NAGI
音楽プロデューサー: 野田美佐子
スクリプター: 吉田久美子
ラインプロデューサー: 小宮慎二
衣裳デザイン: 山本耀司
音響効果: 柴崎憲治
照明: 高屋齋
整音: 堀内戦治
録音: 堀内戦治
助監督: 松川崇史

キャスト

ビートたけし
北野武
京野ことみ
岸本加世子
大杉漣
寺島進
渡辺哲
美輪明宏
六平直政
ビートきよし
津田寛治
石橋保

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す