プライマー
原題:PRIMER
サンダンス映画祭 審査員大賞/アルフレッド・P・スローン賞ダブル受賞 インディペンデント・スピリット・アワード 最優秀作品/最優秀監督他4部門ノミネート トロント国際映画祭 シカゴ国際映画祭 ロンドン国際映画祭 他出品
2004/アメリカ/カラー/77分/ビスタ/ステレオ/日本語字幕:石田泰子/ 字幕協力:水谷美津夫/ 配給:バップ+ロングライド
2006年03月24日よりDVDリリース 2005年9月24日、ライズエックスXにて“時間の観念が変わる!”ロードショー
公開初日 2005/09/24
配給会社名 0076/0389
公開日メモ “アインシュタイン奇跡の年”から100年 物理学と電子ノイズ、ハードSFが融合した究極のタイムループ・サスペンス!
解説
過去に戻ることは可能だ。ただ、“タブー”にさえ触れなければ…。
80センチ×50センチ×50センチの“箱”。
それは、ふたりのエンジニアが偶然つくりだしたタイムマシンだった。
アメリカ、郊外の平凡な街。
ガレージに溢れる機材に埋もれて、アーロンとエイブは、超伝導を利用した重力軽減装置の実験を繰り返していた。その過程で偶然、開発されたタイムマシン。ダクトテープで覆われたその“箱”は、時間の概念が変わるワームホール、つまりタイムトラベルが可能になる空間に変貌していた。株価を操作し、大金を手に入れるふたり。すべてがうまくいくはずだった…。あの男たちと出会うまでは。それは、タイムトラベルのタブー。遭遇してはいけない“存在”—ダブル分身。やがて、ふたりの“未来”が歪みはじめる…。
“アインシュタイン奇跡の年”から100年
物理学と電子ノイズ、ハードSFが融合した究極のタイムループサスペンス!
1905年、アルバート・アインシュタインは現代物理学へのジャンプ台となった「相対性理論」をはじめとする5つの画期的論文を次々と発表し、この年は物理学にとって“奇跡の年”と呼ばれることになった。“アインシュタイン奇跡の年”から、100年、その記念すべき年に符号するように、シェーン・カルースが監督・主演するデビュー作『プライマー』は姿を現わす。過去、現在、未来という時間の絶対的な区分や定義を無意味なものとしたアインシュタインの理論は、タイムマシンへの道を切り開いた。しかし、そこには決して触れてはならない“タブー”が存在するのだ。タイムマシンは、“人類の夢”のはずだった。自らもエンジニアだったという異色の経歴を持つシェーン・カルースは、その“タブー”に触れてしまったふたりのエンジニアの姿を初監督作品とは思えない圧倒的手腕で描き出す。タイムトラベルによって生じる現実とのパラドックス、理屈に合わない時間の連鎖、迷路、未解決事項、説明のつかない出来事をパズルのピースを組み合わせるように構築し、観る者の思考を刺激し、挑発する。
2004年のサンダンス映画祭が熱狂、喝采!!
サンダンス映画祭 審査員大賞/アルフレッド・P・スローン賞ダブル受賞!!
『プライマー』は2004年のサンダンス映画祭で上映されるやいなや、観客を興奮の渦に巻き込んだ。「観客を不思議の世界に誘い込むパズルのような映画だ」「少なくとも5回は観る必要がある」「完璧に成功している」と多くのメディアから絶賛され、審査員大賞とアルフレッド・P・スローン財団の科学技術関連映画賞をダブル受賞し、ロバート・ロドリゲス監督『エル・マリアッチ』(92)、ダーレン・アロノフスキー監督『π』(98)、ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス共同監督『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)に続く成功と讃えられた。
ストーリー
アメリカ、郊外の平凡な街。
エンジニアのアーロンは、さまざまな機材に溢れる自宅のガレージで友人のエイブたちとともに、オフタイムを利用しオリジナル製品の開発を行っていた。しかし、彼等の主力商品は大量注文の望めない代物で、ビジネスと呼ぶには程遠く、研究も次第に行き詰まっていった。
そんなとき、エイブは起死回生のアイデアを思いつく。超伝導を利用する事で重力を軽減させる装置。もし成功すればノーベル賞も夢ではないというものだ。大きな投資が見込める可能性もある。そんな“夢物語”の開発に仲間は反対するが、アーロンとエイブはこの研究をふたりだけで推し進める。
開発費の調達もままならない中、ダクトテープに覆われた“箱”型の装置を作り出す。この実験の過程で、ふたりは思いもよらない発見をするのだった。“箱”は一度起動するとバッテリーを外しても、自然に稼動し続けること。たまたま“箱に”混入したカビが、通常の数十倍の早さで培養されること。
そしてアーロンとエイブは、ある驚くべき結論に至る。 “箱”の中は、時間の概念が変わる“ワームホール”なのだと。つまり、タイムトラベルが可能になるのだ。
ア−ロンは、人が入ることができる大きさの“箱”の開発をエイブに提案する。ふたりは“箱”の保管場所として、住宅地から離れた貸倉庫へ下見に向かう。しかし、エイブは車を、なぜか貸倉庫が望める空き地に止めた。そして、エイブに渡された双眼鏡で、アーロンが、見たものは、酸素ボンベを手に倉庫に入ろうとしている、もうひとりのエイブの姿だったのだ!そう、既にエイブはタイムトラベルを経験し、未来から戻ってきたのである。ふたりが目にしているのは、タイムトラベル直前のエイブだった。
貸倉庫に設置された、タイムトラベルのためのふたつの“箱”。エイブに促され自らもタイムトラベルを体験するアーロン。ふたりは酸素ボンベを抱え6時間、“箱”の中で過ごす。6時間後、ふたりは“箱”に入った時点からさらに6時間前の世界へとタイムトラベルする。
未来を知るふたりは株価の情報を事前に仕入れ、過去に戻り、大金を手に入れる。アーロンとエイブは、すべての欲望を満たす力を手にしたかのようだった。
しかし、タイムトラベルには、絶対的に避けられない問題があったのだ。それは、ダブル分身の存在。タイムトラベルのタブーとされる「ダブル分身との遭遇」を避けるため、外界との接触を断ち、ホテルに身を潜める。だが、自らの欲望を実現するため、そして過去と現在との整合を得るために、倉庫とホテルの往復を繰り返す必要があった。その繰り返しの中で徐々にさまざまな矛盾が露呈し、ア−ロンとエイブの未来が歪み始める。
公園で話しをするア−ロンとエイブ。
ア−ロンの耳から流れる、夥しい血。両腕が麻痺し、字が書けなくなるエイブ。
ロバートのホームパーティに出かけ、レイチェルの元恋人と格闘するア−ロン。
自宅で食器を洗うア−ロンとエイブ。
どれが本来のアーロンとエイブで、どれがダブル分身なのか?
そんな中、何回目かのタイムトラベルを実行するため、倉庫に向かうア−ロンとエイブを尾行する不審な男の姿があった。その男は投資家グレンジャーに瓜二つだった。不信に思ったエイブがグレンジャーの自宅に電話をすると、受話器の向こうにはグレンジャー本人がいる。「グレンジャーがふたり存在する。グレンジャーもタイムトラベルを行っている。」そう直感するア−ロンとエイブ。なぜ、グレンジャーもタイムトラベルが出来たのか?
“箱”は、ふたりだけの秘密のはずだった。それを知っている誰かがいるという事は、どちらかが裏切ったという事だ。アーロンなのかエイブなのか?それともどちらかのダブル分身なのだろうか?
スタッフ
制作・監督・脚本・編集・撮影・音楽:シェーン・カルース
撮影:アナンダ・アダヤヤ
カメラ・オペレーター:ダニエル・ブッシェ
カメラ助手:ジェイムス・ラッセル
録音:レジ−・エバンス
制作補:デヴィッド・サリバン
キャスト
シェーン・カルース
デヴィッド・サリバン
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