岩井志麻子作品、初の映画化! どんな瞬間も私らしく

117分/配給:AMGエンタテインメント、配給協力:シナジー 製作:WOWWOW  宣伝メディアボックス

2006年01月27日よりDVDリリース 2005年9月3日、新宿K's cinema ほかにてロードショー

公開初日 2005/09/03

配給会社名 0644

解説


生まれ持った美貌と明朗さで誰からも愛される、明子。
知的で聡明な職業婦人。清子。
相反する二人の女性に愛される男、優一郎。
嫉妬、執着、醜態、執念…。
一枚の着物が、女の戦いに火をつけた—-

原作は女性の陰な内情をありのままに描くことで定評のある岩井志麻子。第9回島清恋愛文学賞受賞作品である。谷村志穂の「海猫」、野沢尚「恋愛時代」など数々のヒット作、映像化作品を生み出してきた島清恋愛文学賞、本作は岩井志麻子作品としては初の映像化となる。
無邪気で愛嬌溢れる若妻・磐井明子に、「冬の運動会」「Mの悲劇」「美しい夜、残酷な朝〜box〜」の長谷川京子。
控えめで実直な伊部清子に、「恋におちたら〜僕の成功の秘密」「船を降りたら彼女の島」の木村佳乃。
二人の女性に愛され、翻弄されてゆく磐井優一郎に、「愛してると言ってくれ」「北の零年」の豊川悦司。
そして、國村隼、香川京子、瀬戸カトリーヌ、遊人、街田しおん、山崎清介といった、個性的で存在感のある役者が脇を固めた。
監督は国際的にも評価が高く、世界に通用する監督として最も注目されている、原田眞人。現在、アメリカと日本の往復生活を送っている監督が、原作に惚れ込み、大正時代の文化と人間をスクリーン上に再現するためメガホンをとった。
映し出される風景は、大正時代そのもの。
大道具、小道具、衣裳のこだわりは、他に類を見ないものとなった。アンティークな建造物は豪華な造り。衣裳は着物から洋装まで数え切れぬほど用意され、その中から最も相応しい数十点が使用された。ストーリーに注目するのはもちろん、時の流れと共に変わってゆく役者の衣裳からも目が離せない。
女性の自立が常識となった現代、女性に自由が制限されていた大正。
時代が流れても変わることのない、男と女。

スクリーンの向こうにいるのは、過去の私たちそのものである。

ストーリー

大正初期、東京。
 「職業婦人」という言葉が生まれ、その新しい生き方が女学生たちの憧れとなっていたこの時代、明子(長谷川京子)と清子(木村佳乃)は女学校の同級生として、青春を謳歌していた。
天真燗漫で陽気な明子、地味で控えめな清子、女学生たちは皆、男子に養われるのは恥辱である、「自由戀愛」を貫こう、と声高に誓い合った。
 数年後—-。かつて「職業婦人」を謳っていた少女たちは、見合いにてそれぞれ嫁いでいった。明子は磐井商会の次男坊・磐井優一郎(豊川悦司)の妻となり、何不自由ない幸せな生活を送っていた。
ある時、明子は銀座で、女学校の同級生であった千鳥(瀬戸カトリーヌ)と再会し、清子が離縁したという噂を耳にする。一度嫁いだものの、亭主に妾がおり、家を飛び出したのだ。
清子を憐れに思った明子は、親切心から、夫の会社の事務職に就けるよう取り持ってやる。
翌日、さっそく清子の実家を訪れる明子。
「お可哀そうだなと同情しましたの。だってほら、私たちお友達じゃない」
明子は清子のみすぼらしい姿を見かね、面接用にと自分の豪奢な着物を差し出した。
「私って、そんなに惨めに見えるの……」
明子の無邪気な行為は、清子の自尊心を深く傷つけ、憎悪の念を生ませる結果となった。
清子は明子の着物を羽織り、鏡の前に立つ。今まで着る機会のなかった色鮮やかな着物。
鏡に映った清子には、今までにない華やかさが生まれた。白粉を叩き、紅をさす。
一枚の着物が、地味で目立たない清子を、妖艶な魅力を持つ一人の女へと導いてゆく。
面接のため磐井商会を訪れた清子は優一郎と対面する。優一郎は明子とは正反対の魅力を持つ清子に強く惹かれ、清子もまた、誠実で野心家である優一郎に親愛の情を抱いた。
たった一枚の着物—-それが、三人の人生を大きく狂わす分岐点となったのだった。
三人の運命は予想もしない方向へと転がってゆく—-

スタッフ

監督:原田眞人
原作:岩井志麻子
企画:山本均 WOWWOW
プロデューサー:青木泰憲 WOWWOW
        園木美夜子
企画協力:鍋島壽夫
撮影:小林元J.S.C
美術:福澤勝広
照明:椎原教貴
録音:矢野正人

キャスト

(磐井明子):長谷川京子
(伊部清子):木村佳乃
(磐井優一郎):豊川悦司
(磐井政之助):國村隼
(千鳥):瀬戸カトリーヌ
(藤原トーマス):遊人
(伊部悟郎):山崎清介
(磐井頼子):街田しおん
(磐井はん):香川京子

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